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敵の戦車は12両だぞ。
上から観れば、両数は判別できるぞ。
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零式輸送機2号機へ無線が入る。
満州国からの続報だ。
そこは、自国のことだから満州国も必死である。
「敵の戦車は、どうやら我が国の八九式より小型だそうだ。」
「ふむ、なら擲弾筒でヤレますな。」
「そうだな。」仮の隊長の乙班の総代だ。
航空士(海軍の航海士の役だ。)が、航空図を見ながら・・・計算尺で飛行距離を出す。
そして、図面で、「そろそろ、モンモンハンです。」と、操縦している機長へ伝える。
降下係官も兼ねる航空士だ。
天測窓から付近の空を確認する。
ソ連軍の戦闘機の警戒だ。
「よし、付近には戦闘機はいないようだ。」
まだ、航空機用の電波探信儀が開発される前の時代の話だ。
日本軍は零式水上偵察機用に電波探信儀を開発したが・・・高度2000メートルで距離80キロ程度は探知できたぞうだ。
重さ10キロの機器で電波が50メガサイクルのブラウン管式レーダーだったそうだ。
昭和20年だから・・・敗戦の半年前だ、すでにお寿司だった・・・
そういえば、潜水艦探査用の磁気探知機は日本軍が運用していた。
深度100メートルまで探知できるスグレモノだ。
現在のP-3C哨戒機のシッポのやつだ。
米軍は海面のうねりから潜水艦を探知するらしいが・・・動いてればいいが・・・停船してれば感知できないんじゃないかな。
潜水艦に関しては、先の大戦で日本軍は苦労したから・・・対潜水艦機器は日本の軍事技術が他国の追随を許さないと聞いている。
潜水艦が海底に鎮座したら・・・探知できるのは、日本のP-3Cだけだろうと思うのだが・・・
なんせ、戦時中からの磁気探知技術だからね(深度100までだが・・・)。
レーダー技術でも先の大戦で日本軍は泣きをみたのだ。
現在では、レーダーに関しては、他国には負けない自負が日本にはあるそうだ。
日本のF3戦闘機は独自のフェズド・アレイレーダーが機首に収まってる。
魚群探知機でも日本製が世界を席巻している。
なんせ、魚群探知機は日本が初号機を製作したのだ。
歴史が違うのだよ・・・
「おい、あそこに戦車だぞ。」と、係官が降下ハッチを開いてみる。
高度1000メートルだから・・・豆粒クラスの大きさだ。
「何両だ。」「まあ、まて数える。」「12両はいるぞ。」
「ソ連軍か?」「遠くて、わからん。」
「でも、モンゴル軍には戦車はないからな。」 そうなのだ、ソ連軍にきまっている。
たとえ、モンゴル軍の旗だろうが・・・中身はソ連軍(ロシア兵)と見るのが妥当なのだ。
「よし、降下に支障はないぞ。」と、降下係官が判断した。
赤いランプが廻りだした。
天井のレールへ落下傘のフックを掛ける。
何度の繰り返し点検した落下傘装着だ。
絶対に開かないことは無い。
万が一の場合には、もう1個の非常用落下傘が開くのだ。
空挺部隊員は貴重なのだ。
つまらない、誤操作で失くしたくは無いのだ。
背中の擲弾筒が落ちないか、後ろの隊員が前の隊員の取り付けを確認する。
「よし、行けぃ。」と、肩を叩く。
「えぃ。」と、掛け声で空へ舞う。
次々と空挺隊員が降下する。
空に白い落下傘の花が咲くのだ。
「ズキューン。」と、三八歩兵銃が吠える。
「チ~ン。」と、戦車の装甲で弾丸が跳ねる。
「くそっ、どうなってるんだ。」と、焦る満州軍警備隊だ。
満州軍の国境警備隊は武器が三八歩兵銃しかないのだ。
砲兵の運べる野砲が無いから・・・
日本軍から歩兵銃を援助される前は弓矢しか・・・
元寇のモンゴル軍と同じだ。
もちろん、火縄銃はあったが・・・とても、使えるモノではない。(騎馬では、火縄銃は無理なのだ。)
そして、満州軍の国境警備隊にとり戦車は初めての相手だったのだ。
「くそっ、鉄虎めっ。」
「隊長殿、ここは撤退するしか・・・」と、副官が助言だ。
勝てない相手なのだから・・・
「しかし、モンゴル軍が鉄虎なぞ・・・」
戦車にはモンゴル軍の旗だ。
「たぶん、ソ連軍が出てきたんでしょう。」
「この前の仕返しか。」「おそらく。」
「ぐぬぬぬぬっ・・・」と、悔しがる満州警備隊の隊長だ。
「援軍の要請は?」
「すでに、鉄虎発見と同じくして無線で軍司令部へ・・・」
「鉄虎が迫ってきました。」「隊長、指示を・・・」
もうすでに、浮足だっている満州警備隊だ。
満州警備隊の隊長が無念の思いを込めて・・・空を見上げた・・・
その眼に・・・青い空に白い花が次々と咲く・・・
「お、おっ、あれは日本軍の落下傘だ。」
空に小さく見える黒い飛行機から・・・次々と白い花が降りてくるのだ。
「おい、落下傘がきたぞ。」「落下傘だぞ。」
浮足立っていた満州国境警備隊が・・・逃げ腰だった・・・警備隊員が自身の任務を思い出す。
そうだ、オレ達は満州国軍の栄えある国境警備隊なのだ。
「よし、時間稼ぎだ。」「煙幕を張れっ。」
隊長が命令する。
「煙幕弾だ。」「煙幕弾を鉄虎に投げろ。」
次々と命令が伝わり・・・最前線の兵が手榴弾型の煙幕弾を投擲する。
「鉄虎は覗き窓が小さい。」「煙幕は鉄虎の動きを停めるからな。」
つまり、落下傘が降下する時間を稼ぐためだ。
満州軍の隊長は作戦行動や対処法など、それなりに学んでいるのである。
コネやバカでは、国境警備隊の隊長は務まらない・・・
なぜって・・・ソ連軍の脅威が迫ってるからだ。
いまにも、爆発する導火線に火が付いた爆弾なのだ。
数が少ない煙幕弾を・・・ここぞ、と言うところで使うのである。
モンゴル軍の旗で国籍を偽った・・・ソ連軍の戦車兵は、「まて、煙幕を張りゃがったぞ。」
「これでは、前が見えん。」「煙幕が晴れるまで、停止だ。」
戦車の車長が指示する。
戦車は窓がスリットになっていて・・・見通しが最悪なのだ。
装甲に透明な窓は無いからだ。
落下傘部隊が降下するに時間は、かからなかった。
降下した部隊は敵に対処するために集合する。
自然と満州国警備隊も・・・降下部隊の方向へ・・・
まあ、なりゆきだ・・・
「横一列に展開せよ。」と、仮の隊長が指示を出す。
まあ、手信号である。
両手を挙げて・・・左右に開くのだ。
「号令と共に擲弾筒斉射。」との手信号を出す。
横一列に散開した空挺部隊員は背中の擲弾筒を地面に置く。
敵戦車までの距離を三角測量の計算で暗算する。
空挺部隊員はソロバン3級の暗算を全員マスターしてるのだ。
日本ソロバン組合の試合にも参加して、悪くない成績を残している。
「距離300、角度47度。」
「装填用意。」
手に対戦車用の手榴弾を持つ。
「テェーッ。」と、合図だ。
手を離すと筒に手榴弾が・・・そして、筒の底へ当たると・・・
「ポン。」と、空気砲を撃つように・・・手榴弾が上空へ弧を描いて・・・
満州軍警備隊へ迫りつつあるソ連軍戦車の上に羽を上にして・・・墜落していくのだ。
「ドウン・・・」「ドウン・・・」 と、戦車の砲塔や車台の上部で爆発する。
熱爆発した手榴弾は下へ超高温度のガスを噴射するのだ。
その2000度以上に高温度のガスで戦車装甲はドロドロに一瞬で溶けるのだ。
そして、ガスは装甲を溶かして・・・戦車内部へ・・・
狭い戦車内部はガスで一瞬で1000度以上に加熱されるのだ。
哀れ・・・ロシア軍の戦車兵らは・・・真っ黒な消し炭と・・・
なぜ、わかるかって? それは、戦車が停止して・・・そのまんまだからだよ・・・
普通ならハッチが開いて戦車兵が逃げ出すんだが・・・
逃げ出す暇もなかったのだ。
先頭を驀進していた、モンゴル軍の旗を掲げたソ連軍の軽戦車が4両あまりが停止したようだ。
後続の戦車が動揺したのか・・・次の指示がこないのか・・・オタオタしているようだ。
擲弾筒の恐ろしさを初めて観たからである。
ソ連軍の旧式の戦車は速度が20キロ毎時もでないのだ。
エンジンがショボイからだ。
せめて、日本製のジーゼル・エンジンだったらと悔やまれるが・・・それは無理な話だ。
航空機で数時間で援軍に駆け付ける・・・そして、一瞬で敵戦車を血祭にあげる・・・
今日ほど、満州軍の隊長は日本軍が味方でよかったと思う日はないのである。
「よし、次弾を用意。」「用意できました。」
「目標、残りの戦車。」
「距離280、角度46,5度。」
「角度補正しろよ。」
「補正しました。」
「よし。」
「合図で一斉に投射しろ。」の指示で了解の返事の合図だ。
やっと、そのころ・・・これはヤバイと感ずいたソ連軍戦車隊が撤退を始めた・・・
相手は歩兵だとバカにしていたのだが・・・一瞬で4両の戦車がヤラれたようだ。
戦車から周囲はなかなか見渡せないから、味方がヤラれたのがわかりにくかったようだ。
ソ連軍の戦車は信地旋回ができない。
それで、片方の無限軌道を停めて、片方を廻して旋回するしかない。
残りの8両が撤退しだしたが・・・日本軍は逃がしはしないのだ。
降伏(白旗)ならいざ知らず、撤退(逃亡)なら、当然に追撃なのだ。
空挺部隊乙班の仮の隊長が、「追撃するぞ。」
「距離、補正しろ。」
「距離350、角度45度。」
「逃がすかーーーーっ。」「てぇーーーーーーっ。」
「ポン。」と、擲弾筒から対戦車手榴弾が飛び出した・・・
満州国からの続報だ。
そこは、自国のことだから満州国も必死である。
「敵の戦車は、どうやら我が国の八九式より小型だそうだ。」
「ふむ、なら擲弾筒でヤレますな。」
「そうだな。」仮の隊長の乙班の総代だ。
航空士(海軍の航海士の役だ。)が、航空図を見ながら・・・計算尺で飛行距離を出す。
そして、図面で、「そろそろ、モンモンハンです。」と、操縦している機長へ伝える。
降下係官も兼ねる航空士だ。
天測窓から付近の空を確認する。
ソ連軍の戦闘機の警戒だ。
「よし、付近には戦闘機はいないようだ。」
まだ、航空機用の電波探信儀が開発される前の時代の話だ。
日本軍は零式水上偵察機用に電波探信儀を開発したが・・・高度2000メートルで距離80キロ程度は探知できたぞうだ。
重さ10キロの機器で電波が50メガサイクルのブラウン管式レーダーだったそうだ。
昭和20年だから・・・敗戦の半年前だ、すでにお寿司だった・・・
そういえば、潜水艦探査用の磁気探知機は日本軍が運用していた。
深度100メートルまで探知できるスグレモノだ。
現在のP-3C哨戒機のシッポのやつだ。
米軍は海面のうねりから潜水艦を探知するらしいが・・・動いてればいいが・・・停船してれば感知できないんじゃないかな。
潜水艦に関しては、先の大戦で日本軍は苦労したから・・・対潜水艦機器は日本の軍事技術が他国の追随を許さないと聞いている。
潜水艦が海底に鎮座したら・・・探知できるのは、日本のP-3Cだけだろうと思うのだが・・・
なんせ、戦時中からの磁気探知技術だからね(深度100までだが・・・)。
レーダー技術でも先の大戦で日本軍は泣きをみたのだ。
現在では、レーダーに関しては、他国には負けない自負が日本にはあるそうだ。
日本のF3戦闘機は独自のフェズド・アレイレーダーが機首に収まってる。
魚群探知機でも日本製が世界を席巻している。
なんせ、魚群探知機は日本が初号機を製作したのだ。
歴史が違うのだよ・・・
「おい、あそこに戦車だぞ。」と、係官が降下ハッチを開いてみる。
高度1000メートルだから・・・豆粒クラスの大きさだ。
「何両だ。」「まあ、まて数える。」「12両はいるぞ。」
「ソ連軍か?」「遠くて、わからん。」
「でも、モンゴル軍には戦車はないからな。」 そうなのだ、ソ連軍にきまっている。
たとえ、モンゴル軍の旗だろうが・・・中身はソ連軍(ロシア兵)と見るのが妥当なのだ。
「よし、降下に支障はないぞ。」と、降下係官が判断した。
赤いランプが廻りだした。
天井のレールへ落下傘のフックを掛ける。
何度の繰り返し点検した落下傘装着だ。
絶対に開かないことは無い。
万が一の場合には、もう1個の非常用落下傘が開くのだ。
空挺部隊員は貴重なのだ。
つまらない、誤操作で失くしたくは無いのだ。
背中の擲弾筒が落ちないか、後ろの隊員が前の隊員の取り付けを確認する。
「よし、行けぃ。」と、肩を叩く。
「えぃ。」と、掛け声で空へ舞う。
次々と空挺隊員が降下する。
空に白い落下傘の花が咲くのだ。
「ズキューン。」と、三八歩兵銃が吠える。
「チ~ン。」と、戦車の装甲で弾丸が跳ねる。
「くそっ、どうなってるんだ。」と、焦る満州軍警備隊だ。
満州軍の国境警備隊は武器が三八歩兵銃しかないのだ。
砲兵の運べる野砲が無いから・・・
日本軍から歩兵銃を援助される前は弓矢しか・・・
元寇のモンゴル軍と同じだ。
もちろん、火縄銃はあったが・・・とても、使えるモノではない。(騎馬では、火縄銃は無理なのだ。)
そして、満州軍の国境警備隊にとり戦車は初めての相手だったのだ。
「くそっ、鉄虎めっ。」
「隊長殿、ここは撤退するしか・・・」と、副官が助言だ。
勝てない相手なのだから・・・
「しかし、モンゴル軍が鉄虎なぞ・・・」
戦車にはモンゴル軍の旗だ。
「たぶん、ソ連軍が出てきたんでしょう。」
「この前の仕返しか。」「おそらく。」
「ぐぬぬぬぬっ・・・」と、悔しがる満州警備隊の隊長だ。
「援軍の要請は?」
「すでに、鉄虎発見と同じくして無線で軍司令部へ・・・」
「鉄虎が迫ってきました。」「隊長、指示を・・・」
もうすでに、浮足だっている満州警備隊だ。
満州警備隊の隊長が無念の思いを込めて・・・空を見上げた・・・
その眼に・・・青い空に白い花が次々と咲く・・・
「お、おっ、あれは日本軍の落下傘だ。」
空に小さく見える黒い飛行機から・・・次々と白い花が降りてくるのだ。
「おい、落下傘がきたぞ。」「落下傘だぞ。」
浮足立っていた満州国境警備隊が・・・逃げ腰だった・・・警備隊員が自身の任務を思い出す。
そうだ、オレ達は満州国軍の栄えある国境警備隊なのだ。
「よし、時間稼ぎだ。」「煙幕を張れっ。」
隊長が命令する。
「煙幕弾だ。」「煙幕弾を鉄虎に投げろ。」
次々と命令が伝わり・・・最前線の兵が手榴弾型の煙幕弾を投擲する。
「鉄虎は覗き窓が小さい。」「煙幕は鉄虎の動きを停めるからな。」
つまり、落下傘が降下する時間を稼ぐためだ。
満州軍の隊長は作戦行動や対処法など、それなりに学んでいるのである。
コネやバカでは、国境警備隊の隊長は務まらない・・・
なぜって・・・ソ連軍の脅威が迫ってるからだ。
いまにも、爆発する導火線に火が付いた爆弾なのだ。
数が少ない煙幕弾を・・・ここぞ、と言うところで使うのである。
モンゴル軍の旗で国籍を偽った・・・ソ連軍の戦車兵は、「まて、煙幕を張りゃがったぞ。」
「これでは、前が見えん。」「煙幕が晴れるまで、停止だ。」
戦車の車長が指示する。
戦車は窓がスリットになっていて・・・見通しが最悪なのだ。
装甲に透明な窓は無いからだ。
落下傘部隊が降下するに時間は、かからなかった。
降下した部隊は敵に対処するために集合する。
自然と満州国警備隊も・・・降下部隊の方向へ・・・
まあ、なりゆきだ・・・
「横一列に展開せよ。」と、仮の隊長が指示を出す。
まあ、手信号である。
両手を挙げて・・・左右に開くのだ。
「号令と共に擲弾筒斉射。」との手信号を出す。
横一列に散開した空挺部隊員は背中の擲弾筒を地面に置く。
敵戦車までの距離を三角測量の計算で暗算する。
空挺部隊員はソロバン3級の暗算を全員マスターしてるのだ。
日本ソロバン組合の試合にも参加して、悪くない成績を残している。
「距離300、角度47度。」
「装填用意。」
手に対戦車用の手榴弾を持つ。
「テェーッ。」と、合図だ。
手を離すと筒に手榴弾が・・・そして、筒の底へ当たると・・・
「ポン。」と、空気砲を撃つように・・・手榴弾が上空へ弧を描いて・・・
満州軍警備隊へ迫りつつあるソ連軍戦車の上に羽を上にして・・・墜落していくのだ。
「ドウン・・・」「ドウン・・・」 と、戦車の砲塔や車台の上部で爆発する。
熱爆発した手榴弾は下へ超高温度のガスを噴射するのだ。
その2000度以上に高温度のガスで戦車装甲はドロドロに一瞬で溶けるのだ。
そして、ガスは装甲を溶かして・・・戦車内部へ・・・
狭い戦車内部はガスで一瞬で1000度以上に加熱されるのだ。
哀れ・・・ロシア軍の戦車兵らは・・・真っ黒な消し炭と・・・
なぜ、わかるかって? それは、戦車が停止して・・・そのまんまだからだよ・・・
普通ならハッチが開いて戦車兵が逃げ出すんだが・・・
逃げ出す暇もなかったのだ。
先頭を驀進していた、モンゴル軍の旗を掲げたソ連軍の軽戦車が4両あまりが停止したようだ。
後続の戦車が動揺したのか・・・次の指示がこないのか・・・オタオタしているようだ。
擲弾筒の恐ろしさを初めて観たからである。
ソ連軍の旧式の戦車は速度が20キロ毎時もでないのだ。
エンジンがショボイからだ。
せめて、日本製のジーゼル・エンジンだったらと悔やまれるが・・・それは無理な話だ。
航空機で数時間で援軍に駆け付ける・・・そして、一瞬で敵戦車を血祭にあげる・・・
今日ほど、満州軍の隊長は日本軍が味方でよかったと思う日はないのである。
「よし、次弾を用意。」「用意できました。」
「目標、残りの戦車。」
「距離280、角度46,5度。」
「角度補正しろよ。」
「補正しました。」
「よし。」
「合図で一斉に投射しろ。」の指示で了解の返事の合図だ。
やっと、そのころ・・・これはヤバイと感ずいたソ連軍戦車隊が撤退を始めた・・・
相手は歩兵だとバカにしていたのだが・・・一瞬で4両の戦車がヤラれたようだ。
戦車から周囲はなかなか見渡せないから、味方がヤラれたのがわかりにくかったようだ。
ソ連軍の戦車は信地旋回ができない。
それで、片方の無限軌道を停めて、片方を廻して旋回するしかない。
残りの8両が撤退しだしたが・・・日本軍は逃がしはしないのだ。
降伏(白旗)ならいざ知らず、撤退(逃亡)なら、当然に追撃なのだ。
空挺部隊乙班の仮の隊長が、「追撃するぞ。」
「距離、補正しろ。」
「距離350、角度45度。」
「逃がすかーーーーっ。」「てぇーーーーーーっ。」
「ポン。」と、擲弾筒から対戦車手榴弾が飛び出した・・・
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