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葡萄園
しおりを挟む風のいななきが 乾き捩じれた弦の中を
らせんに駆け抜けていく
緋と翡翠の血液が 渋く酸い茎の中を
まっすぐに通っていく
空は山鳥の青白い卵殻を被ったよう
葡萄の葉陰から
まっさらな視線でそれを突つく
私たちは記憶に取り残されたひな鳥たち
葉漏れ日のまだらの下で
生まれずとも許されていた
風のいななきが 乾き捩じれた弦の中を
らせんに駆け抜けていく
緋と翡翠の血液が 渋く酸い茎の中を
まっすぐに通っていく
羽毛の生えそろうたお前は円かな目で羽ばたき方を乞う
夢のあわいのほかに飛ぶところを知らぬ私は
日に透ける葡萄の葉脈を読み上げるだけ
私たちは記憶に取り残された雛鳥たち
ひびひとつない卵のうちへ
帰ることさえ許されていた
時は過ぎ
いつかお前は私の言葉を忘れ
乾き捩じれた弦の間を らせんに駆け抜け
渋く酸い茎の間を まっすぐに通って
空を破り去っていった
そして私たちは記憶に取り残された――
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