(完結)やりなおし人生~錬金術師になって生き抜いてみせます~

紗南

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淑女教育

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淑女教育は前回はお母様に教わったけど今回は講師に教わる。緊張するわ。

自室で待ってると30代の女性が入ってきた。立ち上がり出迎える。

「バートン公爵家の娘アレクシアと申します。これから教授のほどよろしくお願いします」

カーテシーをして頭を下げたまま講師の言葉を待った。

「バートン公爵令嬢、お頭をお上げなさいまし」

頭を上げて講師を見ると優しい笑みを浮かべた顔がある。

「バートン公爵令嬢の淑女教育を任されましたツィツェリア・ミュリンガですわ」

ミュリンガといえば侯爵家ね。

ミュリンガ講師は優しく訂正してくる厳しい講師だった。

完璧だと思っていた立ち姿からバシバシと訂正が入る。前回があるから大丈夫だと思っていたのに思い上がりみたいだったわ。

立ち姿だけで1日が終わった。それでも完璧でなくて次も立ち姿だと言われゲンナリしてしまう。

気分転換に錬金術しよう。

翌日はお休みの日だったので工房に篭った。

馬車をどうにかするために、ここにある素材だけだいけるかしら?

沢山ある素材の中から上級魔石(闇)、ミスリル、鉄を錬金窯に入れる。

サスペンションの機能だけでなくスプリングやショックアブソーバーの機能まで付くといいなあと思いながら魔力を込めた。淡く光ったので出来上がりを確認する。

【サスペンション(スプリング・ショックアブソーバー付)】

成功したわ!

後はタイヤね。この世界のタイヤは木で出来たものでゴムタイヤでない。

ゴムの木と上級魔石(黒)を入れて錬金する。

【ゴムタイヤ(衝撃吸収付)】

座席も板で痛いからクッションがあるシートを作った。更に上級魔石(空間)で馬車の中が広くなるようにする。

「アッシュ、これを持って馬車のところまでお願い」

護衛たちに持ってもらって馬車のところに行く。

「お嬢様、これらをどうするのですか?」
「馬車に取り付けるのよ。今までより俄然乗り心地よくなるから」

馭者も一緒にタイヤとサスペンションを取り付けた。後は試し乗りよ。乗ろうとしたところでお父様がやってきた。

「私の天使は何をしてるのかな?」
「馬車を改良してみました」

お父様と一緒に馬車に乗り、王都を1周してもらう。

「これはいいね。乗り心地が良いよ」
「はい。揺れが大分軽減されました」

座っててもおしりが痛くならないのは素晴らしいわ。

「もう1台作ってもらえるかな?」
「はい。大丈夫です」
「陛下に献上するね」

国王陛下に献上するならば装飾も素晴らしいものを考えないといけないわね。

楽しい時間はあっという間に終わり、また淑女教育の日がやってきた。

今日はなんとか合格をもらい、次からはカーテシーになる。完璧な淑女になる日は遠い。でもミュリンガ講師からは2日で出来たのは凄いと褒められた。
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