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guilty 17. メンヘラ女に縋られた
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「ハ、ハニィ……」
雨で濡れそぼったポメラニアンみたいな円らな瞳で見つめるメンヘラ女もとい藥師寺サン。何故、屋上にこの方が棲息しているのか。ま、まさか、不法侵入?い、いや、普通に考えればここの生徒ってことだろうが……派手な服装にピンク色の髪。一目見ただけで普通じゃないナニかなので常人の思考で考えてはいけない。
「は、ハニー? 何のことです? ソーセージにかけると美味しいやつですか?」
「ア、アッ、アッ、アイタカッタアアアアアアアア!!!!」
エ●ジードリンク飲みすぎてラリった闘牛みたいな勢いで涙と鼻水を撒き散らかしながら俺に向かって猛突進してくるメンヘラ嬢。ヤッバ……普通に怖くて反射的に横に避ける俺。
「アアアアあああ゛あ゛~~~~…………!!!!」
ゴロゴロ、ゴロゴロ……ビッッターン
俺が横に避けると閉め忘れていたドアを突っ切って、屋上に通じる階段に転がり落ちていく。ヤッバ……漫画みたいに派手に転がり落ちたけど、だ、大丈夫か?流石に心配になった俺は階下に降り、メンヘラ女の元へ向かう。
「あ、アウ、あう、あウあ~…………」
メンヘラ女は階段の踊場で逆M字開脚のような恰好でうつ伏せに倒れていた。女子にあるまじきすげえ恰好で倒れているな……そうはならんだろ。
「お、お~い大丈夫?」
「……ハッ! ヒャイ! らっらいじょう、ブッ、でしゅ!」
俺が声を掛けると、瞬時に直立で立ち上がるメンヘラ女。クリ●ゾン・ヘ●ドかな?回復力が謎にヤバい。しかし、見た目では平気そうには見えても頭や背中を打ちつけているかもしれない。頭や背中は打ちどころによっては後に重大な症状を引き起こす可能性もあるのでひとまずは保健室に連れて行った方が良いだろう。
「と、とりあえずは保健室に行こうか」
「ふ、フェ!? アッ、あっ、アッ、こっ、コケッ? コケッ、コケコッコー!!」
藥師寺サンは何故かニワトリの物真似をしながら慌てふためいている。相変わらず挙動がヤバい。打ち付けた影響か?いや、元からこんな感じでしたね。取り敢えずは藥師寺サンの手をとり、保健室に向かうことにする。
「は、ハニィの手……ナマ暖かい」
暖かいじゃなくて?なんかすげえ嫌なんですけどその表現。
「……藥師寺サンってここの生徒だったの?」
保健室に向かう道中、つい気になったことを尋ねる。すると、藥師寺サンは目ん玉をヒン剥いて、俺をガン見する。こわ~い……何で睨むの?
「藥師寺さんなんてイヤです。ハニーって呼んでください」
「い、いや…学校で、ハニーはちょっとキツ」
「ハニーって呼んでくれないとそこの窓から地面にダイヴします」
ひまわり畑に佇む美少女のような爽やかな笑顔で、窓を指差す藥師寺サン。いや、台詞と表情が絶望的に噛み合っていない。俺なんか悪いことしたかなあ……いや、別に恩を着せる訳じゃないけど寧ろ良いことしてるよな。なんでこんな地獄のような会話をしてるんだろ。
「もっ、もっかい……もっかい、いって、テイク2」
「は、ハッ、ハニー……って、ここの生徒だったの?」
もうやだ、とっても恥ずかしい。
「ち、チガウ……」
俺から目を反らし、気まずそうな微妙な表情になる藥師寺サン。エェ……まさか、まさかの不法侵入?
「も、モシモシー、警察ですか?」
「ああああああ゛!! ち、チガウ!! 悪いことはしてないのぢゃ!! チガウのぢゃああああ!!」
俺が警察に電話する振りをすると、俺の腕を揺さぶってのぢゃロリのような口調で慌てるハニー。やめて、授業中とはいえ目立つ行為はお控えくださいませ。
「オッオッ、おっとせいが……」
唐突におっとせいがきた。
「ま、間違えた……おッ、オッ、オネエちゃんが、ここにいるから……」
ハニーは消え入りそうな声で呟く。
最初の『お』しか合ってないんですが。それはともかくお姉ちゃん?学内にお姉ちゃんがいるのか?だから何だ?くそ、情報を小出しにするからいちいち分かりづらい!
「そ、そうか、は、ハニーはお姉ちゃんがいるのですか……」
「う、うん……ハニーはお姉ちゃんがいるの」
…………。
いや、説明せんのか~い。なんで復唱して終わりやねん。大方、ハニーのお姉ちゃんに用事があってきたとかそんなところだろうが、不審者疑惑は晴れぬままである。まあ、元から不審者みたいな容姿だから、『あちきは不審者じゃないヅラ!』とか面と向かって言われても焼け石に水である。
「ハニーは……ここの、学校に通ってるの?」
ハニー……じゃなくて、もうややこしいから心の中で藥師寺サンにしとこう。藥師寺サンは何かを期待するようなそんな目でそう尋ねる。
「チ、チガウヨ? コレハネ? コスプレ、コスチュームプレイナンダ!!」
ネズミの国に棲息しているキャラクターのような鼻声で意味不明な事を言ってしまう俺。いや、だって、俺がここの生徒だとこの悪夢のような女子にバレてしまうとストーキングされるかもしれないじゃん?学校の前で待ち伏せとかそういうの怖いじゃん?自分の生活の大半を占める学校まで浸食されたくないという一種の防衛本能である。
「ふ、フヒヒッ、こ、コスプレ……は、ハニーはコスプレなんだ……ヒヒッ」
魔女のような笑みを浮かべてコクコクと頷く藥師寺サン。とりあえず怖い。何か知らんが納得したみたいだ。
「あ、着いたよ、ここね」
保健室の前まで来ていた。
嗚呼、そういえば此処には地獄のような保険医がいたんだっけな。あの行かず後家が左遷されて、新しくレースクイーンな女医に変わってたりとかしないかな。なまら入りたくない。帰ろう……。俺は保健室に背を向ける。
「アッ、あっ、あッ! ハニー、マッテ!!」
「ここに入れば中にいるおばさんが何とかしてくれるから……じゃあの」
「は、ハニーも、一緒に入る!!」
トンでもないことを言ってきた。
「イヤです」
「ハニーも側にいて欲しい……心細い」
「イヤです」
「ハニーは私のい、許嫁だから……お、お姉ちゃんにも、紹介したい」
「イヤです」
「は、早い内に……話しておいた方が良いと思う……愛の証左にもなるし、フヘへへへへッ」
ダメだ、耳がついてないよ、この娘。
俺が拒絶してる間に何か過激な妄想も宣っているし。兎に角、俺はややこしくて面倒くさいことはごめんなんだ!この面倒くさい状況を抜け出す方法は……逃げよう、強引にこの場から逃げ出すんだ!
ガッ
俺が走り出そうとすると瞬時に腕を掴まれる。
「えっ、エッ、えッ? ウッッソ、力、ツヨ……コワ……」
「は、ハニー……着いてきて」
そして、強引に保健室に連れ込まれる俺。
ああああ、いやだああああ。メンヘラと童貞キラーの餌食になるのはいやだああああ。
「おう、いらっしゃい」
「ばう、ばうっ、ああああ゛! あうアウばあ゛~~」
メンヘラ女に無理矢理連れ込まれた保健室にはセーラー服を身に纏った大沢先生が竹刀を持って足を組んでいた。その足下にはボールギャングを口に装着した男子生徒が亀甲縛りで寝転び、犬コロのように悲鳴を上げていた。
エ~ッと、魔界に迷い込んじゃったかな?
雨で濡れそぼったポメラニアンみたいな円らな瞳で見つめるメンヘラ女もとい藥師寺サン。何故、屋上にこの方が棲息しているのか。ま、まさか、不法侵入?い、いや、普通に考えればここの生徒ってことだろうが……派手な服装にピンク色の髪。一目見ただけで普通じゃないナニかなので常人の思考で考えてはいけない。
「は、ハニー? 何のことです? ソーセージにかけると美味しいやつですか?」
「ア、アッ、アッ、アイタカッタアアアアアアアア!!!!」
エ●ジードリンク飲みすぎてラリった闘牛みたいな勢いで涙と鼻水を撒き散らかしながら俺に向かって猛突進してくるメンヘラ嬢。ヤッバ……普通に怖くて反射的に横に避ける俺。
「アアアアあああ゛あ゛~~~~…………!!!!」
ゴロゴロ、ゴロゴロ……ビッッターン
俺が横に避けると閉め忘れていたドアを突っ切って、屋上に通じる階段に転がり落ちていく。ヤッバ……漫画みたいに派手に転がり落ちたけど、だ、大丈夫か?流石に心配になった俺は階下に降り、メンヘラ女の元へ向かう。
「あ、アウ、あう、あウあ~…………」
メンヘラ女は階段の踊場で逆M字開脚のような恰好でうつ伏せに倒れていた。女子にあるまじきすげえ恰好で倒れているな……そうはならんだろ。
「お、お~い大丈夫?」
「……ハッ! ヒャイ! らっらいじょう、ブッ、でしゅ!」
俺が声を掛けると、瞬時に直立で立ち上がるメンヘラ女。クリ●ゾン・ヘ●ドかな?回復力が謎にヤバい。しかし、見た目では平気そうには見えても頭や背中を打ちつけているかもしれない。頭や背中は打ちどころによっては後に重大な症状を引き起こす可能性もあるのでひとまずは保健室に連れて行った方が良いだろう。
「と、とりあえずは保健室に行こうか」
「ふ、フェ!? アッ、あっ、アッ、こっ、コケッ? コケッ、コケコッコー!!」
藥師寺サンは何故かニワトリの物真似をしながら慌てふためいている。相変わらず挙動がヤバい。打ち付けた影響か?いや、元からこんな感じでしたね。取り敢えずは藥師寺サンの手をとり、保健室に向かうことにする。
「は、ハニィの手……ナマ暖かい」
暖かいじゃなくて?なんかすげえ嫌なんですけどその表現。
「……藥師寺サンってここの生徒だったの?」
保健室に向かう道中、つい気になったことを尋ねる。すると、藥師寺サンは目ん玉をヒン剥いて、俺をガン見する。こわ~い……何で睨むの?
「藥師寺さんなんてイヤです。ハニーって呼んでください」
「い、いや…学校で、ハニーはちょっとキツ」
「ハニーって呼んでくれないとそこの窓から地面にダイヴします」
ひまわり畑に佇む美少女のような爽やかな笑顔で、窓を指差す藥師寺サン。いや、台詞と表情が絶望的に噛み合っていない。俺なんか悪いことしたかなあ……いや、別に恩を着せる訳じゃないけど寧ろ良いことしてるよな。なんでこんな地獄のような会話をしてるんだろ。
「もっ、もっかい……もっかい、いって、テイク2」
「は、ハッ、ハニー……って、ここの生徒だったの?」
もうやだ、とっても恥ずかしい。
「ち、チガウ……」
俺から目を反らし、気まずそうな微妙な表情になる藥師寺サン。エェ……まさか、まさかの不法侵入?
「も、モシモシー、警察ですか?」
「ああああああ゛!! ち、チガウ!! 悪いことはしてないのぢゃ!! チガウのぢゃああああ!!」
俺が警察に電話する振りをすると、俺の腕を揺さぶってのぢゃロリのような口調で慌てるハニー。やめて、授業中とはいえ目立つ行為はお控えくださいませ。
「オッオッ、おっとせいが……」
唐突におっとせいがきた。
「ま、間違えた……おッ、オッ、オネエちゃんが、ここにいるから……」
ハニーは消え入りそうな声で呟く。
最初の『お』しか合ってないんですが。それはともかくお姉ちゃん?学内にお姉ちゃんがいるのか?だから何だ?くそ、情報を小出しにするからいちいち分かりづらい!
「そ、そうか、は、ハニーはお姉ちゃんがいるのですか……」
「う、うん……ハニーはお姉ちゃんがいるの」
…………。
いや、説明せんのか~い。なんで復唱して終わりやねん。大方、ハニーのお姉ちゃんに用事があってきたとかそんなところだろうが、不審者疑惑は晴れぬままである。まあ、元から不審者みたいな容姿だから、『あちきは不審者じゃないヅラ!』とか面と向かって言われても焼け石に水である。
「ハニーは……ここの、学校に通ってるの?」
ハニー……じゃなくて、もうややこしいから心の中で藥師寺サンにしとこう。藥師寺サンは何かを期待するようなそんな目でそう尋ねる。
「チ、チガウヨ? コレハネ? コスプレ、コスチュームプレイナンダ!!」
ネズミの国に棲息しているキャラクターのような鼻声で意味不明な事を言ってしまう俺。いや、だって、俺がここの生徒だとこの悪夢のような女子にバレてしまうとストーキングされるかもしれないじゃん?学校の前で待ち伏せとかそういうの怖いじゃん?自分の生活の大半を占める学校まで浸食されたくないという一種の防衛本能である。
「ふ、フヒヒッ、こ、コスプレ……は、ハニーはコスプレなんだ……ヒヒッ」
魔女のような笑みを浮かべてコクコクと頷く藥師寺サン。とりあえず怖い。何か知らんが納得したみたいだ。
「あ、着いたよ、ここね」
保健室の前まで来ていた。
嗚呼、そういえば此処には地獄のような保険医がいたんだっけな。あの行かず後家が左遷されて、新しくレースクイーンな女医に変わってたりとかしないかな。なまら入りたくない。帰ろう……。俺は保健室に背を向ける。
「アッ、あっ、あッ! ハニー、マッテ!!」
「ここに入れば中にいるおばさんが何とかしてくれるから……じゃあの」
「は、ハニーも、一緒に入る!!」
トンでもないことを言ってきた。
「イヤです」
「ハニーも側にいて欲しい……心細い」
「イヤです」
「ハニーは私のい、許嫁だから……お、お姉ちゃんにも、紹介したい」
「イヤです」
「は、早い内に……話しておいた方が良いと思う……愛の証左にもなるし、フヘへへへへッ」
ダメだ、耳がついてないよ、この娘。
俺が拒絶してる間に何か過激な妄想も宣っているし。兎に角、俺はややこしくて面倒くさいことはごめんなんだ!この面倒くさい状況を抜け出す方法は……逃げよう、強引にこの場から逃げ出すんだ!
ガッ
俺が走り出そうとすると瞬時に腕を掴まれる。
「えっ、エッ、えッ? ウッッソ、力、ツヨ……コワ……」
「は、ハニー……着いてきて」
そして、強引に保健室に連れ込まれる俺。
ああああ、いやだああああ。メンヘラと童貞キラーの餌食になるのはいやだああああ。
「おう、いらっしゃい」
「ばう、ばうっ、ああああ゛! あうアウばあ゛~~」
メンヘラ女に無理矢理連れ込まれた保健室にはセーラー服を身に纏った大沢先生が竹刀を持って足を組んでいた。その足下にはボールギャングを口に装着した男子生徒が亀甲縛りで寝転び、犬コロのように悲鳴を上げていた。
エ~ッと、魔界に迷い込んじゃったかな?
応援ありがとうございます!
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