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空挺戦車の再考?
戦車搬送輸送機の完成!
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「ふむ、零式輸送機は1両のグライダー戦車の牽引で一杯だな。」
「そうですね。」
「2機で、空挺隊員を乗せたら・・・飛ぶのが、やっとだな。」
「内地からだと・・・四発エンジンで無いと無理だな。」
「四発は、ぜひとも研究しておく価値はあると・・・」
「ふむ、だが予算が無い。」
そうなのだ、なにごとにも資金が必要なのである。
「内地の工廠へ聞いてみるか?」
「まあ、演習の売り上げもあるからな。」
奉天市の満州派遣軍陸軍技術工廠の主任技師が内地(日本本土)の工廠へ交渉の電話だ。
このころには、海底電話線が日本海に引かれて・・・内地との有線電話が可能となっていた。
無線は秘匿性が薄いからだ。
現在の自衛隊でも、有線通信は重宝してるとか・・・
「ハイ、こちら陸軍工廠です。」
「あのう・・・奉天の工廠ですが。」
「あ、あ、遠路はるばると良く聞こえますよ。」
「零式輸送機の追加は・・・」と、奉天からだ。
「現在、テスト中です。」
それは、先月も聞いてるのだ。
「いつ、テストが終わるんですか。」
「それも、テスト結果次第ですので・・・」と、言い訳だ。
「先月に送った新型空挺戦車の草案は?」と、奉天からだ。
「現在、検討中です。」と、言い訳の返事だ。
くそっ、と思う奉天の主任だ。
「奉天工場では、四発輸送機の試作を・・・」と、思わず大風呂敷をひろげる・・・
「えっ、なんだってっ!」
電話の背後で・・・それは、見に行かねば・・・なんて、声が・・・
「了解した来月の、あきつ丸の便で見学に・・・」
しまった、風呂敷をひろげすぎたぞい。
内地の工廠では、四発爆撃機を試作したんだが・・・浮かばなかったのだ。(離陸できなかったんだ。)
つまり、揚力を得るほど機体の速度がでなかったのだ。
滑走路を・・・過ぎてもだ・・・
原因は発動機にあったのだ。
星形18気筒エンジンの馬力が・・・思うように出ないのだ。
それで、開発が止まってしまったのだ。
海軍からは、笑われるし・・・赤っ恥の陸軍工廠だったのだ。
「どうしよう。」と、奉天市の満州派遣軍陸軍技術工廠の主任技師は困ってしまったのだ。
大風呂敷にもほどがあるぞって仲間からは・・・散々である。
「逐電するにも、逃げる場所がないぞ。」と、途方に暮れるのだ。(まさか、ソ連領へは逃げられないからね。)
そのとき、一筋の光明が・・・
主任技師は日頃から・・・けったいなスケッチを描いてる技師を思い出す。
「そうだ、あいつに・・・」
主任は開発研究室のドアを開ける。
窓きわに、ヤツは居た。
「君、ここにいたんか?」
「なんです、主任。」
「あ、あ、確か君は四発輸送機のスケッチを描いていたろ?」
「ハイ。」「見せてみろ。」
スケッチブックを渡された。
その開いたページには・・・
双発に見えるが・・・四発の輸送機絵図が・・・
つまり、エンジンが前と後ろにタンデムに搭載されているのだ。
双発の機体のまま、四発にできるアイデアなのである。
もともと、零式輸送機は強度が十分に取ってあり・・・エンジンが2発増えた所で・・・なんら、強度的には問題がないのだ。
ただし、いままでと違うのは・・・前輪があることだ。
後輪がある、後ろ3点ギア方式ではプロペラが地面を叩いてしまいかねないからだ。
それで、前輪がある前3点ギア方式なのである。
そして、タイヤはダブルタイヤだ。
エンジンが4ケだ、それなりの機体重量だからかな。
燃料タンクも翼内に増設してある。
もちろん、防弾仕様である。
「ふむ、ざっと見た所、いけそうじゃないか。」と、主任がいう。
「マジですか。」「うむ。」
「今回の大演習で内地より派遣軍へ売り上げ金が届いたからな。」
「あのソ連軍戦車が見物人に好評だったおかげだ。」
「では・・・」「試作をスタートさせようじゃないか。」
「我が、満州工廠も遊んでばかりでは陛下に申し訳ないからな。」と、主任が宮城へ敬礼だ。
あわてて同調して敬礼だ。
でないと・・・ビンタが・・・ビンタで済めば軽いほうだが・・・
「まずは、木製のモックアップ模型だ。」
実物大の木製のモデルだ。
これで、機体の最終設計が決まるのである。
「大連港にアルミ精錬所が完成してるから・・・機体はジュラルミンだ。」
「エンジンは零式輸送機用を4基だな。」
「なるべく、部品は共用したい。」
「そうだな、共通部品は整備が楽になるからな。」
「風洞実験は?」
問題は、そこなのだ。 満州には飛行機用の風洞実験設備がないのだ。
「仕方がない、縮尺模型で試すか・・・」と、小型模型を縮尺を正確に造る。
そして、風洞は技師らが日曜大工で仕上げて造ってしまったのだ。
まあ、扇風機と筒があれば完成だ。
模型の機体へ短い糸を付けて、風の流れを測定するのだ。
ライト兄弟も、やってるのである。
「飛ばさの翼形態は定番のクラーク型だな。」
輸送機だから、普通の翼断面だ。
重い輸送機だからか・・・翼が長くなってしまった。
「うむ、これでは、格納庫は無理だな。」
「仕方がない、折り畳みするか・・・」
「えっ、艦載機にするんで?」
「将来的に陸軍空母へ搭載できれば・・・無双だぞ。」
そうなのだ、戦車以外にも魚雷や爆雷、そして無線操縦の爆弾飛行機までも・・・
「海軍へ眼にモノ見せてくれるぞい。」と、鼻息は荒い主任技師なのだ。
スケッチ・ブックには、将来的展望として空母搭載爆撃機が・・・
そうなれば、洋行爆撃も夢ではないのだ。
日本陸軍の切り札となりえる爆撃機となるだろう。
夢は、大きい方がイイのである。
数日でモックアップが完成して・・・詳細を煮詰める技師連中だ。
小型模型で風洞実験も良好な成績を残している。
やがて、大連のアルミ精錬所からアルミ角材が・・・
そのアルミ材を奉天の工廠で切り出したり旋盤加工して部品を・・・
「とりあえず、1機でいいから・・・」と、試作機の製造を急がせる。
なぜなら、内地から見学に来満するからだ。
あきつ丸が大連港へ入港するのは・・・来週くらいかな・・・
なんと、満州派遣軍の陸軍満州工廠は驚くなかれ・・・1ヶ月で試作四発輸送機の試作機を仕上げてしまったのだ。
これは、超々スピードなのである。
普通なら、半年から1年は必要なのだ。
人間、その気になればなんとかなるものである。
新たなモノの開発に挑戦することは、技術者にとり寝る間も惜しんで切磋琢磨することなのだ。
だから、ヤレばできるのである。
「ふむ、内地からの見学に、なんとか間に合いそうだな。」
「一度でいいから、飛べるか試したいんだが・・・」
「そうだな、失敗すればオジャンだが・・・マジで浮かぶかやってみるか?」と、主任だ。
格納庫内で翼を折りたたんだ状態から、全員で滑走路のエプロンまで曳きだす・・・
戦闘機ほど軽くはないから・・・
「で、機体名は?」と、誰かが言う。
「そうだな、零式があるからな・・・」
「今年は皇紀(神武暦)2603年だから・・・レイサン式だな。」
「お、お、03式とは・・・かっこいいじゃないですか。」
「そうか、なら良いんだが。」
銀色に輝く03式はエンジンの暖気運転を始めたのだ・・・
「そうですね。」
「2機で、空挺隊員を乗せたら・・・飛ぶのが、やっとだな。」
「内地からだと・・・四発エンジンで無いと無理だな。」
「四発は、ぜひとも研究しておく価値はあると・・・」
「ふむ、だが予算が無い。」
そうなのだ、なにごとにも資金が必要なのである。
「内地の工廠へ聞いてみるか?」
「まあ、演習の売り上げもあるからな。」
奉天市の満州派遣軍陸軍技術工廠の主任技師が内地(日本本土)の工廠へ交渉の電話だ。
このころには、海底電話線が日本海に引かれて・・・内地との有線電話が可能となっていた。
無線は秘匿性が薄いからだ。
現在の自衛隊でも、有線通信は重宝してるとか・・・
「ハイ、こちら陸軍工廠です。」
「あのう・・・奉天の工廠ですが。」
「あ、あ、遠路はるばると良く聞こえますよ。」
「零式輸送機の追加は・・・」と、奉天からだ。
「現在、テスト中です。」
それは、先月も聞いてるのだ。
「いつ、テストが終わるんですか。」
「それも、テスト結果次第ですので・・・」と、言い訳だ。
「先月に送った新型空挺戦車の草案は?」と、奉天からだ。
「現在、検討中です。」と、言い訳の返事だ。
くそっ、と思う奉天の主任だ。
「奉天工場では、四発輸送機の試作を・・・」と、思わず大風呂敷をひろげる・・・
「えっ、なんだってっ!」
電話の背後で・・・それは、見に行かねば・・・なんて、声が・・・
「了解した来月の、あきつ丸の便で見学に・・・」
しまった、風呂敷をひろげすぎたぞい。
内地の工廠では、四発爆撃機を試作したんだが・・・浮かばなかったのだ。(離陸できなかったんだ。)
つまり、揚力を得るほど機体の速度がでなかったのだ。
滑走路を・・・過ぎてもだ・・・
原因は発動機にあったのだ。
星形18気筒エンジンの馬力が・・・思うように出ないのだ。
それで、開発が止まってしまったのだ。
海軍からは、笑われるし・・・赤っ恥の陸軍工廠だったのだ。
「どうしよう。」と、奉天市の満州派遣軍陸軍技術工廠の主任技師は困ってしまったのだ。
大風呂敷にもほどがあるぞって仲間からは・・・散々である。
「逐電するにも、逃げる場所がないぞ。」と、途方に暮れるのだ。(まさか、ソ連領へは逃げられないからね。)
そのとき、一筋の光明が・・・
主任技師は日頃から・・・けったいなスケッチを描いてる技師を思い出す。
「そうだ、あいつに・・・」
主任は開発研究室のドアを開ける。
窓きわに、ヤツは居た。
「君、ここにいたんか?」
「なんです、主任。」
「あ、あ、確か君は四発輸送機のスケッチを描いていたろ?」
「ハイ。」「見せてみろ。」
スケッチブックを渡された。
その開いたページには・・・
双発に見えるが・・・四発の輸送機絵図が・・・
つまり、エンジンが前と後ろにタンデムに搭載されているのだ。
双発の機体のまま、四発にできるアイデアなのである。
もともと、零式輸送機は強度が十分に取ってあり・・・エンジンが2発増えた所で・・・なんら、強度的には問題がないのだ。
ただし、いままでと違うのは・・・前輪があることだ。
後輪がある、後ろ3点ギア方式ではプロペラが地面を叩いてしまいかねないからだ。
それで、前輪がある前3点ギア方式なのである。
そして、タイヤはダブルタイヤだ。
エンジンが4ケだ、それなりの機体重量だからかな。
燃料タンクも翼内に増設してある。
もちろん、防弾仕様である。
「ふむ、ざっと見た所、いけそうじゃないか。」と、主任がいう。
「マジですか。」「うむ。」
「今回の大演習で内地より派遣軍へ売り上げ金が届いたからな。」
「あのソ連軍戦車が見物人に好評だったおかげだ。」
「では・・・」「試作をスタートさせようじゃないか。」
「我が、満州工廠も遊んでばかりでは陛下に申し訳ないからな。」と、主任が宮城へ敬礼だ。
あわてて同調して敬礼だ。
でないと・・・ビンタが・・・ビンタで済めば軽いほうだが・・・
「まずは、木製のモックアップ模型だ。」
実物大の木製のモデルだ。
これで、機体の最終設計が決まるのである。
「大連港にアルミ精錬所が完成してるから・・・機体はジュラルミンだ。」
「エンジンは零式輸送機用を4基だな。」
「なるべく、部品は共用したい。」
「そうだな、共通部品は整備が楽になるからな。」
「風洞実験は?」
問題は、そこなのだ。 満州には飛行機用の風洞実験設備がないのだ。
「仕方がない、縮尺模型で試すか・・・」と、小型模型を縮尺を正確に造る。
そして、風洞は技師らが日曜大工で仕上げて造ってしまったのだ。
まあ、扇風機と筒があれば完成だ。
模型の機体へ短い糸を付けて、風の流れを測定するのだ。
ライト兄弟も、やってるのである。
「飛ばさの翼形態は定番のクラーク型だな。」
輸送機だから、普通の翼断面だ。
重い輸送機だからか・・・翼が長くなってしまった。
「うむ、これでは、格納庫は無理だな。」
「仕方がない、折り畳みするか・・・」
「えっ、艦載機にするんで?」
「将来的に陸軍空母へ搭載できれば・・・無双だぞ。」
そうなのだ、戦車以外にも魚雷や爆雷、そして無線操縦の爆弾飛行機までも・・・
「海軍へ眼にモノ見せてくれるぞい。」と、鼻息は荒い主任技師なのだ。
スケッチ・ブックには、将来的展望として空母搭載爆撃機が・・・
そうなれば、洋行爆撃も夢ではないのだ。
日本陸軍の切り札となりえる爆撃機となるだろう。
夢は、大きい方がイイのである。
数日でモックアップが完成して・・・詳細を煮詰める技師連中だ。
小型模型で風洞実験も良好な成績を残している。
やがて、大連のアルミ精錬所からアルミ角材が・・・
そのアルミ材を奉天の工廠で切り出したり旋盤加工して部品を・・・
「とりあえず、1機でいいから・・・」と、試作機の製造を急がせる。
なぜなら、内地から見学に来満するからだ。
あきつ丸が大連港へ入港するのは・・・来週くらいかな・・・
なんと、満州派遣軍の陸軍満州工廠は驚くなかれ・・・1ヶ月で試作四発輸送機の試作機を仕上げてしまったのだ。
これは、超々スピードなのである。
普通なら、半年から1年は必要なのだ。
人間、その気になればなんとかなるものである。
新たなモノの開発に挑戦することは、技術者にとり寝る間も惜しんで切磋琢磨することなのだ。
だから、ヤレばできるのである。
「ふむ、内地からの見学に、なんとか間に合いそうだな。」
「一度でいいから、飛べるか試したいんだが・・・」
「そうだな、失敗すればオジャンだが・・・マジで浮かぶかやってみるか?」と、主任だ。
格納庫内で翼を折りたたんだ状態から、全員で滑走路のエプロンまで曳きだす・・・
戦闘機ほど軽くはないから・・・
「で、機体名は?」と、誰かが言う。
「そうだな、零式があるからな・・・」
「今年は皇紀(神武暦)2603年だから・・・レイサン式だな。」
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