日本ワインに酔いしれて

三枝 優

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第1章

仕事納め 井筒ワイン 生ワイン2020 白&赤

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「いらっしゃ~い」
仕事納めの日。
”いい天気”にやってきた。
「最近いつも二人でくるんですね~。いいですね」
美月と待ち合わせて一緒に来た。
「まぁねえ・・・」
思わず苦笑いする。
「クリスマス終わったけど、まだクリスマスプレート注文できますよ~」
「あ、じゃあそれお願いします二人分で」
「ありがとうございま~す」

飲み物は・・
「これにしましょう!」
美月が選んだワインにすることにした。

長野県塩尻市 井筒ワイン 生ワイン 2020
  ナイアガラ 白
  コンコード 赤
にごりワインだ。

「おまちどうさま~」
料理がやって来た。
「こちらがキッシュ、隣がサバの燻製のマスタード添え、クリームチーズ、生ハム、サラダ、ジャガイモのムースですよ」
「いろいろあって、どれも美味しそうですね!」

私は、白ワインを口に含む。
さわやかな甘みと香り。新酒なのにコクもある。にごりワインだからだろうか。
「こちらの赤ワイン。コンコードだけどどんなに甘くなくておいしいですね」
「へえ・・コンコードでそんなに甘くないって珍しいね」
料理を食べながら話す。
「このワイナリー。一緒に行ったところですね。また行きましょうね」
あの時は、まだ出会ったばかりのころ。
でも、半年もたっていないんだよな。
「そうだね。また行こうか。でも、まずは明日の旅行だね」
明日から一緒に旅行に行く予定なのだ。
「そうですね。飲みすぎないようにしないといけませんね」

「なになに?お二人で旅行に行くの~?」
店員のミキちゃんが聞き耳を立てていたらしく、話しかけてきた。
「はい、一泊ですけど」
「うひゃあ、うらやましいですね。どこに行くの~?」
「栃木の那須です。まぁ夏にも行ったんですけどね」
夏に行ったホテルにまた行くのだ。
「いいなぁ~。恋人と旅行なんてうらやましい~」
「えへへ・・」
美月が照れている。

あれ?
美月とは、何度か旅行していたが・・
よく考えると、付き合うことになって初めての泊りがけの旅行?

「そういえば、いつも一緒に来ていたミキちゃんて最近来てないんだけど~。忙しいのかしら?」
うん。やっぱりミキちゃんが二人いるとめんどくさいね。
「ミキちゃんは、ネイリストなので今は仕事が忙しいんです。年末から年明けしばらくは忙しいんじゃないでしょうか。成人式とか卒業式とかで。」
「まぁ。彼氏も忙しいし来れないんじゃないかな」

彼氏の海斗君は受験生。受験勉強に忙しい。
ミキちゃんは、彼氏をほおっておいて自分だけ遊ぶような性格でもない。

旅行から帰ってきたら、二人にお土産を渡しに行こうかな。

それに・・・
時々、数学や物理なんかでわからない問題があったら、メールで質問されたりしている。
一応、理系でどちらも得意だったから回答している。
たまには、直接教えに行ってもいいしね・・・
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