日本ワインに酔いしれて

三枝 優

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第1章

食前酒 とちおとめのリキュール

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「いらっしゃいませ。来ていただいて本当にうれしく思います。」
メニューを渡してくれる。もちろん、レディファースト。
「こちらが本日のメニューになっております。」
ここのディナーはコース料理でメニューは決まっているが、いくつか選択肢がある。
「魚料理は、那珂川の鰻か鮎かをお選びいただけます。メインの肉料理はこちらの3種類からお選びいただけます。」
鶏肉・・ジビエ・・ステーキ。
「瀬戸さんは希望あります?おすすめは那須北和牛のステーキですよ。」
「で・・・ではそれでお願いします。」
まだ緊張しているみたい。
「食前酒はお持ちしたほうが良いでしょか?」
「お願いします、二人とも大丈夫です。」
「かしこまりました。」

瀬戸さんは、まだ緊張しているようだ。
ちょっと驚かせすぎたかな?

このまま料理を食べても、味がわからなかったらかわいそう。
リラックスさせてあげよう。

「瀬戸さん。緊張しなくても大丈夫ですよ。ほら、向こうでは子供の声がするでしょう。」
「え・・・?」
別室になっているらしい方向から子供のはしゃぐ声がする。
所詮、夏やすみ。
セレブばかりが来るわけではない。
「ね。そんなに緊張しなくても大丈夫ですよ。おいし料理を楽しまなきゃね。」
「は・・はい」
まだ、ちょっと緊張しているようではあるが、少しは余裕が出るといいけど。
「おまたせしました、こちらは地元の特産であるとちおとめを使ったリキュールになります。」

栃木の名産の苺を使ったリキュール。
苺の香り漂う食前酒。
甘すぎず、さわやかなお酒である。
「あ・・・おいしい・・」
瀬戸さんも気に入ったようだ。
「苺の香りがいいですよね。」
「はい、こんなの初めてです。」
すこし、リラックスしてきたかな?

「いらっしゃいませ。こちら、ドリンクのメニューになります。」
髭が特徴的なソムリエさんがメニューを持ってきてくれた。
メニューを見ながら質問してみる。
「おすすめはありますか?」

「では、変わったところで・・・地元の栃木のワイナリーで作られている白ワインで。
マスカットベリーAで作られた、白ワインなどはいかがでしょうか?」

ん・・・?聞き違いだろうか?
A

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

ワインもメニューもうろ覚えなので適当です。
というか、ワインは当時ないものをあえて出しています。
このホテルに行ったことのある人は、違うと思うかもしれませんがご容赦ください。
なにしろ、写真をとると場違いな気がして撮っていないのです。



那須にはこの当時総料理長だったムッシュがオーナーのレストランがあるので行ってみてはいかがでしょうか。あいかわらず見事な料理で感激します。
沼津には当時の支配人がいらっしゃると風のうわさで聞きました。
那須の別なところには、この8月からスウィートビラができたそうです。

落ち着いたら、私もそれぞれに行ってみたいです。
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