上 下
92 / 105
空挺戦車の登場だ!

露スケの戦車なにするものぞだ。

しおりを挟む
 「ぐぬぬぬぬ。」と、2回の軍艦鹵獲作戦が失敗に終わって悔しがる・・・セルゲーネフ司令官である。
ここは、ウラジオストク軍港である。
 ソ連軍の極東基地でもあるのだ。
「そうだ、満州軍には戦車が無いぞ。」と、顔が輝くセルゲーネフ司令官である。
 しかし、空挺部隊の擲弾筒にソ連軍は痛い眼を・・・
すでに、過去2回も空挺部隊には煮え湯を飲まされているのだ。
 「くそっ、新型T-34はまだかっ。」と、声を大にしてイラつくセルゲーネフ中佐である。
「日本海軍に勝っておれば、オレは大佐でモスクワへ・・・」と、夢ははかなく・・・消えたのだ。
 まだ、セルゲーネフ司令官は敵が海軍では無いことに気が付いて無いようだが・・・
「司令官。」「なんだ。」
 「やっと、新型が・・・」
「そうか、これでエテ公へ仕返しができるぞ。」と、顔がほころぶセルゲーネフ司令官である。
 しかし、到着したのは・・・新型T-34ではなかったのだ。
それは、当然なのだ。
 なんせ、新型T-34は対ドイツ帝国軍用なのだから・・・
それで、T-34の旧型が送られてきたのである。
 それは、T-26型という戦車である。
傾斜装甲で対弾性を高めて・・・主砲も37ミリから45ミリへ口径がアップしたヤツだ。
 エンジンは90馬力で速度は30キロとTー2型とトントンなんだが・・・
乗員は3名で、装填手がいない方式だ。
 つまり、車長・運転手・砲手だ。
しかし、主砲には安定装置がついて格段に使いやすくなっていた。
 まあ、T-2型よりだが・・・
「こんどこそ、黄色いエテ公へ鉄のハンマーを叩き落としてくれようぞ。」と、意気込むセルゲーネフ司令官である。
 
 「全員、整列。」「敬礼。」
「うむ。」と、答礼するセルゲーネフ司令官である。
 ウラジオストク極東基地の戦車兵らが・・・1両に3名だから・・・18両だから・・・54名だ。(予備が要るんだが)
「諸君、諸君らは優秀な戦車兵である。」
 「あの、ドイツ帝国にもヒケをとらないと聞いている。」(ゴマすりする司令官だ。)
「満州国軍には戦車が無い。」「まあ、ウマ軍団だな。」
 「ハ、ハッ、ハッ。」と、高笑いする戦車兵らである。
戦車兵にとり騎馬軍団なぞ、蚊トンボ同然なのである。
 ウラジオ基地には、それなりの整備工場があり・・・そこで運んできた戦車の整備を・・・するんだそうだ。
「司令。」「なんだ、副官。」
 「人員が足りません。」
「なんだとっ!」
 脱走兵の関係で数名の欠員が・・・極東基地は脱走兵が、少ないくない。(ブラックなのだ。)
セルゲーネフ司令官は、ちょうど整備があがってきた戦車を運んできた工員を観る・・・
 「そうだ、君たちは運転や整備ができるんだな。」
「うむ、君たちは希望の星だ。」
 あわてて、逃げ出そうと・・・する工員らだが・・・ロシア憲兵に囲まれて・・・
いつのまにか、戦車兵へ鞍替えだ。
 こうして、人員は確保された戦車隊である。(これ、マジな話だ。)
「どうしよう、オレ達は訓練なぞ・・・」
 戦車の運転や整備はできるが・・・戦い方の訓練が・・・
こんなことは、現在でもあることなのだ。
 そう、ウクライナ侵攻で・・・訓練なぞしてない新参兵が最戦線へ・・・送られるロシア軍。
ソ連軍やロシア軍では、いまさらな話である。
 「そんなもん、戦って覚えるんだ。」
戦って、即・戦死なんだが・・・
 シナや朝鮮も厳しいが・・・ロシアも・・・
著者はロシアやシナや朝鮮半島で誕生しなくて本当によかったと・・・思うのだ。
 日本生まれは、ある意味で勝ち組なのだ。
欠点も多々あるが・・・かの国を観れば・・・どれほど、日本がまだマシなのか・・・
 総理へ死ね、死ねって・・・声高に叫んで逮捕されない国だからね。(アベガ~連中だ。)
ロシアやシナや半島では・・・どうだろうか・・・
 パヨク連中は、そのことがわかっていないのだ。
女性の権利がと・・・声高に叫ぶ前に・・・ロシアやシナや半島に女性の権利があるのか?
 日本は女神様が最高神なのだ。
女神様の国は・・・日本くらいなのだよ・・・
 あえて言おう、女性の権利が最高なのが、我が日本なのだ。(数値には見えないのだ。)
日本の家庭は、ほとんどの家庭が資産管理は妻が握ってるからだ。
 それで、日本人の妻はマウントを盗るから・・・諸外国の野郎からは・・・日本のオンナはやめておけって・・・
これ、マジな話である。(我が家も、例外ではない。)
 
 「司令、全員が整列しました。」
「うむ。」 どうやら、全戦車へ戦車兵が・・・
 18両並んだT-26戦車の隊列が・・・・
「新型戦車はそろった。」「ここに、満州侵攻作戦は幕を開けるのだ。」
 「隊員諸君、諸君の健闘を祈る。」
「黄色い猿どもの敗退する姿が、見えるぞ。」
 「勝ちは、まちがいない諸君!」 セルゲーネフ司令官が激を飛ばす。
「我が祖国に栄光あれ!」
 「我が祖国に・・・」
6小隊(1小隊3両)のT-26戦車大隊はウラジオストク陸軍基地から出撃する。
 もう、モンモンハンというモンゴルからの侵攻はない。
なぜなら、モンゴルからの侵攻は補給が滞るからだ。
 なぜって? モンゴル兵が弾除け以外に役にたたないからだそうだ。
ソ連邦の衛星国家は弱小国が多く・・・(だから、ソ連の子分なのだ。)
 「満州国のハルピンを直接叩くぞ。」と、新型戦車18両で怒涛のごとく進撃するソ連軍戦車隊だ。
セルゲーネフ司令官も必死なのである。
 なんせ、極東という左遷された司令官なのだ。
これに失敗したら・・・収容所か粛清が待ってるからである。
 作戦に成功なら・・・モスクワに・・・失敗なら、収容所&粛清(殺されて終わり)だ。
まさに、天地の差があるのである。
 「生か死か!」「決断しか、後が無い!」 と、戦車隊を送り出すセルゲーネフなのである。
「日本軍の擲弾筒に耐えられますかねぇ。」と、副官が・・・
 「モスクワからは、新型だってことだが・・・ワシにはわからん。」 余計なことを言うなって顔だ。
日本軍の擲弾筒が極東基地にあるわけではない。
 擲弾筒での耐久試験なぞT-26はやってはいない。

 「隊長。」「なんだ、イワン伍長。」
「新兵が不安な顔ですが。」
 「それは、わかるが・・・」「今は進軍中だ。」
「新兵の不安なぞ、いまはその時ではないぞ。」
 「わかるんですが、わかりました。」と、イワン伍長は沈黙したのだ。
進軍中でも、それなりの訓練は、やろうと思えばできるんだ。
 しかし、ソ連軍戦車隊は甘いものではなかった。
戦って覚えろだ、それが戦死するかもしれない新兵へのソ連軍の教育だ。
 新兵は、どうしても戦い慣れて無いからね・・・
前線で最初に倒れるのは・・・新兵なんだが・・・
 こうして、18両のソ連軍戦車隊はハルピンを目指して進軍するのだった。
 
 

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

満州国馬賊討伐飛行隊

ゆみすけ
歴史・時代
 満州国は、日本が作った対ソ連の干渉となる国であった。 未開の不毛の地であった。 無法の馬賊どもが闊歩する草原が広がる地だ。 そこに、農業開発開墾団が入植してくる。 とうぜん、馬賊と激しい勢力争いとなる。 馬賊は機動性を武器に、なかなか殲滅できなかった。 それで、入植者保護のため満州政府が宗主国である日本国へ馬賊討伐を要請したのである。 それに答えたのが馬賊専門の討伐飛行隊である。 

大東亜戦争を回避する方法

ゆみすけ
歴史・時代
 大東亜戦争よ有利にの2期創作のつもりです。 時代は昭和20年ころです。 開戦を回避してからのラノベです。

江戸の夕映え

大麦 ふみ
歴史・時代
江戸時代にはたくさんの随筆が書かれました。 「のどやかな気分が漲っていて、読んでいると、己れもその時代に生きているような気持ちになる」(森 銑三) そういったものを選んで、小説としてお届けしたく思います。 同じ江戸時代を生きていても、その暮らしぶり、境遇、ライフコース、そして考え方には、たいへんな幅、違いがあったことでしょう。 しかし、夕焼けがみなにひとしく差し込んでくるような、そんな目線であの時代の人々を描ければと存じます。

B29を撃墜する方法。

ゆみすけ
歴史・時代
 いかに、空の要塞を撃ち落とすか、これは、帝都防空隊の血と汗の物語である。

渡世人飛脚旅(小説新人賞最終選考落選歴あり、別名義、別作品で)

牛馬走
歴史・時代
(小説新人賞最終選考落選歴あり、別名義、別作品で)水呑百姓の平太は、体の不自由な祖母を養いながら、未来に希望を持てずに生きていた。平太は、賭場で無宿(浪人)を鮮やかに斃す。その折、親分に渡世人飛脚に誘われる。渡世人飛脚とは、あちこちを歩き回る渡世人を利用した闇の運送業のことを云う――

我らの輝かしきとき ~拝啓、坂の上から~

城闕崇華研究所(呼称は「えねこ」でヨロ
歴史・時代
講和内容の骨子は、以下の通りである。 一、日本の朝鮮半島に於ける優越権を認める。 二、日露両国の軍隊は、鉄道警備隊を除いて満州から撤退する。 三、ロシアは樺太を永久に日本へ譲渡する。 四、ロシアは東清鉄道の内、旅順-長春間の南満洲支線と、付属地の炭鉱の租借権を日本へ譲渡する。 五、ロシアは関東州(旅順・大連を含む遼東半島南端部)の租借権を日本へ譲渡する。 六、ロシアは沿海州沿岸の漁業権を日本人に与える。 そして、1907年7月30日のことである。

土方歳三ら、西南戦争に参戦す

山家
歴史・時代
 榎本艦隊北上せず。  それによって、戊辰戦争の流れが変わり、五稜郭の戦いは起こらず、土方歳三は戊辰戦争の戦野を生き延びることになった。  生き延びた土方歳三は、北の大地に屯田兵として赴き、明治初期を生き抜く。  また、五稜郭の戦い等で散った他の多くの男達も、史実と違えた人生を送ることになった。  そして、台湾出兵に土方歳三は赴いた後、西南戦争が勃発する。  土方歳三は屯田兵として、そして幕府歩兵隊の末裔といえる海兵隊の一員として、西南戦争に赴く。  そして、北の大地で再生された誠の旗を掲げる土方歳三の周囲には、かつての新選組の仲間、永倉新八、斎藤一、島田魁らが集い、共に戦おうとしており、他にも男達が集っていた。 (「小説家になろう」に投稿している「新選組、西南戦争へ」の加筆修正版です) 

戦艦タナガーin太平洋

みにみ
歴史・時代
コンベース港でメビウス1率いる ISAF部隊に撃破され沈んだタナガー だがクルーたちが目を覚ますと そこは1942年の柱島泊地!?!?

処理中です...