上 下
6 / 21
第1章

洞窟の最奥にて

しおりを挟む

ギガスと一戦交えたその日から
俺、ロドリゲス、ギガスの3人でツルむようになった。

この洞窟の奴隷ヒエラルキーの頂点に居たのがギガスロリコンその人であり、
俺の暴力装置として非常に正しく機能させている。
仲間と呼んで良いものだと思うには些か勇気が要るが、
ロドリゲス以外にも頼れる駒が出来た事が大きい。


 ※ ※ ※


「おい、知ってるか?ギガス。
この洞窟を掘り進めた先に眠る古代遺跡の噂を。」


「同士よ。噂には聞き及んでおります。
ただしかし、現在の最奥地点の岩盤が非常に硬く掘り進めるのが難儀になっていると聞き及んでおります。」


「ヘイ!ブラザー!古代遺跡に興味を持ったのかい?」


「ああ、ここからトンズラする前にいっちょ、古代遺跡とやらを拝んでおこうと思ってな。」


「逃げるにしても、古代遺跡に辿りつくにしても何か手はあるのかい?ブラザー。」


「ああ、俺はマジックキャスターだからな。」


ロドリゲスは途端に暗い顔になった。



 ※ ※ ※


とある日の深夜


いつかの夜、岩石生成を会得したこの場所に
俺達3人は立っていた。


「ギガス。お前の超絶ギカントスパンチでこの岩盤はブチ抜けないのか?」

「お恥ずかしい話ですが、一度試した事があるのです。その時はヒビすら入れる事が出来ませんでした。」

「……そうか。」


ここはマジックキャスターである俺の腕の見せどころだろう。
二人を少し下がらせた俺は詠唱を開始した。


「ブ、ブラザー!まさか本当にマジックキャスターなのかい!?」


自分でもなんだか良く分からない詠唱をブツブツと呟きながら岩盤に近づき、その岩盤におもむろに噛み付く。


「ど、同士よ!!お気を確かに!!」


慌てて近づいて来た二人を手で制し
口からペッと岩の塊を吐き出して俺は言う。


「俺はマジックキャスターだからな!!」


ボトリ…ボトボト…

飽和した体内の岩石分は勝手に岩石生成をし転がり落ちた。


 ※ ※ ※


数時間程二人の生暖かい視線を背後に感じ掘り進めたが
これ貫通するにはもっと時間かかるんじゃね?てか今日無理じゃね?と思い諦める事にした。


「ブラザー、最初は気でも狂れたかと思ったけど……なんか凄かったよ!」

「同士よ。まさか人の手でこんなにも容易くあの岩盤を掘り進めるとは思ってもみませんでした。」

「ふっ、よせよ。まだまだ力不足だったようだ。また日を改めて臨むとしよう。」


少し疲れたのでその場に腰掛け一息をついた。

ロドリゲスに俺がマジックキャスターであると言う事を長々と説明し「ハイハイわかったわかった」と呆れ顔で言われ
ギガスには この洞窟の王として相応しい力だと褒め讃えられて悪い気はしなかった。

帰り際、なんとなくギガスに掘り進めた場所に超絶ギカントスパンチをするように指示を出した。
本当になんの気も無しに勢いで指示を出した。


「萌えよ!エレクトオンッ!!ハァーーーーッ!!

爆絶ギカントスグレイテストプリティーいちごちゃん120%汁特濃ギカンティックブレイクッ!!!!!」



ギガスの溜まりに溜まったリビドーが有り得ない力を発揮し、
凄まじい破壊力を乗せた超絶ギカントスパンチは
爆絶ギカントスグレイテストプリティーいちごちゃん120%汁特濃ギガンティックブレイクに昇華した。



…………ズドガァーーーーーーーーーーンッ!!!!!!!



岩盤の破砕音すら置き去りにする意味不明のパワーに俺もビビった。
あれはパンチなんてもんじゃない、奴のリビドーそのものだと震えた。
こんなのを野に放って世界は平和でいられるのだろうかと震えた。



 ※ ※ ※



そして俺達は狭い空間に閉じ込められている。
洞窟の一部が崩落したのだ。爆絶ギカントスなんちゃらのせいで。
多少怪我はしているが命に関わるものではなかった事が救いか。


「申し訳ありませんッ…!!」

「いや、いいよギガス。」

いずれ山賊共や奴隷共が騒ぎを聞きつけるだろう。
救助されるかどうかは分からないが、逆に俺はチャンスであると感じた。



……チョロチョロチョロ………ゴクゴク。




「ブ、ブラザー……聞き難い事だがあえて聞こう。何を飲んでいるんだい!?!?」


「ん?水だけど。」


ポウッと乳首を発光させ光源にした俺が闇の中浮かび上がり、
二人は「ヒィっ!!」と仲良く小さな悲鳴をあげた。


「水飲みたかったら言えよ?俺マジックキャスターだからな。」


「え、あ、ブラザー。水を貰う事は出来るだろうか?」


「おう、両手で掬えるように構えろよー?
ダイレクトに口で受けとめてもいいけど、
ちょっと絵面的にキツいからな。」


おもむろに腰巻きをたくし上げボロリと水生成の蛇口浅黒いゾウさんを出す。


「ふ、二人はそんなご関係で!?!?!?」


黒いのが慌てているが、
なあロドリゲス俺達そんな関係じゃないよな?
と笑いかけようとロドリゲスを見ると若干頬を赤らめていた。ゾクっとした。



【 ロドリゲスからの愛】条件:この人間を性的な意味で食べる



ロドリゲス潜在的ホモに対して接し方をちょっと…どころでは無く
かなーり考えないといけないと思います!!
緊急!!緊急!!これ何!?ニコポじゃねーよ!!
ヒロインいつまで経っても出て来ないし、
もしかして異世界BL系ファンタジー!?!?
仲間ガチムチしかいねーしっっ!!
閉じ込められた密室ッッッ
非常にマズイ展開!!テンプレェ………


「ブ、ブラザー…まだ…かい?」


ろ、ロドリゲスガチホモ疑惑否定してくれよ!!
イケメンだから先っぽぐらい許しても良いかな……って良くねーよ!!


「一応、説明しとくけどな、俺の水魔法の射出先はここからなんだ!!
色々と努力したけどここからしか出ないんだ!!決してオシッコなんかじゃないんだからなっっ!!」


我ながらツンデレヒロインもビックリな台詞を吐き出し水生成を行なった。
最初は手のひらで掬って飲んでいたロドリゲスが
次第に恍惚の表情でそれをダイレクト飲みしようとしたので俺は怖くなり水生成をやめた。

ギガスも何か感じる事があったらしく
水を求めて俺に声をかける事はなかった。

テンプレェ…テンプレェ…
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました

東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。 攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる! そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。

明智さんちの旦那さんたちR

明智 颯茄
恋愛
 あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。  奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。  ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。  *BL描写あり  毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれた女子高生たちが集団お漏らしする話

赤髪命
大衆娯楽
※この作品は「校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれた女子高生たちが小さな公園のトイレをみんなで使う話」のifバージョンとして、もっと渋滞がひどくトイレ休憩云々の前に高速道路上でバスが立ち往生していた場合を描く公式2次創作です。 前作との文体、文章量の違いはありますがその分キャラクターを濃く描いていくのでお楽しみ下さい。(評判が良ければ彼女たちの日常編もいずれ連載するかもです)

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

勝負に勝ったので委員長におっぱいを見せてもらった

矢木羽研
青春
優等生の委員長と「勝ったほうが言うことを聞く」という賭けをしたので、「おっぱい見せて」と頼んでみたら……青春寸止めストーリー。

[恥辱]りみの強制おむつ生活

rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。 保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。

処理中です...