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なぜ?こうなってしまったのか・・・
海軍対陸軍の演習だ。
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ここは、大連港の海軍基地である。
隣接する陸軍の波止場とは・・・高い壁で遮られている。
これには、前例があるのだ。
中島飛行機の工場内で軍用機の生産ラインを見学していた海軍の幹部と、偶然にも陸軍の幹部が鉢合わせて・・・
あわや、出入りかっ!となる寸前になってしまった苦い経験があったからだ。(工場の幹部は平謝りだ。)
それ以来、海軍の工場と陸軍の工場とは高い壁と鉄条網で区切られて・・・互いに行き来できないように・・・なってるのである。
これは、ラノベではない・・・史実であるのだ。
それほど、我が陸軍と海軍とは犬猿の仲だったのだ。
もちろん、互いに公共施設で相まみえても・・・刃傷沙汰にはならないのだが・・・(互いに距離を置くからだ。)
その間隔が一定の距離から接近すれば・・・開戦のはじまりだ。
まず、飲み屋で海軍と陸軍が相まみえれば・・・まあ、絶対に刃傷沙汰である。
そして、慣れたヤツは憲兵隊が現れる前にトンズラである。
ケンカ慣れしていない新兵は・・・一晩、お泊りということに・・・そう、憲兵隊の反省独房でである。
もちろん、反省独房は海軍房と陸軍房に別れているのである。(別棟の建物だ。)
憲兵隊も慣れてるから・・・陸軍派と海軍派に分かれているとか・・・
そして、江戸時代からケンカは両成敗と決まってるのだ。
ケンカを仕掛ける方も悪いが・・・買うヤツも悪いからである。
大連港の海軍側へ・・・新型空母が投錨した。
中島飛行機が海軍向けに量産に成功した滑走路が要らない飛行機を乗せた空母だ。
空母は新型で滑走路様の飛行甲板が無いのだ。(丸い円形の平たい甲板が4ケ所ある。)
なんせ、滑走路が要らない飛行機だからである。
プロペラが4ケ所にあり・・・それが上に向いてるのだ。
そして、空気を地面へ吹きつけて浮く方式だ。
ある程度、浮くとプロペラを水平から垂直へ回転させて・・・普通の飛行機のように飛行できるのだ。
しかし、欠点はあるのだ。
それは、重いモノを乗せては浮かないのである。
それで、定員は海兵隊員が5名ほど、そして操縦士が2名だそうだ。
ちなみに、プロペラは4枚である。
まだ、欧米も知らない最新の兵器である。
本来なら軍事機密なんだが・・・陸軍との最終決戦だ。
軍事機密が・・・なんて、言ってられんのだそうだ。
なお、海軍機だから海軍の旗である旭日旗がデカデカと描いてある。
陸軍は日の丸だ。
日の丸は四角い白地に赤い丸だ。
そして機体の色は、海軍機の深緑色である。
陸軍は灰色なんだが・・・
戦車は満州平原のサンド・ブラウン色である。
ドイツ帝国の戦車の色に似てるが・・・そこは、微妙に差があるのである。
まあ、単なる言い訳なんだが・・・
「どうだ、我が空母の威容は?」と、艦長だ。
「いつ見ても、いいもんですね。」と、副官がいう。
「そうだろう、そうだろう、我が海軍が勝利するのは決まったも同然だ。」
「最新の兵器なんだからな。」と、確信する艦長のイザジ中佐である。
「陸軍は空中停止機(ヘリの海軍の呼び名)に腰を抜かすでしょうね。」
「まあ、そうだろうな・・・ワァハッ、ハッ、ハッ・・・」と、高笑いのイサジ中佐殿である。
しかし、艦橋には陸軍への内通者が居たのだ。
それも、副官なのだ。
一番、近い所に疑わしき者は居るものなのである。
副官は海軍の少佐なんだが・・・陸軍の空挺部隊にあこがれて軍人へ・・・
ところが、選抜試験で海軍へ・・・
軍隊は、自身の希望先なぞ・・・聞いていては、やってらんないのだ。
それで、理不尽にも・・・海軍へ・・・
まあ、優秀だったから少佐なんだが・・・
それでも、内心は空挺部隊へのあこがれを捨てきれないのである。
空挺部隊こそ、世界イチの部隊である。
これは、鉄板なのだ。
どこの国の軍隊でも、切り札は空挺部隊なのだ。
それを常駐できる国は数少ないのである。
現在は日本陸軍だけなのだ。
英国や米国は、あるにはあるんだが・・・切り札なんて、めったに切れないから・・・
存在はあるそうだが・・・見たヤツは皆無なのだ。
しかし、日本陸軍は盛大に公開して宣伝にまで使っている。
それが、ソ連軍への抑止に効いてるからである。
怒涛のごとく押し寄せる、数のソ連軍相手に30名の空挺部隊の活躍は光るモノがあるのだ。
満州国には、日本陸軍の空挺部隊が・・・それだけで、ソ連軍は震えるのだ。
ソ連のコミンテルンの頭上の大岩なのだ。
「ふむ、君の進言はありがたいが・・・」と、奉天の喫茶リンリン店内で密会中の空母副官と空挺部隊の藤堂隊長だ。
「空中停止機は脅威だが、我が空挺の敵ではない。」と、断言する藤堂君だ。
「訓練練度もこなれてきてるし、新兵器も扱いがうまくなってきてる。」
「でも、見たことはないでしょう?」
「うむ、君の持参した写真だけだな。」と、藤堂君だ。
「しかし君は、どうしてそこまで?」
「私が軍人を希望したのは空挺へのあこがれなんです。」
「ところが、選抜で海軍へ・・・」
「なら、海軍でも空挺を造ればいいんじゃないか。」と、藤堂君だ。
「でも、私だけでは・・・」
「人間、諦めたら終わりだぞ。」
「もう、絶対絶命だって・・・しかし、オレは諦めないぞ。」
「なにか、反転攻勢の機会があるやもしれない。」
「死んで、閻魔様の前で諦めればいいのさ。」と、さらりと言う藤堂君だ。
「今は、犬猿の仲だが・・・オレは君へ協力を惜しまないからな。」
「海兵隊の空挺部隊を創設するんだよ。」
「こんどの演習で空中停止機が、どれほどのモノか判明するしな・・・」
「わかりました、ありがとうございます。」
「うむ、これからも定期的に会合をもとう。」
「場所は、ここだ。」
「この喫茶店はオレの女の店だからな。」
なんと、藤堂君はスミの置けないヤカラだったのか~
自身のオンナに喫茶店を・・・
なんとも、うらやましい限りである・・・
どうりで、態度がデカイなと・・・思っていた副官なのだ。
空母の副官には・・・脅威ではない、なんて言っていた藤堂君だが・・・
内心は、「どうするか、空中停止機はマジだったんだな。」
「あんなもの演習に使われたら、陸軍はびっくりで・・・作戦遂行の支障になる。」
「いまのうちに対策をとらないと、マズいぞ。」
「そうだ、陸軍工廠の技師が大連港に居るはずだ。」と、思案する藤堂君だある。
次の日だ。
大連港の陸軍桟橋で待ち合わせる藤堂隊長だ。
あきつ丸から・・・技師が数人、降りてくる。
「藤堂さんですか。」「うむ。」
「海軍の新兵器の話だそうですが・・・」「うむ。」
「ここでは、なんだが・・・」
「では、あきつ丸へ・・・」
あきつ丸は日本陸軍の徴用船ということなのだが・・・
それは、表向きの話なのだ。
なんと裏では・・・あきつ丸は対日本海軍への対策船なのである。
まあ、そこまで犬猿の仲の両軍なのだ。
そして、会議室で藤堂君は海軍の空中停止機の写真を・・・
もちろん、陸軍の技師は初見なのだ。
こんな、最新の海軍の機密情報は・・・007でも、入手できないのである。
「これが、レイのヤツですか。」
「なるほど、わかりました。」
さすが、陸軍の技師連中だ。
パット見で、理解できるなんて。
「確かに、よくできてますね。」
「でも、これならなんとかできそうですよ。」
「これの欠点は速度が遅いことです。」
なんと、はやくも欠点を見抜く技師連中だ。
「おそらく、4機のエンジンでも馬力は1発で1000そこそこでしょう。」
「なら、この空気抵抗がありそうな機体ですからね。」
「え、え、そうですね、速度は最高で300キロ程度でしょうか。」
「なら、零式輸送機の400キロに負けるな。」と、堂々少佐が喜ぶ。
速度は、武器なのだ。
だから、どんな武器も最高速度は軍事機密なのである。
「そして、定員は4名がギリかと・・・」
「なるほど、我が零式輸送機は30名だからな。」と、藤堂君だ。
「それで、何機あるんですか?」
「確か、12機ほどだとか。」
「まあ、四方にあるプロペラは折り畳みではないでしょうから、そんなところですか。」
45度角度が変化するプロペラは折りたためないからだ。
「でも、この機体では高高度は無理ですよ。」と、最大の欠点だ。
「飛行機はプロペラの抵抗がバカにならないんですよ。」
「それで、最高に効率がイイヤツは1枚プロペラなんですよ。」
片方が錘のペラだ。
低馬力の軽飛行機用だ。(燃費がイイ。)
「これは、4枚ですから・・・そうですね、高度3000までは無理かと・・・」
これは、ドロ~ンが高高度が無理ということだ。
「なるほど、では対策は建てれそうだな。」「え、え。」
こうして、対海軍の新兵器対策が研究されるのである・・・国際大演習まで・・・あと、30日だ。
隣接する陸軍の波止場とは・・・高い壁で遮られている。
これには、前例があるのだ。
中島飛行機の工場内で軍用機の生産ラインを見学していた海軍の幹部と、偶然にも陸軍の幹部が鉢合わせて・・・
あわや、出入りかっ!となる寸前になってしまった苦い経験があったからだ。(工場の幹部は平謝りだ。)
それ以来、海軍の工場と陸軍の工場とは高い壁と鉄条網で区切られて・・・互いに行き来できないように・・・なってるのである。
これは、ラノベではない・・・史実であるのだ。
それほど、我が陸軍と海軍とは犬猿の仲だったのだ。
もちろん、互いに公共施設で相まみえても・・・刃傷沙汰にはならないのだが・・・(互いに距離を置くからだ。)
その間隔が一定の距離から接近すれば・・・開戦のはじまりだ。
まず、飲み屋で海軍と陸軍が相まみえれば・・・まあ、絶対に刃傷沙汰である。
そして、慣れたヤツは憲兵隊が現れる前にトンズラである。
ケンカ慣れしていない新兵は・・・一晩、お泊りということに・・・そう、憲兵隊の反省独房でである。
もちろん、反省独房は海軍房と陸軍房に別れているのである。(別棟の建物だ。)
憲兵隊も慣れてるから・・・陸軍派と海軍派に分かれているとか・・・
そして、江戸時代からケンカは両成敗と決まってるのだ。
ケンカを仕掛ける方も悪いが・・・買うヤツも悪いからである。
大連港の海軍側へ・・・新型空母が投錨した。
中島飛行機が海軍向けに量産に成功した滑走路が要らない飛行機を乗せた空母だ。
空母は新型で滑走路様の飛行甲板が無いのだ。(丸い円形の平たい甲板が4ケ所ある。)
なんせ、滑走路が要らない飛行機だからである。
プロペラが4ケ所にあり・・・それが上に向いてるのだ。
そして、空気を地面へ吹きつけて浮く方式だ。
ある程度、浮くとプロペラを水平から垂直へ回転させて・・・普通の飛行機のように飛行できるのだ。
しかし、欠点はあるのだ。
それは、重いモノを乗せては浮かないのである。
それで、定員は海兵隊員が5名ほど、そして操縦士が2名だそうだ。
ちなみに、プロペラは4枚である。
まだ、欧米も知らない最新の兵器である。
本来なら軍事機密なんだが・・・陸軍との最終決戦だ。
軍事機密が・・・なんて、言ってられんのだそうだ。
なお、海軍機だから海軍の旗である旭日旗がデカデカと描いてある。
陸軍は日の丸だ。
日の丸は四角い白地に赤い丸だ。
そして機体の色は、海軍機の深緑色である。
陸軍は灰色なんだが・・・
戦車は満州平原のサンド・ブラウン色である。
ドイツ帝国の戦車の色に似てるが・・・そこは、微妙に差があるのである。
まあ、単なる言い訳なんだが・・・
「どうだ、我が空母の威容は?」と、艦長だ。
「いつ見ても、いいもんですね。」と、副官がいう。
「そうだろう、そうだろう、我が海軍が勝利するのは決まったも同然だ。」
「最新の兵器なんだからな。」と、確信する艦長のイザジ中佐である。
「陸軍は空中停止機(ヘリの海軍の呼び名)に腰を抜かすでしょうね。」
「まあ、そうだろうな・・・ワァハッ、ハッ、ハッ・・・」と、高笑いのイサジ中佐殿である。
しかし、艦橋には陸軍への内通者が居たのだ。
それも、副官なのだ。
一番、近い所に疑わしき者は居るものなのである。
副官は海軍の少佐なんだが・・・陸軍の空挺部隊にあこがれて軍人へ・・・
ところが、選抜試験で海軍へ・・・
軍隊は、自身の希望先なぞ・・・聞いていては、やってらんないのだ。
それで、理不尽にも・・・海軍へ・・・
まあ、優秀だったから少佐なんだが・・・
それでも、内心は空挺部隊へのあこがれを捨てきれないのである。
空挺部隊こそ、世界イチの部隊である。
これは、鉄板なのだ。
どこの国の軍隊でも、切り札は空挺部隊なのだ。
それを常駐できる国は数少ないのである。
現在は日本陸軍だけなのだ。
英国や米国は、あるにはあるんだが・・・切り札なんて、めったに切れないから・・・
存在はあるそうだが・・・見たヤツは皆無なのだ。
しかし、日本陸軍は盛大に公開して宣伝にまで使っている。
それが、ソ連軍への抑止に効いてるからである。
怒涛のごとく押し寄せる、数のソ連軍相手に30名の空挺部隊の活躍は光るモノがあるのだ。
満州国には、日本陸軍の空挺部隊が・・・それだけで、ソ連軍は震えるのだ。
ソ連のコミンテルンの頭上の大岩なのだ。
「ふむ、君の進言はありがたいが・・・」と、奉天の喫茶リンリン店内で密会中の空母副官と空挺部隊の藤堂隊長だ。
「空中停止機は脅威だが、我が空挺の敵ではない。」と、断言する藤堂君だ。
「訓練練度もこなれてきてるし、新兵器も扱いがうまくなってきてる。」
「でも、見たことはないでしょう?」
「うむ、君の持参した写真だけだな。」と、藤堂君だ。
「しかし君は、どうしてそこまで?」
「私が軍人を希望したのは空挺へのあこがれなんです。」
「ところが、選抜で海軍へ・・・」
「なら、海軍でも空挺を造ればいいんじゃないか。」と、藤堂君だ。
「でも、私だけでは・・・」
「人間、諦めたら終わりだぞ。」
「もう、絶対絶命だって・・・しかし、オレは諦めないぞ。」
「なにか、反転攻勢の機会があるやもしれない。」
「死んで、閻魔様の前で諦めればいいのさ。」と、さらりと言う藤堂君だ。
「今は、犬猿の仲だが・・・オレは君へ協力を惜しまないからな。」
「海兵隊の空挺部隊を創設するんだよ。」
「こんどの演習で空中停止機が、どれほどのモノか判明するしな・・・」
「わかりました、ありがとうございます。」
「うむ、これからも定期的に会合をもとう。」
「場所は、ここだ。」
「この喫茶店はオレの女の店だからな。」
なんと、藤堂君はスミの置けないヤカラだったのか~
自身のオンナに喫茶店を・・・
なんとも、うらやましい限りである・・・
どうりで、態度がデカイなと・・・思っていた副官なのだ。
空母の副官には・・・脅威ではない、なんて言っていた藤堂君だが・・・
内心は、「どうするか、空中停止機はマジだったんだな。」
「あんなもの演習に使われたら、陸軍はびっくりで・・・作戦遂行の支障になる。」
「いまのうちに対策をとらないと、マズいぞ。」
「そうだ、陸軍工廠の技師が大連港に居るはずだ。」と、思案する藤堂君だある。
次の日だ。
大連港の陸軍桟橋で待ち合わせる藤堂隊長だ。
あきつ丸から・・・技師が数人、降りてくる。
「藤堂さんですか。」「うむ。」
「海軍の新兵器の話だそうですが・・・」「うむ。」
「ここでは、なんだが・・・」
「では、あきつ丸へ・・・」
あきつ丸は日本陸軍の徴用船ということなのだが・・・
それは、表向きの話なのだ。
なんと裏では・・・あきつ丸は対日本海軍への対策船なのである。
まあ、そこまで犬猿の仲の両軍なのだ。
そして、会議室で藤堂君は海軍の空中停止機の写真を・・・
もちろん、陸軍の技師は初見なのだ。
こんな、最新の海軍の機密情報は・・・007でも、入手できないのである。
「これが、レイのヤツですか。」
「なるほど、わかりました。」
さすが、陸軍の技師連中だ。
パット見で、理解できるなんて。
「確かに、よくできてますね。」
「でも、これならなんとかできそうですよ。」
「これの欠点は速度が遅いことです。」
なんと、はやくも欠点を見抜く技師連中だ。
「おそらく、4機のエンジンでも馬力は1発で1000そこそこでしょう。」
「なら、この空気抵抗がありそうな機体ですからね。」
「え、え、そうですね、速度は最高で300キロ程度でしょうか。」
「なら、零式輸送機の400キロに負けるな。」と、堂々少佐が喜ぶ。
速度は、武器なのだ。
だから、どんな武器も最高速度は軍事機密なのである。
「そして、定員は4名がギリかと・・・」
「なるほど、我が零式輸送機は30名だからな。」と、藤堂君だ。
「それで、何機あるんですか?」
「確か、12機ほどだとか。」
「まあ、四方にあるプロペラは折り畳みではないでしょうから、そんなところですか。」
45度角度が変化するプロペラは折りたためないからだ。
「でも、この機体では高高度は無理ですよ。」と、最大の欠点だ。
「飛行機はプロペラの抵抗がバカにならないんですよ。」
「それで、最高に効率がイイヤツは1枚プロペラなんですよ。」
片方が錘のペラだ。
低馬力の軽飛行機用だ。(燃費がイイ。)
「これは、4枚ですから・・・そうですね、高度3000までは無理かと・・・」
これは、ドロ~ンが高高度が無理ということだ。
「なるほど、では対策は建てれそうだな。」「え、え。」
こうして、対海軍の新兵器対策が研究されるのである・・・国際大演習まで・・・あと、30日だ。
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