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履帯を切断するのだ。
抜けない装甲は攻撃しても、砲弾の無駄なのだ。
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「よし、作戦開始だ。」「いいか、履帯を切ればイイからな。」と、西住君が再度指示だ。
「わかっております。」「無駄な弾は使いません。」と、2号車から返信だ。
「うむ。」「砲弾はヤツらより少ないかもしれんからな。」
そうなのだ。 敵戦車は18両だ。
当方は2両だ。
弾数は敵が圧倒的に多いのだ。
では、どうするのか?
西住君は考えたのだ。
(装甲はトントンだ、なら装甲は攻撃しても無駄なだけだ。 なら、履帯を切るしかないな。)である。
履帯は戦車の最大の特徴だが・・・最大の欠点でもあるのだ。
そう、切れれば動けないのだから・・・
そして、履帯を切るには弾は1発で十分なのである。
装甲を抜くための連発はイラネ~のだ。
なんて、エコな作戦だろうか・・・地球環境にも配慮した西住君である。
読者は、履帯に当てるのは・・・カンタンではないと思うだろう。
そう、そのとうりだ。
履帯へ砲撃を当てることは普通の戦車兵では無理だろう。
そこが、空挺部隊と一般兵との差なのだ。
伊達に胸に落下傘マークはつけていないのである。(空挺徽章)
空挺戦車は主砲は九七式改と同じだが・・・
まったく同じでは無い・・・
つまり、軽量化してあるのだ。
砲身の寿命が短命なのだ。
普通、戦艦の主砲は数千発砲撃したら砲身を交換するのだ。
それが、空挺戦車は数百発での砲身の交換が・・・必要なのである。
つまり、砲身の肉が薄いのである。
その砲身も薄い砲身を何層も重ねて熱を加えて鋳造したヤツだ。
つまり、何が言いたいかというと砲身が軽いということは・・・すばやく動かせるということだ。
そして、ジャイロ安定装置が有効に働いて・・・正確な砲撃が可能となっているのである。
空挺戦車は単に軽いということが車台の安定化と砲撃の正確さを産んだのである。
照準器から砲手が敵戦車の履帯を狙う。
時間にして5秒くらいだ。
その照準器と同期して動く砲身なのだ。
照準器の十字へ敵戦車の履帯が乗った・・・「いまだっ!」と、砲手が引き金を引く。
「ズドン。」と、短い砲撃音だ。
そして、敵戦車の片方の履帯が・・・粉みじんに・・・
「よし、次ぎだ。」と、隣にいた敵戦車へ照準が・・・
「ズドン。」だ。
あっという間に・・・ソ連軍の1小隊の2両の戦車の履帯が切られた・・・
「いかん、後退しろ。」と、残りの1両の車長が叫んだ。
グッと動いて、後退を始める・・・が、「遅い!」と、空挺戦車の砲手が叫ぶ。
そのときには、残った1両の履帯も・・・・切断されていたのだ。
そして、1号が3両の履帯を切断した同じころ・・・2号戦車もソ連軍の3両の戦車の履帯を・・・切断が終わっていたのだ。
「こちら、イワンだ。」「敵は正確に履帯を狙ってくるぞ。」
「オレ達の小隊は3両とも履帯が・・・脱出する、以上。」と、無線を切り、ハッチから脱出する・・・
見れば、他の小隊の仲間が・・・」あっ、ヤツらもヤラれたんか。・・・だ。
一瞬で6両の戦車が行動を封じられたのだ。
無線で事実を知ったセルゲーネフ司令官は・・・茫然だ。
「なぜだ、履帯なぞ滅多に砲弾なぞ当たらないんだが。」
「どうしてなんだ。」なんて、考えてる暇なんて無いソ連軍なのだ。
時間は刻々と過ぎていくからだ。
「司令っ、我が小隊も・・・」と、無線が入るが・・・
「くそっ、無事な戦車を把握せねば。」と、焦る司令だ。
日本軍主導で戦場が動いている・・・なんとか、我が軍へ・・・でないと、全滅だ。
「ドウン。」と、司令戦車へ衝撃だ。
「司令、ヤラれました。」
「脱出します。」
おい、オレは何も言ってないが・・・操縦士や砲手などが・・・スタコラと退避である。
動けなくなった戦車からは、即離脱が肝心だ。
なぜなら、敵の的になるからである。
動かない的など、1撃必中だからだ。
司令戦車がヤラれたことは・・・ソ連軍へ衝撃を与えたのだ。
ロシア兵は司令官からの司令で動くだけなのだ。
自身で判断して動くことは無い。(ウクライナでの戦いで、わかるだろう。)
まだ、履帯が破壊されていない戦車に・・・脱出した兵らを鈴なりに戦車へ乗せて・・・逃避行である。
シナや朝鮮軍は退却が速いが・・・ソ連軍も、それなりであったようだ。
こうして、今回の侵攻は・・・半分ほど敵の戦車の履帯を破壊しただけで、敵の逃避行で幕を閉じたようである。
ソ連軍が撤退したことは・・・まだ、知らない空挺戦車隊のようだ。
どうしてかって? それは、ハルピン市内を空挺戦車が敵の検索をやめていないからである。(念には念を入れる日本軍である。)
まさか、すでに司令官みずから・・・逃げ出してるなんて!
モンモンハンではないから、ソ連領へスタコラサッサなのである。
そして、司令官は粛清も収容所送りもされなかったそうだ。
理由は全滅ではないからだ。
危ういところで、退避させた名将というフレこみだ。
理由は、もう粛清されまくって・・・後がいないからだ。
司令官は育てるだけでも時間がかかるからね。
弾除けのモンゴル兵なぞは、数分でできるが・・・さすが、司令官となるとソ連軍でも数年はかかるそうだ。
「わかっております。」「無駄な弾は使いません。」と、2号車から返信だ。
「うむ。」「砲弾はヤツらより少ないかもしれんからな。」
そうなのだ。 敵戦車は18両だ。
当方は2両だ。
弾数は敵が圧倒的に多いのだ。
では、どうするのか?
西住君は考えたのだ。
(装甲はトントンだ、なら装甲は攻撃しても無駄なだけだ。 なら、履帯を切るしかないな。)である。
履帯は戦車の最大の特徴だが・・・最大の欠点でもあるのだ。
そう、切れれば動けないのだから・・・
そして、履帯を切るには弾は1発で十分なのである。
装甲を抜くための連発はイラネ~のだ。
なんて、エコな作戦だろうか・・・地球環境にも配慮した西住君である。
読者は、履帯に当てるのは・・・カンタンではないと思うだろう。
そう、そのとうりだ。
履帯へ砲撃を当てることは普通の戦車兵では無理だろう。
そこが、空挺部隊と一般兵との差なのだ。
伊達に胸に落下傘マークはつけていないのである。(空挺徽章)
空挺戦車は主砲は九七式改と同じだが・・・
まったく同じでは無い・・・
つまり、軽量化してあるのだ。
砲身の寿命が短命なのだ。
普通、戦艦の主砲は数千発砲撃したら砲身を交換するのだ。
それが、空挺戦車は数百発での砲身の交換が・・・必要なのである。
つまり、砲身の肉が薄いのである。
その砲身も薄い砲身を何層も重ねて熱を加えて鋳造したヤツだ。
つまり、何が言いたいかというと砲身が軽いということは・・・すばやく動かせるということだ。
そして、ジャイロ安定装置が有効に働いて・・・正確な砲撃が可能となっているのである。
空挺戦車は単に軽いということが車台の安定化と砲撃の正確さを産んだのである。
照準器から砲手が敵戦車の履帯を狙う。
時間にして5秒くらいだ。
その照準器と同期して動く砲身なのだ。
照準器の十字へ敵戦車の履帯が乗った・・・「いまだっ!」と、砲手が引き金を引く。
「ズドン。」と、短い砲撃音だ。
そして、敵戦車の片方の履帯が・・・粉みじんに・・・
「よし、次ぎだ。」と、隣にいた敵戦車へ照準が・・・
「ズドン。」だ。
あっという間に・・・ソ連軍の1小隊の2両の戦車の履帯が切られた・・・
「いかん、後退しろ。」と、残りの1両の車長が叫んだ。
グッと動いて、後退を始める・・・が、「遅い!」と、空挺戦車の砲手が叫ぶ。
そのときには、残った1両の履帯も・・・・切断されていたのだ。
そして、1号が3両の履帯を切断した同じころ・・・2号戦車もソ連軍の3両の戦車の履帯を・・・切断が終わっていたのだ。
「こちら、イワンだ。」「敵は正確に履帯を狙ってくるぞ。」
「オレ達の小隊は3両とも履帯が・・・脱出する、以上。」と、無線を切り、ハッチから脱出する・・・
見れば、他の小隊の仲間が・・・」あっ、ヤツらもヤラれたんか。・・・だ。
一瞬で6両の戦車が行動を封じられたのだ。
無線で事実を知ったセルゲーネフ司令官は・・・茫然だ。
「なぜだ、履帯なぞ滅多に砲弾なぞ当たらないんだが。」
「どうしてなんだ。」なんて、考えてる暇なんて無いソ連軍なのだ。
時間は刻々と過ぎていくからだ。
「司令っ、我が小隊も・・・」と、無線が入るが・・・
「くそっ、無事な戦車を把握せねば。」と、焦る司令だ。
日本軍主導で戦場が動いている・・・なんとか、我が軍へ・・・でないと、全滅だ。
「ドウン。」と、司令戦車へ衝撃だ。
「司令、ヤラれました。」
「脱出します。」
おい、オレは何も言ってないが・・・操縦士や砲手などが・・・スタコラと退避である。
動けなくなった戦車からは、即離脱が肝心だ。
なぜなら、敵の的になるからである。
動かない的など、1撃必中だからだ。
司令戦車がヤラれたことは・・・ソ連軍へ衝撃を与えたのだ。
ロシア兵は司令官からの司令で動くだけなのだ。
自身で判断して動くことは無い。(ウクライナでの戦いで、わかるだろう。)
まだ、履帯が破壊されていない戦車に・・・脱出した兵らを鈴なりに戦車へ乗せて・・・逃避行である。
シナや朝鮮軍は退却が速いが・・・ソ連軍も、それなりであったようだ。
こうして、今回の侵攻は・・・半分ほど敵の戦車の履帯を破壊しただけで、敵の逃避行で幕を閉じたようである。
ソ連軍が撤退したことは・・・まだ、知らない空挺戦車隊のようだ。
どうしてかって? それは、ハルピン市内を空挺戦車が敵の検索をやめていないからである。(念には念を入れる日本軍である。)
まさか、すでに司令官みずから・・・逃げ出してるなんて!
モンモンハンではないから、ソ連領へスタコラサッサなのである。
そして、司令官は粛清も収容所送りもされなかったそうだ。
理由は全滅ではないからだ。
危ういところで、退避させた名将というフレこみだ。
理由は、もう粛清されまくって・・・後がいないからだ。
司令官は育てるだけでも時間がかかるからね。
弾除けのモンゴル兵なぞは、数分でできるが・・・さすが、司令官となるとソ連軍でも数年はかかるそうだ。
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