日本ワインに酔いしれて

第１章

仲村わいん工房 仕合せな白 2017

　今日、健司と美月は結婚式の無料相談に行ってきた。
　おかげで、結婚式の方向性のイメージはできたのだが・・・。

「結婚指輪がないとやっぱりまずいですかね」
「そりゃあ、結婚式で指輪の交換があるからね・・」
「結婚指輪ってどこで買えばいいんでしょう？」

　相談して言われたこと。
　結婚式までには、結婚指輪を手配しないといけない。

　言われてみれば当たり前ではある。

　そして、指輪はすぐには来ないので先に手配しておいた方が良いということだ。
　場合によっては数か月かかるらしい。

　家に帰って、夕食を食べながら相談する。
　今日の夕食は、春キャベツのサラダに鰆の白ワイン蒸しだ。

　合わせるワインは・・

　大阪市羽曳野市
　仲村ワイン工房　仕合せな白　2017

「このワイン、ラベルが変わっていますね」
「かなり・・シンプルなラベルだよね」

　最近のワインはイラストなどが凝っている物が多い中。
　このワインのラベルは、白地に文字が書いてあるだけである。
　”がんこおやじの手造りわいん”と書いてある。
　いかにも、そんな感じのするワインですあるが・・・

「この白ワイン、変わった味がしますね」
「不思議な味だね」

　ちょっと懐かしい感じもする味ではあるが、それだけではない。
　うまみと複雑さが同居している。
　冷やして飲むと非常においしい。

「このワイン。ネットで調べたら変わったブドウで造られているんですね」
「変わったブドウ？」
「シュナンブラン・デラウェア・甲州って書いています。シュナンブランって初めて聞きました」
「それは・・俺も初めて飲むなぁ」

　そのぶどうの味なんだろうか？
　なんとなく癖になりそうな味である。

「ところで、健司さんは婚約指輪はどこで買ったんですか？」
「婚約指輪は、駅近くの商業施設の中にある宝石店で購入したんだよ」

　青山に本店がある宝石アクセサリー店。
　健司は、青山に行ったときに見かけているので知っていた。

「では、そこに行ってみますか？」
「そうだなぁ・・・」
「何か気になることがあるんですか？」
「そうなんだよね・・・その店で結婚指輪も見せてはもらったんだけど」

　気になることがあったらしい。

　はたして、結婚指輪はいつ手に入るのであろうか？