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元婚約者side
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「何でこんな家に住まないといけないのよ」
平民の家よりこじんまりとした家で推しと住むことになった。
「仕方ないだろう。慰謝料返還するというし」
「1度貰ったものを返すの!?」
「とりあえずお前の宝石類やドレスは売ったらしい」
「わたくしのものを勝手に売ったの?泥棒よ!!」
推しに訴えるが仕方ないの一点張り。こんなのおかしいわ!わたくしは断罪を回避したし、推しとの結婚だって出来た。それなのに!!
「使用人は?いないの?」
「これからは自分たちでやっていくしかない」
家事をわたくしにやれと言うの!? 前世のようにコンロでないしオーブンレンジもない。そんな中料理なんて出来やしないわよ。しかも洗濯機もなく手洗いだ。この麗しい手が荒れてしまうわ。
なんてこんなことになったのかしら?
いくら考えても答えは見つからなかった。
「とりあえず下級文官になったけど、それで生活していくしかない」
「下級文官!? 公爵家のあなたが!?」
「王家の信頼を裏切ったんだ。この先、上の立場になることはないだろう」
「それとこれとは別でしょう!?」
仕事は仕事よ!一緒にされたらたまらないわ!
「子供たちもいるのよ!」
「子供には申し訳ないが、平民として生活させる」
「何でよ!!子供には罪はないわ!」
わたくしにも罪はないけど、子供はさらに罪がない。公爵家の子息子女として生きて何がわるいのよ!
「何が悪かったというの?」
「最初から間違いだったんだ。ちゃんと手順を踏めば問題なかったんだ」
ほかの令嬢を悪役令嬢にするのは忍びなかったのよ!
「君は他の令嬢が婚約者になると可哀想だと言っていたが、側妃様は殿下と良い関係にあるようだよ」
「それがおかしいのよ! メインヒーローはヒロインが後略したのよ!それでめでたしめでたしよ」
「だが、男爵令嬢では王色を産めない。側妃をめとることは決まっていたことだ」
そうそこがゲームとは違うのよね。ゲームだと髪の色や瞳の色なんて関係なかった。
「側妃が出来てからわたくしたちの環境が悪くなったのよね」
「側妃様は筆頭公爵家の令嬢だ。あそこは王家より厳しい教育を施す。そのため側妃様も優秀であろう」
もしかしてわたくしたちのことが露顕したのは側妃のせい?タイミング的にもそう考えたほうがしっくりくるわ。最初にお茶会に呼ばれなかったのは側妃のお茶会だ。
側妃ごときにやられるなんて!!
「側妃の弱みはないの?」
「筆頭公爵家の娘だ。弱みという弱みはないだろう」
嘘よ。人間1つや2つ弱みはあるわ。そこを突けばまだ未来はあるかもしれないわ。
「わたくし側妃の弱みを探しますわ」
「社交に出ることはないのだから無理だろう」
「社交もダメですの!?」
「私たちはドレスも宝石も買う金がないし、社交には呼ばれないだろう」
なんてこと……。それではどうすればいいのよ!
「どつやって挽回すればいいというの?」
「もう私たちは挽回する手は残ってない。このまま静かに過ごすだけだ。色持ちだからこれくらいで済んでると思った方がいい」
「そう。それよ! 色持ちよ。このまま弟さんに色持ちの子供が生まれなければまたわたくしたちに番が回ってくるわ」
すでにわたくしはランナフ家の色持ちの息子を産んでるわ。弟さんの奥さんは侯爵家の出身で茶髪茶眼よ。色持ちの子供を産まない可能性だってあるわ。そうなれば、わたくしの子が公爵家の跡取りだわ!
「弟に出来なくても色持ちの従兄弟がいるから、そちらが優先されるだろう」
「そこにも色持ちの子が出来なかったらわたくしの子ね」
未来が見えてきたわ!色持ちが平民になるなんておかしいですもの!
きっと、弟さんも従兄弟も色持ちを産まないわ。どんな手を使っても産ませないわ。
今だけの我慢よ。そう今だけ我慢すればまた栄光は手に入るわ!
それなのに1年もしないうちに義弟夫婦に色持ちの子が産まれた。子が出来ないように借金をしてまで避妊薬を送っていたというのに!
わたくしたちは借金取りに迫られ返せないと分かると鉱山奴隷として捕まった。利息が高いところしか貸してくれなくてそれが仇となった。ほんのちょっと借りただけなのに莫大な金額に膨れ上がっていた。推しとは別の鉱山だし、子供たちは奴隷として売られていった。
どうしてこうなったの?
きっとメインヒーローに側妃が出来なければ、あのまま幸せに過ごせたに違いない。
許さないわ!側妃!
側妃のぶんざいでわたくしをこのような目に合わせた償いはいつかさせてやるわ!
平民の家よりこじんまりとした家で推しと住むことになった。
「仕方ないだろう。慰謝料返還するというし」
「1度貰ったものを返すの!?」
「とりあえずお前の宝石類やドレスは売ったらしい」
「わたくしのものを勝手に売ったの?泥棒よ!!」
推しに訴えるが仕方ないの一点張り。こんなのおかしいわ!わたくしは断罪を回避したし、推しとの結婚だって出来た。それなのに!!
「使用人は?いないの?」
「これからは自分たちでやっていくしかない」
家事をわたくしにやれと言うの!? 前世のようにコンロでないしオーブンレンジもない。そんな中料理なんて出来やしないわよ。しかも洗濯機もなく手洗いだ。この麗しい手が荒れてしまうわ。
なんてこんなことになったのかしら?
いくら考えても答えは見つからなかった。
「とりあえず下級文官になったけど、それで生活していくしかない」
「下級文官!? 公爵家のあなたが!?」
「王家の信頼を裏切ったんだ。この先、上の立場になることはないだろう」
「それとこれとは別でしょう!?」
仕事は仕事よ!一緒にされたらたまらないわ!
「子供たちもいるのよ!」
「子供には申し訳ないが、平民として生活させる」
「何でよ!!子供には罪はないわ!」
わたくしにも罪はないけど、子供はさらに罪がない。公爵家の子息子女として生きて何がわるいのよ!
「何が悪かったというの?」
「最初から間違いだったんだ。ちゃんと手順を踏めば問題なかったんだ」
ほかの令嬢を悪役令嬢にするのは忍びなかったのよ!
「君は他の令嬢が婚約者になると可哀想だと言っていたが、側妃様は殿下と良い関係にあるようだよ」
「それがおかしいのよ! メインヒーローはヒロインが後略したのよ!それでめでたしめでたしよ」
「だが、男爵令嬢では王色を産めない。側妃をめとることは決まっていたことだ」
そうそこがゲームとは違うのよね。ゲームだと髪の色や瞳の色なんて関係なかった。
「側妃が出来てからわたくしたちの環境が悪くなったのよね」
「側妃様は筆頭公爵家の令嬢だ。あそこは王家より厳しい教育を施す。そのため側妃様も優秀であろう」
もしかしてわたくしたちのことが露顕したのは側妃のせい?タイミング的にもそう考えたほうがしっくりくるわ。最初にお茶会に呼ばれなかったのは側妃のお茶会だ。
側妃ごときにやられるなんて!!
「側妃の弱みはないの?」
「筆頭公爵家の娘だ。弱みという弱みはないだろう」
嘘よ。人間1つや2つ弱みはあるわ。そこを突けばまだ未来はあるかもしれないわ。
「わたくし側妃の弱みを探しますわ」
「社交に出ることはないのだから無理だろう」
「社交もダメですの!?」
「私たちはドレスも宝石も買う金がないし、社交には呼ばれないだろう」
なんてこと……。それではどうすればいいのよ!
「どつやって挽回すればいいというの?」
「もう私たちは挽回する手は残ってない。このまま静かに過ごすだけだ。色持ちだからこれくらいで済んでると思った方がいい」
「そう。それよ! 色持ちよ。このまま弟さんに色持ちの子供が生まれなければまたわたくしたちに番が回ってくるわ」
すでにわたくしはランナフ家の色持ちの息子を産んでるわ。弟さんの奥さんは侯爵家の出身で茶髪茶眼よ。色持ちの子供を産まない可能性だってあるわ。そうなれば、わたくしの子が公爵家の跡取りだわ!
「弟に出来なくても色持ちの従兄弟がいるから、そちらが優先されるだろう」
「そこにも色持ちの子が出来なかったらわたくしの子ね」
未来が見えてきたわ!色持ちが平民になるなんておかしいですもの!
きっと、弟さんも従兄弟も色持ちを産まないわ。どんな手を使っても産ませないわ。
今だけの我慢よ。そう今だけ我慢すればまた栄光は手に入るわ!
それなのに1年もしないうちに義弟夫婦に色持ちの子が産まれた。子が出来ないように借金をしてまで避妊薬を送っていたというのに!
わたくしたちは借金取りに迫られ返せないと分かると鉱山奴隷として捕まった。利息が高いところしか貸してくれなくてそれが仇となった。ほんのちょっと借りただけなのに莫大な金額に膨れ上がっていた。推しとは別の鉱山だし、子供たちは奴隷として売られていった。
どうしてこうなったの?
きっとメインヒーローに側妃が出来なければ、あのまま幸せに過ごせたに違いない。
許さないわ!側妃!
側妃のぶんざいでわたくしをこのような目に合わせた償いはいつかさせてやるわ!
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