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第1.5章 家飲み あれこれ
新巻葡萄酒会社 マスカット・ベリーA 2020
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「いらっしゃ~い」
来店した客に、篠原美樹が声をかける。
その声を聴いて、美樹の父親はため息をついた。
言わずと知れた、”いい天気”の店員のミキである。
と言っても、ここは”いい天気”ではない。
商店街の八百屋であった。
昨今の、緊急事態宣言のため”いい天気”はしばらく休業中なのである。
篠原美樹は、政府からの補助金が出るとはいえ生活は厳しい。
食費と光熱費の節約のため、埼玉の実家に帰省しているのである。
そして、美樹の実家は八百屋。
八百屋の店員を手伝っているのであるが・・・
「ミキ。もっと威勢のいいあいさつでないのか?こんな風に・・
へい、らっしゃい!!」
「お父さん、そんなの無理よ~」
その返答にも、父親はため息をつくのであった。
夕方になって、店を閉める。
夕食を母親と一緒に準備する。
やはり八百屋だけあって、野菜を使う料理が多い。
ナスを一口大に、ざく切りにする。
多めのオリーブオイルをフライパンに温めて、ニンニクを炒める。
にんにくはみじん切りでも、粒のままでも良い。
香りが出たらナスを投入。
蓋をしてナスに火が通ったら、みりんと醤油を入れ最後にネギを散らす。
ナスのニンニク醤油炒め。
シンプルだが、とても美味しい。
あとは、サラダ・焼き野菜・冷やしトマト・冷ややっこ。
「あ、ちょっと待っててね~」
「おい、どこ行くんだ・・・?」
自分の部屋から美樹が持ってきたのは・・・
山梨県笛吹市 新巻葡萄酒株式会社
マスカット・ベリーA 2020
注文していた新酒が届いたのである。
「これは、ワインか?うちではあまり飲まないなぁ」
「日本ワインだよ。最近は日本で作られてるワインは美味しいのよ」
グラスに注ぐと、濃い紫色。
さわやかな香り。
口に含むと、さっぱりとした旨味と酸味。ちょっと苦みもある。
”やはり、ちょっとまだ若いわね。1年くらい寝かせたほうが良いかも”
美樹は、ただ飲酒しているわけではなくお店に出すワインを検討するためにいくつかのワインを取り寄せていたのである。
「なるほど、ワインもこのナス炒めに合うかもなぁ」
「でしょ~。いろんな料理に合うんだから~」
胸を張る美樹。
「でも、なんで一升瓶なんだ?ワインにも一升瓶があるって初めて知ったぞ」
「い・・・いいでしょ、いっぱい入っててお得なんだから!」
美樹はどもりながら言う。
事実は、750mlのボトルと間違って一升瓶を注文してしまったのだった。
注文するときは、次はサイズを間違えないようにしようと思っていた。
◇◇◇◇◇◇◇
しばらく、緊急事態宣言が解除される状況では無くなりましたね。
第2章の前に、家飲みの話を投稿します
来店した客に、篠原美樹が声をかける。
その声を聴いて、美樹の父親はため息をついた。
言わずと知れた、”いい天気”の店員のミキである。
と言っても、ここは”いい天気”ではない。
商店街の八百屋であった。
昨今の、緊急事態宣言のため”いい天気”はしばらく休業中なのである。
篠原美樹は、政府からの補助金が出るとはいえ生活は厳しい。
食費と光熱費の節約のため、埼玉の実家に帰省しているのである。
そして、美樹の実家は八百屋。
八百屋の店員を手伝っているのであるが・・・
「ミキ。もっと威勢のいいあいさつでないのか?こんな風に・・
へい、らっしゃい!!」
「お父さん、そんなの無理よ~」
その返答にも、父親はため息をつくのであった。
夕方になって、店を閉める。
夕食を母親と一緒に準備する。
やはり八百屋だけあって、野菜を使う料理が多い。
ナスを一口大に、ざく切りにする。
多めのオリーブオイルをフライパンに温めて、ニンニクを炒める。
にんにくはみじん切りでも、粒のままでも良い。
香りが出たらナスを投入。
蓋をしてナスに火が通ったら、みりんと醤油を入れ最後にネギを散らす。
ナスのニンニク醤油炒め。
シンプルだが、とても美味しい。
あとは、サラダ・焼き野菜・冷やしトマト・冷ややっこ。
「あ、ちょっと待っててね~」
「おい、どこ行くんだ・・・?」
自分の部屋から美樹が持ってきたのは・・・
山梨県笛吹市 新巻葡萄酒株式会社
マスカット・ベリーA 2020
注文していた新酒が届いたのである。
「これは、ワインか?うちではあまり飲まないなぁ」
「日本ワインだよ。最近は日本で作られてるワインは美味しいのよ」
グラスに注ぐと、濃い紫色。
さわやかな香り。
口に含むと、さっぱりとした旨味と酸味。ちょっと苦みもある。
”やはり、ちょっとまだ若いわね。1年くらい寝かせたほうが良いかも”
美樹は、ただ飲酒しているわけではなくお店に出すワインを検討するためにいくつかのワインを取り寄せていたのである。
「なるほど、ワインもこのナス炒めに合うかもなぁ」
「でしょ~。いろんな料理に合うんだから~」
胸を張る美樹。
「でも、なんで一升瓶なんだ?ワインにも一升瓶があるって初めて知ったぞ」
「い・・・いいでしょ、いっぱい入っててお得なんだから!」
美樹はどもりながら言う。
事実は、750mlのボトルと間違って一升瓶を注文してしまったのだった。
注文するときは、次はサイズを間違えないようにしようと思っていた。
◇◇◇◇◇◇◇
しばらく、緊急事態宣言が解除される状況では無くなりましたね。
第2章の前に、家飲みの話を投稿します
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