日本ワインに酔いしれて

三枝 優

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第1章

おたる醸造 道内限定 みなさまのワイン 赤・辛口

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「え?・・・本当?」
 
 美月は、スーパーマーケットに食料品の買い物に来ていた。
 普段はあまり使わない店。
 近所に用があり、ついでに寄ったのだ。

 そして、なんとなくワイン売り場を見ていて発見した。
 ちょっと驚きのワイン。赤とロゼがある。

 まずは、赤ワインを買って帰った。

----

「健司さん、今日はワインを買ってきたんです」
「へえ、どんなワインなんだい?」

 美月が持ってきたワイン。

 北海道小樽市 北海道ワイン株式会社
 おたる醸造 道内限定 みなさまのワイン 赤・辛口

 ラベルを見ると、キャンベルアーリーで作られている日本ワインのようだ。
 辛口と書いてあるが、キャンベルアーリーであるなら甘いだろう。

 実際飲んでみると、キャンベルアーリー独特の香り。
 口に含むと、やはり甘味・・その次にシャープな酸味がくる。
 赤ワインにしては独特の風味。
 色も薄いし、10%という若干低いアルコール度数も含めロゼっぽい感じもする。

 でも悪くはない。いろいろな料理に合いそう。
 冷やして飲むといいだろう。

 健司は、Smoked Oysterの缶詰を開けて皿に盛ってきて食べてみた。

「うん、結構合うね。なかなか美味しいと思う」
「そうですね。それでですね、実は驚きの事実があるんです」
「え?なんだい?」

「実は、このワイン・・・ ×××円だったんです!」
「えええ!?」

 安すぎて書けない値段。3桁円である。消費税を入れても1000円以下。

 ラベルを見返す。
 ちゃんと”日本ワイン”と書いてある。と言うことは日本産・日本での醸造されたワイン。
 激安である。

 それにしては、味は悪くない。ちょっと独特の味わいなので、普段ワインを飲まない人は驚くかもしれないが。

「それは安いね・・びっくりした」
「でしょう?その値段にしてはおいしいですよね」
「じゃあ、このつまみも・・・実は・・・」
「はい?」
「このSmoked Oysterの缶詰は100円ショップで買ってきたんだ」
「ええ?美味しいですよ?」

 お酒とつまみ。合わせても1000円しない。
 それでも、十分美味しい組み合わせであった。
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