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王城を出て街を歩いてると、ザンド商会の食事処を見つけた。王都でも人気なのか沢山の人が並んでる。

「おっ。ティナ様」 

ちょうどザンドさんがお店から出てきた。

「ザンドさん、王都にいらっしゃったんですね」
「ええ。本来はこちらにいるのです」

ランロワには息子さん夫婦のことがあったからいたのかな?

ザンドさんに促されお店の中に入った。

「ティナ様のおかげでSランクになれそうです」
「そうなんですか?」
「今度の王宮パーティーでの料理を任されまして、それに成功したらSランクになれます」

それなら成功させなくちゃね。中央都市に行ってもザンドさんのお店があるなら外食も楽しくなる。

まだ売ってないレシピをザンドさんに売った。

拠点に戻ってきて今後の話をする。

「この後は学園に通えばいいですか?」
「まだ早いかな」
「そうだね。せめて7歳からでしょう」

あと1年以上ある。

「その間どうしたらいいですか?」
「中央でまったりするのはどうだろう?」

錬金術の方がSランク以上だから中央には行けるね。それに中央の街を見てみるのも面白いかもしれない。

「そうですね。中央に行ってみたいです」
「住むのは俺の家だぞ」
「うん! シルよろしくね」

シルのお家か楽しみだな。大きいのかな?それともシルのお母様のおうちのように可愛らしいのかしら?

想像するだけで楽しいわ。



冒険者ギルドの魔法陣を使って中央にやってきた。

「皆さんはこの後どう過ごすのですか?」
「私は聖級ダンジョンにアタックしてSSランクを目指すよ」
「俺たちもランク上げるためダンジョンに籠るかな」
「僕はクランの運営だね」

ミーアさん、ジョンさん、ユーグさんはダンジョンに籠るから会えなくなるのか。ハルトさんは拠点に行けば会えるね。

途中でハルトさんたちと別れてシルのおうちに向かった。

「皆さんは拠点で過ごしてるの?」
「ハルトは家を持ってる。他は拠点で生活してる」

中央は家の値段も高いようでなかなか買えないらしい。

シルのおうちはギルドから徒歩で10分のところにある。とても大きな家で屋敷と言ってもいいかも。

「凄く大きね」

庭もすごく広い。庭の部分だけで家が1軒余裕で建つよ。

「ああ。たまに庭で竜体になるから、広い家にした」

これだけ広ければ竜体になっても問題はないね。今度また竜体を見せてもらおう。

翌日はシルもクランの仕事をするというこで着いていった。拠点は5階建ての館だった。

「シルのおうちより大きいね」
「各部屋に風呂とトイレが付いてるからな」

中も広々としている。仕事する部屋に行くと既にハルトさんがいた。

「やあ!ティナちゃん」
「ハルトさん、こんにちは」

私はシルの膝の上で抱っこされたまま、シルは仕事をし始める。支出の計算をしてるみたいだが、桁も多いからなかなかペンが進んでいってない。

計算機でも作ってみようかな?

神通販で材料を購入して計算機を作った。

「シル、これを使って」
「これは?」
「計算する魔道具だよ」

実際に使って設定する。

「ね?早く計算出来るでしょう」
「流石だな、ティナ。俺のために作ってくれたのか」

シルは感動してた。そこにハルトさんが入ってくる。

「ティナちゃん、それ買うからいくつか作ってくれない?」 
「いいですよ」

10個ほど作ってハルトさんに売った。これも役に立つものだから後で錬金術ギルドにレシピを売りに行くことになった。

帰りは中央の街を探索した。ここで揃わないものはないというくらい大きなお店が立ち並んでる。中に入ってもどのお店も品数が多かった。1つの魔道具店に入った時に驚いた。なんと私のマークの入った冷暖魔道具がおいてある。

「そちらは大人気のシリーズなんですよ」

店員さんが話しかけてきた。

「そうなんですか?」
「ええ。人気すぎてなかなか手に入らないのです」

そのせいか値段も高くなってる。人気なんだぁ。まぁ、便利だしね。

「買っていかれますか?」
「持ってるので大丈夫です」

流石に私がティナですとは言えなかった。
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