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第2章
11月3日 山梨ヌーヴォー解禁日
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「いらっしゃ~い」
11月3日の祝日。
柏木洋子は”いい天気”に夕食にやって来た。
デパートで買い物した帰りに夕食を食べに来たのだ。
「カウンターでお願いしますね~。こちらになりま~す」
案内された隣には、常連の早乙女さんがいた。
その隣に座っている若い男性は連れらしい。
この男性も、以前も確か見た記憶がある。
「あれ~?早乙女さんが休日にいるなんて珍しい。奥さんはいいの~?」
新婚の早乙女さんをからかってみる。
「奥さんと待ち合わせなんだよ。友達と美容院に行ってるんだ」
「へ~、さすがは新婚さん」
メニューを見る。
今日のパスタは・・・これにしよう。
飲み物は・・・と。
飲み物のメニューを開くと、オレンジ色の大きな字で書かれた文字。
”山梨ヌーヴォー解禁!!”
その下に書かれているワインにした。
「山梨ヌーヴォー?ボジョレーヌーヴォーみたいなもんなの?」
「山梨県が始めた取り組みで、今年の新作ブドウで造った新酒を11/3に一斉に売り出すイベントなんだ」
「へ~~、初めて聞いた」
すると、早乙女さんは眉をしかめる。
「そうなんだよな。せっかくの取り組みなのに、あまり宣伝していないので全然認知されていないんだ。勿体ない」
「スーパーのワインコーナーとかで見かけないしね。コンビニやスーパーとタイアップすればいいのに」
「まったくだね」
話していると、料理とワインがやって来た。
「おまたせしました~」
水菜とホタテのペペロンチーノ。
そして、ワインは・・・
山梨県甲府市酒折町
シャトー酒折ワイナリー 甲州にごり2021
「結構甘い!あ・・・でも、その後にコクもあるし酸味もいい感じ」
結構好きなワインかも。
キンキンに冷やすといいかもしれない。
「ほお。ワインの味が分かってきたようだね」
「そういえば、道志道通って勝沼に行ってみたわ。いいルートだった。ありがとうね」
「それはよかった」
「でも、もうそろそろ寒くてツーリングは厳しいわね」
「ん?最近はヒーター入りのウェアがあるだろう?」
「上着は良いけど、足が寒くて」
「ヒーター入りのパンツもあるはずだぞ?」
「え?ほんと?」
「あぁ、調べてみたらいい」
そう言って、早乙女さんはワインを飲んだ。
最近は、奥さんに怒られるとかであまり飲まないそうだ。
ふと、早乙女さんの隣に座っている男性が飲んでるグラスが目に入った。
ワインではない普通のグラス。
「あら?そちらの方はワインを飲まないんですか?」
すると、その男性はちょっと恥ずかしそうに言う。
「あ・・・僕は未成年なので・・」
「あ、そうなんだ」
よく見ると、顔立ちの整ったなかなかなイケメンである。
年下って言うのもアリかもしれない。
「海斗君に手を出すなよ。彼女がいるんだから」
それを聞いて、さらに恥ずかしそうに顔を赤らめる。
「いらっしゃ~い」
「海斗クン、おまたせ~!」
入って来た美女二人。
片方の、派手めの美人が小走りに走って来てその男性にいきなり抱きついた。
くそう、美人の彼女もちか。
残念。
11月3日の祝日。
柏木洋子は”いい天気”に夕食にやって来た。
デパートで買い物した帰りに夕食を食べに来たのだ。
「カウンターでお願いしますね~。こちらになりま~す」
案内された隣には、常連の早乙女さんがいた。
その隣に座っている若い男性は連れらしい。
この男性も、以前も確か見た記憶がある。
「あれ~?早乙女さんが休日にいるなんて珍しい。奥さんはいいの~?」
新婚の早乙女さんをからかってみる。
「奥さんと待ち合わせなんだよ。友達と美容院に行ってるんだ」
「へ~、さすがは新婚さん」
メニューを見る。
今日のパスタは・・・これにしよう。
飲み物は・・・と。
飲み物のメニューを開くと、オレンジ色の大きな字で書かれた文字。
”山梨ヌーヴォー解禁!!”
その下に書かれているワインにした。
「山梨ヌーヴォー?ボジョレーヌーヴォーみたいなもんなの?」
「山梨県が始めた取り組みで、今年の新作ブドウで造った新酒を11/3に一斉に売り出すイベントなんだ」
「へ~~、初めて聞いた」
すると、早乙女さんは眉をしかめる。
「そうなんだよな。せっかくの取り組みなのに、あまり宣伝していないので全然認知されていないんだ。勿体ない」
「スーパーのワインコーナーとかで見かけないしね。コンビニやスーパーとタイアップすればいいのに」
「まったくだね」
話していると、料理とワインがやって来た。
「おまたせしました~」
水菜とホタテのペペロンチーノ。
そして、ワインは・・・
山梨県甲府市酒折町
シャトー酒折ワイナリー 甲州にごり2021
「結構甘い!あ・・・でも、その後にコクもあるし酸味もいい感じ」
結構好きなワインかも。
キンキンに冷やすといいかもしれない。
「ほお。ワインの味が分かってきたようだね」
「そういえば、道志道通って勝沼に行ってみたわ。いいルートだった。ありがとうね」
「それはよかった」
「でも、もうそろそろ寒くてツーリングは厳しいわね」
「ん?最近はヒーター入りのウェアがあるだろう?」
「上着は良いけど、足が寒くて」
「ヒーター入りのパンツもあるはずだぞ?」
「え?ほんと?」
「あぁ、調べてみたらいい」
そう言って、早乙女さんはワインを飲んだ。
最近は、奥さんに怒られるとかであまり飲まないそうだ。
ふと、早乙女さんの隣に座っている男性が飲んでるグラスが目に入った。
ワインではない普通のグラス。
「あら?そちらの方はワインを飲まないんですか?」
すると、その男性はちょっと恥ずかしそうに言う。
「あ・・・僕は未成年なので・・」
「あ、そうなんだ」
よく見ると、顔立ちの整ったなかなかなイケメンである。
年下って言うのもアリかもしれない。
「海斗君に手を出すなよ。彼女がいるんだから」
それを聞いて、さらに恥ずかしそうに顔を赤らめる。
「いらっしゃ~い」
「海斗クン、おまたせ~!」
入って来た美女二人。
片方の、派手めの美人が小走りに走って来てその男性にいきなり抱きついた。
くそう、美人の彼女もちか。
残念。
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