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第1章
武蔵ワイナリー 小川小公子2018/ノンアルコールワイン
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夕食後、海斗君と健司が洗い物を終わって、リビングに行くと・・
美月とミキの二人で、ワインを飲んでいた。
「あ~、我々が飲めないの知ってて飲み始めたのか」
健司は、この後にミキと海斗君を送っていくため酒は飲めないのである。
もちろん、海斗君は未成年なので飲めない。
「まぁ、いいじゃんか。このワイン美味しいな」
「でしょう?お気に入りなの」
埼玉県小川町 武蔵ワイナリー 小川小公子2018
以前紹介したのは2017だから、その次の年に取れたブドウで造られたワインである。
2017に比べて、色はより紫っぽくなっている。
味は、より深みのある味わい。ただし、ラベルにも書いてあるが数年寝かせたらよりまろやかさが加わると思われる。
・・・美月は、これまでも結構飲んでしまっているけれど。
「もう、しょうがないなぁ・・デザートにアイスクリームを持ってきたよ」
「わぁ、健司さんありがとう!」
「なにか、すごいブドウの香りがしますね」
海斗君が言う。
「まぁ・・われわれは試しにこれでも飲んでみるか」
この間買ってきた瓶のスクリューキャップを開けてワイングラスに注ぐ。
「あ~!この後は車を運転するんでしょ~!」
ミキちゃんが、自分のことを棚に上げて注意してくる。
「大丈夫だって、これはノンアルコールだから」
ワインのラベルを見せる。
最近、流行りのノンアルコールワイン。
あえて、ここでは銘柄は紹介しない。
なぜなら・・
「ううむ・・・やっぱり・・」
「やっぱり?」
「これはワインじゃないなぁ」
全然ワインとは違う味。
作り方はワインからアルコールを除去したとのことだけど。
「海斗君も飲んでみる?これは未成年でも大丈夫だよ」
「じゃあ、ちょっとだけ」
ワイングラスに少し注いで渡す。
それを飲んだ海斗君。
「なんか、さっきのぶどうジュースよりも味が薄くて水っぽいですね」
「そうなんだよ。本当のワインはもっと濃いんだけどね」
やはり、いまいちであった。
「最近の、ノンアルコールビールはおいしいものもあるのにね」
「そうなんですか?」
「え?健司さんビールなんか飲むの?」
「え?たまには飲むよ。あまり好きじゃないけど」
「好きじゃないのに飲むんですか?」
海斗君も聞いてくる。
「いやね、凄く暑くて喉が渇いているときに一杯だけ飲むビールはうまいんだよ」
「はぁ・・」
こればっかりは、経験しないとわからないだろう。
「じゃあ、海斗君が成人したらいいワインを奢ろう」
「え?・・すみません」
「まぁ、期待していてくれ」
「ありがとうございます」
そっちでは、女性二人でワインを結構飲んでいる。
「ミキちゃん、このワインをバニラアイスに垂らすとおいしんだよ」
「どれどれ・・おお~大人の味になる」
「でしょお~?」
この二人、ほんとに仲が良い。
”飲みつぶれる前には送っていかないとな”
それに、早く帰さないと・・・受験生がいるのだから。
美月とミキの二人で、ワインを飲んでいた。
「あ~、我々が飲めないの知ってて飲み始めたのか」
健司は、この後にミキと海斗君を送っていくため酒は飲めないのである。
もちろん、海斗君は未成年なので飲めない。
「まぁ、いいじゃんか。このワイン美味しいな」
「でしょう?お気に入りなの」
埼玉県小川町 武蔵ワイナリー 小川小公子2018
以前紹介したのは2017だから、その次の年に取れたブドウで造られたワインである。
2017に比べて、色はより紫っぽくなっている。
味は、より深みのある味わい。ただし、ラベルにも書いてあるが数年寝かせたらよりまろやかさが加わると思われる。
・・・美月は、これまでも結構飲んでしまっているけれど。
「もう、しょうがないなぁ・・デザートにアイスクリームを持ってきたよ」
「わぁ、健司さんありがとう!」
「なにか、すごいブドウの香りがしますね」
海斗君が言う。
「まぁ・・われわれは試しにこれでも飲んでみるか」
この間買ってきた瓶のスクリューキャップを開けてワイングラスに注ぐ。
「あ~!この後は車を運転するんでしょ~!」
ミキちゃんが、自分のことを棚に上げて注意してくる。
「大丈夫だって、これはノンアルコールだから」
ワインのラベルを見せる。
最近、流行りのノンアルコールワイン。
あえて、ここでは銘柄は紹介しない。
なぜなら・・
「ううむ・・・やっぱり・・」
「やっぱり?」
「これはワインじゃないなぁ」
全然ワインとは違う味。
作り方はワインからアルコールを除去したとのことだけど。
「海斗君も飲んでみる?これは未成年でも大丈夫だよ」
「じゃあ、ちょっとだけ」
ワイングラスに少し注いで渡す。
それを飲んだ海斗君。
「なんか、さっきのぶどうジュースよりも味が薄くて水っぽいですね」
「そうなんだよ。本当のワインはもっと濃いんだけどね」
やはり、いまいちであった。
「最近の、ノンアルコールビールはおいしいものもあるのにね」
「そうなんですか?」
「え?健司さんビールなんか飲むの?」
「え?たまには飲むよ。あまり好きじゃないけど」
「好きじゃないのに飲むんですか?」
海斗君も聞いてくる。
「いやね、凄く暑くて喉が渇いているときに一杯だけ飲むビールはうまいんだよ」
「はぁ・・」
こればっかりは、経験しないとわからないだろう。
「じゃあ、海斗君が成人したらいいワインを奢ろう」
「え?・・すみません」
「まぁ、期待していてくれ」
「ありがとうございます」
そっちでは、女性二人でワインを結構飲んでいる。
「ミキちゃん、このワインをバニラアイスに垂らすとおいしんだよ」
「どれどれ・・おお~大人の味になる」
「でしょお~?」
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”飲みつぶれる前には送っていかないとな”
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