上 下
2 / 21
第1章

鬱蒼とした森と山の中で

しおりを挟む
光に包まれ転生!
新しい人生の始まりだー!

  ※ ※ ※

とかワクワクしたのも遠い昔に感じますわ。
とりあえず状況整理。

・周囲は林か森。身に覚えの無い場所に居る。

・素っ裸で靴下と靴だけを身に着けている。

・あれが現実なら異世界転移を果たしているらしい。

とりあえず誰か人に見られたらマズイ事になるだろう。
もう少しマシな身に着けられる物を探す事が先決か。

思い立ったが吉日、森の中を徘徊しドロドロになりながらも申し訳程度に隠せるボロボロの布をゲット。腰巻きです。


はああ‥‥これからどうしよ?
こんな鬱蒼とした森なんて家の近所には無かったけど本当に転生したのかよ?とか疑問がフツフツと湧いてきました。

薄暗い森の中で腰かけるには丁度良い岩を見つけると



【 小石生成】条件:この岩を食べる



いきなりかじりつきました(笑)
テンション上がってガブリと。もちろん食えるわけが無いので周りに人の目が無い事を確認し、その岩に腰掛け一休み。

「転生はマジでしてるっぽいな‥」

寂しさか恥ずかしさからか独り言がふいに漏れましたわ。




気をとりなおし、辺りを確認。



【 栄養】 条件:この虫を食べる

【 栄養】条件:この樹液を食べる

【 光合成】条件:この樹木を食べる



条件:食べる事ばっかだな(笑)
あまりにも馬鹿馬鹿しくなり人里目指して歩いてみる事に。

しばらく歩き森を抜けると舗装のされていない道を発見。
なんとなく太陽の見える方向へ向かう事にしテクテク歩く。
途中「やっぱ反対に歩いて行った方が正解だったのかも!?」と何度も思ったが

とにかく歩く。

歩き続ける事数時間。


小さい沢を見つけたので口をゆすぐくらいは出来るかな?と近づくと



【 水生成】条件:この水を飲む

【 栄養】条件:この虫を食べる

【 病気】条件:この細菌を食べる


これはダメっぽいな。
水生成ってのが非常に便利そうだけどもれなく病気になりそうだし。
まさか病気を操る恩恵!?いや、無いな(笑)
絶対腹壊す。下手したら死ぬ。
もうちょい上流の方なら?
いやしかし遭難する可能性すらある。
でもなぁ、このまま道沿いに進んでも人里あるか分かんないし喉カラッカラだし‥‥

上流を目指し再び森の中、山の中へ進む事に。
サバイバル系の漫画だと最初は水場の確保だしね!!


結果的に言うと上流であろう湧水を飲む事が出来た頃には日も暮れて
初めて外部入手した恩恵【水生成 】を試すと
おしっこの出る場所からチョロチョロと‥
試飲するにはとても勇気の要るものであり、腰巻きがビショビショになるだけの結果。


「寒いし暗いし怖いな‥遠吠えとか聞こえるし‥」


風避けになりそうな巨木のウロに身を滑りこませ
山登りの途中で拾った手頃な木の棒を片手にブルブル震えながら一夜を明かす事にした。
時折聞こえる音にビクッとしたり
火とか食えば火をおこせるようになるのかな(笑)とか考えているうちにウトウトと‥‥







「おいっ!!」




【 山賊流剣闘術 下】条件:この人間を食べる事



抵抗すら出来ずに彼等に手厚く連行された先は深い洞穴。
どうやらこちらで炭坑夫の真似事をやらされるらしい。
転生した矢先に就職先を斡旋され俺ハッピー♪…なんてなるかっ!!

成り上がり系なのコレ??
最初のジョブが奴隷とか最底辺過ぎませんかねぇッ!!
マジで大丈夫か俺???

テンプレ展開ッ!!テンプレ展開希望ッ!!


「あ、すいません。静かにします。だからぶたないで下さいッ……」
しおりを挟む

処理中です...