日本ワインに酔いしれて

三枝 優

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第1章

幸西ワイナリー カベルネソーヴィニヨン 2018

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「うぅ・・ごめんなさい。土曜日は用事があって・・
 でも、夜なら大丈夫です!夜に行きますね。」
「忙しそうだね、無理しないように。じゃあ、おいしい夜ご飯を作るよ。」
「楽しみにしてますね。ところで今日のご飯は何ですか?」
「今日は餃子だよ。」
「いいなぁ・・ますます、週末が楽しみです。」
「じゃあ、おいしいものを奮発しよう。」

最近、”美月”は忙しいようだ。なにか、習い事を始めたらしい。
(それにしても、美月・・まだ名前呼びが慣れない・・)
何か習っている?と聞いたが、”恥ずかしいから、まだ秘密です!”
と言って、教えてはくれなかった。

今日は、餃子・・それに合わせるワインは・・
幸西ワイナリー カベルネソーヴィニヨン 2018。
塩尻で、美月さんと一緒に買ってきたワインだ。

香りはフルーティ。
液体は濃厚・・酸味はまろやかで、味はしっかりしているが意外とすっきりしていたりもする。
そして、口に広がっていく余韻が心地いいワインである。

餃子でもいいが、肉料理に合いそうだな・・

一人で餃子を食べながら、ワインを飲む。
付き合っているときにも、こうやってなかなか会えない期間もあるもの。
それは、仕方がない。

それにしても・・・

あの時買ってきたワインは、もうあまり残っていない。
そろそろ買い出しに行きたいのだけれど、美月は忙しそうだ。
週末の土日も昼間に予定があるらしい。

さて・・どうしようかな。


◇◇◇◇◇
美月と美月さんが混じるのは意図的です。
早乙女の頭の中で、呼び方がまだ慣れていないということです。
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