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戦慄!放課後の鏡面に映る幽霊の巻

あれ?カメラ壊れちゃった?

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知らんがな。


昼休みの時間、中庭のピラミッドの様な謎のオブジェクトの前で、
おさむは自分のスマホの画面を覗き込み、表示されている画像を見て首を傾げていた。

一学年上の先輩、幼馴染でもある水城 英莉みずき えいりのスカートの中を下校中、隙を見計らって盗撮した画像の中に、意図しない物を見つけた。







それは、薄汚れた足の裏。
痩せ細った足の画像だった。

被写体となっていた英莉は、登校する際は必ず紺のハイソックスを履き、焦げ茶色の飾りの無いローファーを履いている。
幼馴染の理から見ても、しなやかで健康的な美しい脚である。見間違える筈もなかった。

「……これは、心霊写真だ。幽霊の足がスマホに写り込んでしまった!!」

ドドドド……理の鼓動が加速する。


ここで読者の皆様に幽霊の説明をさせて頂く。

【 スマホに映った幽霊】
原産:県立多魔高校周辺
属性:粒子エネルギー体
特徴:痩せ細った裸足
好物:取り込み可能な質量のあるエネルギー(魂など)

未だに科学で説明する事が難しいエネルギー体である。


「何スマホ見つめてんだ?またエロサイトで架空請求のトラップに引っかかってるのか?」

「…んひっ!?!?」と、理は驚きに声を上げ、小さくジャンプした。

中庭で一人、真剣な顔をしてスマホを見つめている理を教室から見つけた英莉は、彼の背後から声をかけた。
予想以上にびっくりしている理を見て、英莉は満足そうに笑う。

「理。鼻水出てるぞ。本当に汚い奴だなぁ。
図星突かれて半泣きか、このスケベ小僧め。」

「え、英莉ちゃ…水城先輩!!
こ、これ見て!!心霊!!心霊写真だよ!!
何か良からぬ事が、僕達に迫ってる…まずい、まずいよ!!」

鼻水を両方の穴から垂らし、真剣な顔で迫る理を見た英莉は「ふう」とため息を吐き、
スタスタと自分の教室へ戻ってしまった。

「今日の放課後、必ず迎えに行くから!!」

理は大きな声で英莉に声をかけた。
英莉は片手をヒラヒラ振り、了否分からぬ返事をしていた。


※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


「英莉ちゃ、じゃなかった。水城先輩!
遅かったね!僕、今来たところ!奇遇だね!一緒に帰ろ!!」

理は英莉の教室の前でうろうろして彼女が出て来るのを待ち構えていた。
それに気がついた英莉は、一人残った教室で宿題を済ませていた。
まさかずっと待っているとは…幼馴染のストーカー的な行動に英莉は身を固くした。

「おい、理。何が今来たところだ。
一時間以上、廊下で彷徨きうろつきやがって。お前は私のヤンデレ彼女か!?アハハじゃねぇよ!!」

英莉は片手に持った通学用カバンを「バイン!」と理にぶつけてプンスカ教室を後にした。
理は「待って!トイレ行きたいトイレ!漏れちゃう!」と、彼女の後をペタペタと追いかけていった。


かくして、放課後の幕が上がる。
茜色に染まる空と夕闇に染まる空が交差する時間。
逢う魔が時トワイライトが二人の元に訪れる!!


※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※



「…ふぅ、また漏らしちゃうところだった。」

学校の購買部脇にある、薄暗い職員用トイレで理は用を足す。
「待っててね!絶対だよ!」「あぁ、さっさと済ませて来い」
そんな程度の口約束をした英莉が待っててくれてるか心配だった理は、尿道を痛める勢いで射出させていた。

「あー、あれ?なんか視線感じるな。
英莉ちゃん?男子便所入って来たら駄目だよー?もうちょっとで出し終わるから」

と、首だけを振り返ると、其処に……
















ドッギャァァァーーーーーーン!!!!


トイレの鏡の中に、薄暗く映る少女の姿を目撃する!!

「ピッ、ピギャァァァーーーーー!?!?」

ブリブリブリブリーッ!!と、意図しないモノも放出させ、叫び声を上げる理。

未だ放出中につき、用を足す小便器から離れられず、鏡から見つめる視線から目を離す事も出来ず、
制服のズボンも大惨事になってしまった理。
彼に出来たのは、その叫びを外で待っている英莉に伝える事だけだった。


※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


「おい!何があった!?理!!
うわっ、臭っ!!今日は盛大にやっちまってるな!?
制服の裾から垂れて来て…お、おい!よ、寄るなっ!!寄るなって!!」

「……ヒッグ、ヒッグ……え、英莉ちゃん……トイレの鏡に、ゆ、幽霊が…ぅぅぅ……」


理は制服のズボンの裾から液状化したクソを滴らせ、職員用トイレから泣きながら出て来た。
点々と滴らせる物を理の教室まで繋げ、
彼は薄暗い教室の中、ロッカーから取り出したジャージを英莉に見守られながら履いた。

尚、英莉が女子トイレから持って来たトイレットペーパーである程度、自分のお尻を拭き、ノーパンでジャージを履いた。
汚れた制服のズボンとパンツはロッカーの中に捨てるように押し込んだ。


「……ぅぅぅ……英莉ちゃん、誰にも言わないで。お願いします。お願いします。」

「わかったわかった。クソ漏らしたぐらいで泣くな馬鹿め。ほら、今日は大人しく帰るぞ?」

ペタペタと英莉の後ろを無言で歩く理は小さく泣き続けていた。
下校の途中でようやく泣き止んだ理は呟く。


「英莉ちゃん。今日こそ行こう。ナイフ返しに。
行かなきゃ駄目だ。柴胡精肉店へ。」




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