日本ワインに酔いしれて

三枝 優

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第1章

部屋にて

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 食事が終わり、部屋の暖炉の前のソファで美月と健司は並んで座っている。
 暖炉の炎がゆらゆら揺れる。時折、薪がバチンと爆ぜる。

「健司さん・・」
「ん?」
「お願いがあるんですけど、聞いてもらえますか?」
 恥ずかしそうに美月が言う。
 こういうときは、かなり勇気を出して話しているときだ。真面目に効かないといけない。
「なんだい?できることなら何でもするよ」
「あの・・・」
 上目遣いに甘えてくる。
「一緒にお風呂に入りませんか?」

 それは、予想していなかったな。



 部屋に設置しているバスルームはかなり広い。浴槽はヒノキ。二人入っても余裕がある。
 浴槽に湯をためて、先に入っている。
 やがて、タオルを巻いた美月が入ってくる。正直に言って、素晴らしいとしか言えない。
 とても恥ずかしそうに入ってきて、無言で浴槽に入ってくる。
「ええと・・・もっとこっちにおいで」
「えへへ・・やっぱり恥ずかしいですね」
 湯船の中、肩を並べる二人。
 恥ずかしそうに、こちらをみる美月。
 ぴっとりと体をくっつけてくる。
 思わず、肩を抱いてしまう。
「なんか、恥ずかしいけどこういうのもいいね」
「そうですね」
 二人よりそい、キスをする。
 
 暖かいひととき。
 素敵な夜を過ごした。



 次の日。
 チェックアウトをし、車の乗り込む。
「また、来たいですね」
「そうだね、また来よう」

 そう思わせてくれる、素晴らしい旅行であった。
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