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FIRST MAGIC
第14話 運命の出会い?
しおりを挟む「はじめまして異世界の方。私は宮廷魔法師『幻師』見習いのエステルと申します。」
魔法棟に辿り着いた知衣とクレアを迎えたのは、真っ直ぐ揃えられた髪と、大きなな目が印象的な少女だった。
ここは受付らしく、奥にいくつかの扉が見えるが視界に入る人物は彼女――エステルひとりだ。
エステルは、容姿で判断するならば十代後半。
だがこの世界の外見年齢を考えるに、実際はもっと若い――幼いと表すべき年頃だろう。
十代前半――よね?しっかりしてるなぁ。
感心しながら、知衣はエステルを見つめる。
「お名前を伺っても?」
「あ、はい。羽柴知衣です。」
「チイ・ハシバ様ですね?」
知衣が頷くと、エステルは視線をクレアへと向けた。
「貴方がアレク様の新作ですね?」
クレアに向きなおり尋ねたエステルに、クレアは頷く。
「はい。クレアと申します。」
「わかっりました。では、2人分の承認のために長官をお呼びします。」
エステルはそう言うと、手元の紙にさらさらと何やら書き込み、その紙を奥の扉の方へと投げた。
するとその紙は10メートル程も離れた扉に、床に落ちることもなく吸いこまれるかのように張り付いた。
その瞬間――漆黒だった扉が濃い紫へと色を変えた。
エステルがその紫の扉へ向けて軽くペンを降ると、軽やかに扉をノックする音が響く。
――す、すごい!
魔法の国とは知っていたし、実際いくつかの魔法を見てはいたが、目の前で軽々と連発される手品のような魔法に息をのむ。
その数秒後、扉が開かれた。
現れたのは、目を見張るほどの美女だった。
体にフィットした露出の高い派手な衣装が、豊満な胸と括れたウエストを殊更に強調している。
同性の知衣ですら目の遣り場に困るほどの色香だ。
思わず硬直する知衣の姿を見た美女もまた、知衣の姿に目を見開いた。
「ベルフェール様!またその様な恰好をなさって!お立場をわきまえてくださいと何度言えばわかっていただけるんですか!」
眉を吊上げて訴えるエステルの言葉も耳に入っている様子はなく、美女はひたすら知衣を凝視している。
平凡を絵に描いたような容姿の自分を凝視するその様子に、硬直が解けてきた知衣は怪訝に思って首を傾ける。
「あの……私の顔に何か?」
おずおずと問い掛けた知衣に、美女は感極まったように震え出す。
その様子に何か思い当たったらしいエステルが慌てた様子で美女へと手を伸ばす――が、美女の行動の方がわずかに早かった。
「う、運命よ!これは運命だわ!」
そう言って美女は、いきなり知衣を抱き締めた。
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