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強襲降下部隊、海を渡る。
満州平原で訓練開始だ。
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「諸君。」「訓練生諸君。」と、藤堂少佐が60名ほどの若者を観る。
「諸君は空挺隊員としての初期訓練に耐えた。」
「しかし、相手は熊のソ連軍だ。」
「内地には熊のソ連軍はいない。」
「よって、訓練を兼ねて満州国の平原での訓練を始めたいと思う。」
訓練生に緊張が走る。
相手は熊のソ連軍・・・そう聞いて武者震いである。
「高度1000メートルからの降下訓練だ。」
「なお、命の保証はない。」
「全員、遺書をしたためて係官へ渡すこと。」
「いいな。」
「・・・・」誰も、ハイとは・・・
まさか、それほどまで危険なのかっ!
「イヤなら、退校してもいいが。」「しかし、万が一にも軍事機密を漏らしたら特高だからな。」
特高とは特別高等警察のことだ。
警察の上の機関だ。
スパイや工作員の取り締まり部隊だ。
泣く子も黙る、ドイツ軍SSと同じである。
内地の家庭では、ガキがいうことをきかないと・・・
「警察を呼ぶわよ!」と、母がガキに一言・・・
それも泣き止まないと、「特高警察を呼ぶわよ。」これで、どんなガキ大将でも一瞬で泣き止むのだ。
それほど、内地では恐れられているのである。
まあ、現実はスパイや工作員には手厳しいが一般の国民には姿を見せることは無い。
シナやソ連のコミンテルン派遣工作員にとり・・・恐ろしい存在だが、まっとうなシナ人(正当な許可を得て居住しているシナ人)などには無害な組織なのである。
これは、退校したら特高に附け狙われる可能性も・・・
全員が覚悟をきめて遺書をしたためたとか・・・
もちろん、これは脅しだ。
貴重な訓練生を事故なんかで失いたくない日本軍だ。
熊のソ連軍との戦いが待っているのだ。
日本兵の倍ほどもガタイがある、マジで熊なのだ。
史実でも、ドイツがソ連軍に侵攻されたとき、ドイツ女は幼女から老婆までが全員、犯されたのだ。
それで、現在のドイツ人には熊のソ連軍の血が・・・かなり混入しているとか・・・
日本は外地(満州)から逃げてきた日本女性は孕んでいたら強制堕胎したのである。
それで、日本人の大和民族の血が守られたのだ。
現在のウクライナ内戦で、ロシア軍の蛮行が聞こえるが・・・それは、当時からの伝統なのだ。
ヤツラは奪い犯し、そして廃墟としてしまうのだ。
国際法なぞ、守るロシア兵は皆無なのだ。
ウクライナの悲劇は他人ごとではない。
シナが台湾侵攻なら、現実になるのである。
明日は我が身だ!
満州からソ連軍侵攻で逃げてきた民間人の悲劇が現実になるのである。(昭和20年8月過ぎの話だ。)
ちなみに、関東軍(日本軍の劣悪な軍隊だ。)は民間人を置いて逃げたからね・・・
北海度侵攻をするソ連軍相手に敗戦後、戦った日本軍戦車部隊がある。
真の英雄とは、彼らの事である。
そして、現地に残って勤務した電話交換嬢らの崇高な英雄的行動も忘れてはならない。(全員が自決したのだ、ロシア兵に犯される前にだ。)
ここはあまりに悲劇的でこれ以上、描くことが著者はできないほどなのだ。
やがて、中島飛行機会社でノックダウン製造されたDC-3型輸送機が2機、会社から陸軍へ・・・
晴れて、零式輸送機と命名されたのである。
30名の空挺隊員と降下作業員1名が搭乗することができる。(あとは操縦士2名だ。)
もちろん、スチァーデスなんて搭乗はしない。
なぜなら、ソ連軍の真上を飛ぶ輸送機だからだ。
万が一にも事故で不時着して・・・日本の乙女(スチァーデス)がソ連軍の餌食となってはならないからだ。
そして、武装は輸送機だから無いのである。
DC-3を守るのは、戦闘機である。
もちろん、ソ連軍の戦闘機や対空戦車、ソ連軍の高射砲が相手だ。
「明日、厚木飛行場から満州へ諸君らは飛ぶ。」
「現実の戦場となる満州平原での訓練で戦闘に備えてほしい。」
「まだ、ソ連軍は侵攻してはこないが・・・モンゴル軍の騎馬隊と満州国警備隊は紛争が絶えないときいている。」
「モンゴル軍騎馬隊との戦闘はあるやもしれん。」
「諸君、こころして現地での訓練に励んでほしい。」「以上だ。」
「敬礼。」答礼して陸軍のお偉いさんがお立ち台よりさがった。
「別れ。」と、号令で宿舎へ帰る訓練生らである。
一応、全員へ自由時間は与えてあるようだ。
明日、厚木から満州へ出発だから・・・故郷へ電報を打つくらいだ。
あとは、新人の訓練生らがお見送り会を開いてくれたのだ。
まあ、野郎で宿舎で飲み会だ。
花街へくりだしは厳禁だ。
酔っぱらって、明日の門出にケチをつけてはいけないからだ。
酒は、身を滅ぼしかねないからね・・・
翌日、輸送トラック2台で60名の訓練生が厚木まで出発した。
飛行機から降下するのは・・・初めてなのである。
降下訓練用の鉄塔からの降下は、何度も練習してあるのだが・・・
やはり、飛行機からの降下は緊張するようだ。
体が覚えるまで、落下傘で地上に着地する訓練を繰り返した訓練生だ。
空挺部隊員として落下傘徽章を尽けることを願うのである。
「全員、整列。」「番号。」
「1,2,3・・・・60。」訓練生の総代が、「全員、揃いました。」
「よし、搭乗。」
訓練生らは、落下傘と身の回りの荷物を抱えて・・・暖気運転でペラを廻している零式輸送機のハッチへ急ぐ。
軍の輸送機だから、タラップは簡易のハシゴだ。(ハシゴは機内に収納できる。)
無線が零式輸送機から管制塔に入る。
「訓練生は全員、搭乗しました。」
「よし、離陸を許可する。」「滑走路は3番だ。」「1号機了解。」「2号機了解。」
2機のダクラスDC-3型機は内地の空に別れをつげて・・・遥か、日本海の向こうの満州国を目指す。
訓練とはいえ、モンゴル軍騎馬隊との戦いは避けられないようだ。
88式短機関銃の訓練は万全だろうか・・・
飛行機からの降下は、どうか?
60名もの訓練生を・・・満州娘は対応できるのか!
奉天市の花街の満州娘は何名か・・・著者は把握してはいないのだ。
満州国から陸軍の派遣軍として手当は出るらしいから・・・売春代は払えるとは思うんだが・・・
日本男児として、売春代をケチることはやってはならないのである。
なんなら、指名料に色をつけるくらいは・・・でないと、満州娘にモテないからね・・・
なんせ、内地の1円が満州では20倍なのだ。
日本の芸者を買うより、はるかに安くすむのである。
ここは、ケチらずに・・・日本男児の名誉を守ってほしいのだ。
満州国側は奉天飛行場内に空挺部隊の宿舎を置いてくれていた。
食堂のオバサンも3名ほど雇ってあったのだ。
あとは、通訳と案内係の2名だ。
満州軍は日本軍が戦闘降下部隊を派遣してくれたと・・・思い込んでいたのである。
日本側は、あくまで訓練を十分してから・・・
ところがである・・・
満州国の軍司令から急使が・・・
モンモンハンで国境警備隊がモンゴル騎馬軍団に急襲されて・・・囲まれて、全滅か・・・
との、連絡が入ったのだ。
「これは、どうする。」「訓練が、まだだからなんて言えないぞ。」
「降下はできるんだろ。」「たぶん。」
「短機関銃は使えるか?」「たぶん。」
「よし、降下部隊の30名を出撃させるぞ。」と、藤堂隊長は決断する。
「現場にはソ連軍戦闘機は?」「いえ、モンゴル騎馬隊だけだと・・・」
「なら、零式輸送機1機を出撃させる。」「即、出撃だ。」
「警備隊が全滅してからでは、遅いからな。」と、即断する隊長だ。
宿舎で荷ほどきをしていた60名に内、30名の甲班に出撃命令が出た。
「えっ、落下傘が、まだ・・・」「そんなことは機内でやればいい。」
「甲班、出撃。」「乙班は待機だ。」
「甲班が手に負えないなら、乙班が・・・」
零式輸送機は給油が終わったばかりだった。
暖気運転は十分だからか・・・即、空挺部隊員を乗せて・・・モンモンハン上空へ急ぐ・・・
時速370キロは巡行できるから・・・数時間でモンモンハン上空だ。
地上を観ると・・・騎馬隊に囲まれて・・・真ん中で固まってる満州国警備隊が見える。
まるで、インデアンに囲まれた幌馬車隊のようだ。
ハッチをパカリと開けて・・・降下係官が様子を見る。
降下できそうだ。
高度は700メートルくらい・・・あまり、高度が高いと風に流されかねない。
「よし、これなら行けそうだ。」と、降下係官は判断する。
赤ランプが回転して、降下員全員が落下傘の引きヒモを機内のレールに架ける。
ハッチから降下と同時に落下傘を開くためだ。
1番員がハッチの両脇につかまる。
降下係官が合図の肩たたきだ。
「えいっ。」と、1番員が降下する。
降下係官が落下傘が開いたか確認する。
そして、次の合図だ。
こうして、次ぎ次ぎと降下隊員らはモンゴル騎馬隊の上に降下していったのだ。
もちろん、実弾を装填ずみの短機関銃を抱えてだ。(体から落ちないようにしてある。)
「ヒュ~。」と顔を風が過ぎる。
地面がどんどん近くなる。
グンと軽いショックだ。
落下傘が開いて降下速度が遅くなる。
下を見ると・・・モンゴル騎馬隊が縦横無尽に暴れまわっている・・・
空を観ているヤツなんていない。
零式輸送機の爆音も騎馬隊と警備隊との銃撃音で聞こえてないようだ。
「これは、完全に奇襲ができるぞ。」と、仮の隊長が判断した。
仮の隊長は30名の総代が務めるのだ。
周りの降下隊員へ降下後に各個射撃の合図をだす。
自分も、短機関銃を落下傘で降下しながら着地と同時に撃てるように用意だ。
モンゴル騎馬軍団へ銃弾の制裁を加えるのだ。
「諸君は空挺隊員としての初期訓練に耐えた。」
「しかし、相手は熊のソ連軍だ。」
「内地には熊のソ連軍はいない。」
「よって、訓練を兼ねて満州国の平原での訓練を始めたいと思う。」
訓練生に緊張が走る。
相手は熊のソ連軍・・・そう聞いて武者震いである。
「高度1000メートルからの降下訓練だ。」
「なお、命の保証はない。」
「全員、遺書をしたためて係官へ渡すこと。」
「いいな。」
「・・・・」誰も、ハイとは・・・
まさか、それほどまで危険なのかっ!
「イヤなら、退校してもいいが。」「しかし、万が一にも軍事機密を漏らしたら特高だからな。」
特高とは特別高等警察のことだ。
警察の上の機関だ。
スパイや工作員の取り締まり部隊だ。
泣く子も黙る、ドイツ軍SSと同じである。
内地の家庭では、ガキがいうことをきかないと・・・
「警察を呼ぶわよ!」と、母がガキに一言・・・
それも泣き止まないと、「特高警察を呼ぶわよ。」これで、どんなガキ大将でも一瞬で泣き止むのだ。
それほど、内地では恐れられているのである。
まあ、現実はスパイや工作員には手厳しいが一般の国民には姿を見せることは無い。
シナやソ連のコミンテルン派遣工作員にとり・・・恐ろしい存在だが、まっとうなシナ人(正当な許可を得て居住しているシナ人)などには無害な組織なのである。
これは、退校したら特高に附け狙われる可能性も・・・
全員が覚悟をきめて遺書をしたためたとか・・・
もちろん、これは脅しだ。
貴重な訓練生を事故なんかで失いたくない日本軍だ。
熊のソ連軍との戦いが待っているのだ。
日本兵の倍ほどもガタイがある、マジで熊なのだ。
史実でも、ドイツがソ連軍に侵攻されたとき、ドイツ女は幼女から老婆までが全員、犯されたのだ。
それで、現在のドイツ人には熊のソ連軍の血が・・・かなり混入しているとか・・・
日本は外地(満州)から逃げてきた日本女性は孕んでいたら強制堕胎したのである。
それで、日本人の大和民族の血が守られたのだ。
現在のウクライナ内戦で、ロシア軍の蛮行が聞こえるが・・・それは、当時からの伝統なのだ。
ヤツラは奪い犯し、そして廃墟としてしまうのだ。
国際法なぞ、守るロシア兵は皆無なのだ。
ウクライナの悲劇は他人ごとではない。
シナが台湾侵攻なら、現実になるのである。
明日は我が身だ!
満州からソ連軍侵攻で逃げてきた民間人の悲劇が現実になるのである。(昭和20年8月過ぎの話だ。)
ちなみに、関東軍(日本軍の劣悪な軍隊だ。)は民間人を置いて逃げたからね・・・
北海度侵攻をするソ連軍相手に敗戦後、戦った日本軍戦車部隊がある。
真の英雄とは、彼らの事である。
そして、現地に残って勤務した電話交換嬢らの崇高な英雄的行動も忘れてはならない。(全員が自決したのだ、ロシア兵に犯される前にだ。)
ここはあまりに悲劇的でこれ以上、描くことが著者はできないほどなのだ。
やがて、中島飛行機会社でノックダウン製造されたDC-3型輸送機が2機、会社から陸軍へ・・・
晴れて、零式輸送機と命名されたのである。
30名の空挺隊員と降下作業員1名が搭乗することができる。(あとは操縦士2名だ。)
もちろん、スチァーデスなんて搭乗はしない。
なぜなら、ソ連軍の真上を飛ぶ輸送機だからだ。
万が一にも事故で不時着して・・・日本の乙女(スチァーデス)がソ連軍の餌食となってはならないからだ。
そして、武装は輸送機だから無いのである。
DC-3を守るのは、戦闘機である。
もちろん、ソ連軍の戦闘機や対空戦車、ソ連軍の高射砲が相手だ。
「明日、厚木飛行場から満州へ諸君らは飛ぶ。」
「現実の戦場となる満州平原での訓練で戦闘に備えてほしい。」
「まだ、ソ連軍は侵攻してはこないが・・・モンゴル軍の騎馬隊と満州国警備隊は紛争が絶えないときいている。」
「モンゴル軍騎馬隊との戦闘はあるやもしれん。」
「諸君、こころして現地での訓練に励んでほしい。」「以上だ。」
「敬礼。」答礼して陸軍のお偉いさんがお立ち台よりさがった。
「別れ。」と、号令で宿舎へ帰る訓練生らである。
一応、全員へ自由時間は与えてあるようだ。
明日、厚木から満州へ出発だから・・・故郷へ電報を打つくらいだ。
あとは、新人の訓練生らがお見送り会を開いてくれたのだ。
まあ、野郎で宿舎で飲み会だ。
花街へくりだしは厳禁だ。
酔っぱらって、明日の門出にケチをつけてはいけないからだ。
酒は、身を滅ぼしかねないからね・・・
翌日、輸送トラック2台で60名の訓練生が厚木まで出発した。
飛行機から降下するのは・・・初めてなのである。
降下訓練用の鉄塔からの降下は、何度も練習してあるのだが・・・
やはり、飛行機からの降下は緊張するようだ。
体が覚えるまで、落下傘で地上に着地する訓練を繰り返した訓練生だ。
空挺部隊員として落下傘徽章を尽けることを願うのである。
「全員、整列。」「番号。」
「1,2,3・・・・60。」訓練生の総代が、「全員、揃いました。」
「よし、搭乗。」
訓練生らは、落下傘と身の回りの荷物を抱えて・・・暖気運転でペラを廻している零式輸送機のハッチへ急ぐ。
軍の輸送機だから、タラップは簡易のハシゴだ。(ハシゴは機内に収納できる。)
無線が零式輸送機から管制塔に入る。
「訓練生は全員、搭乗しました。」
「よし、離陸を許可する。」「滑走路は3番だ。」「1号機了解。」「2号機了解。」
2機のダクラスDC-3型機は内地の空に別れをつげて・・・遥か、日本海の向こうの満州国を目指す。
訓練とはいえ、モンゴル軍騎馬隊との戦いは避けられないようだ。
88式短機関銃の訓練は万全だろうか・・・
飛行機からの降下は、どうか?
60名もの訓練生を・・・満州娘は対応できるのか!
奉天市の花街の満州娘は何名か・・・著者は把握してはいないのだ。
満州国から陸軍の派遣軍として手当は出るらしいから・・・売春代は払えるとは思うんだが・・・
日本男児として、売春代をケチることはやってはならないのである。
なんなら、指名料に色をつけるくらいは・・・でないと、満州娘にモテないからね・・・
なんせ、内地の1円が満州では20倍なのだ。
日本の芸者を買うより、はるかに安くすむのである。
ここは、ケチらずに・・・日本男児の名誉を守ってほしいのだ。
満州国側は奉天飛行場内に空挺部隊の宿舎を置いてくれていた。
食堂のオバサンも3名ほど雇ってあったのだ。
あとは、通訳と案内係の2名だ。
満州軍は日本軍が戦闘降下部隊を派遣してくれたと・・・思い込んでいたのである。
日本側は、あくまで訓練を十分してから・・・
ところがである・・・
満州国の軍司令から急使が・・・
モンモンハンで国境警備隊がモンゴル騎馬軍団に急襲されて・・・囲まれて、全滅か・・・
との、連絡が入ったのだ。
「これは、どうする。」「訓練が、まだだからなんて言えないぞ。」
「降下はできるんだろ。」「たぶん。」
「短機関銃は使えるか?」「たぶん。」
「よし、降下部隊の30名を出撃させるぞ。」と、藤堂隊長は決断する。
「現場にはソ連軍戦闘機は?」「いえ、モンゴル騎馬隊だけだと・・・」
「なら、零式輸送機1機を出撃させる。」「即、出撃だ。」
「警備隊が全滅してからでは、遅いからな。」と、即断する隊長だ。
宿舎で荷ほどきをしていた60名に内、30名の甲班に出撃命令が出た。
「えっ、落下傘が、まだ・・・」「そんなことは機内でやればいい。」
「甲班、出撃。」「乙班は待機だ。」
「甲班が手に負えないなら、乙班が・・・」
零式輸送機は給油が終わったばかりだった。
暖気運転は十分だからか・・・即、空挺部隊員を乗せて・・・モンモンハン上空へ急ぐ・・・
時速370キロは巡行できるから・・・数時間でモンモンハン上空だ。
地上を観ると・・・騎馬隊に囲まれて・・・真ん中で固まってる満州国警備隊が見える。
まるで、インデアンに囲まれた幌馬車隊のようだ。
ハッチをパカリと開けて・・・降下係官が様子を見る。
降下できそうだ。
高度は700メートルくらい・・・あまり、高度が高いと風に流されかねない。
「よし、これなら行けそうだ。」と、降下係官は判断する。
赤ランプが回転して、降下員全員が落下傘の引きヒモを機内のレールに架ける。
ハッチから降下と同時に落下傘を開くためだ。
1番員がハッチの両脇につかまる。
降下係官が合図の肩たたきだ。
「えいっ。」と、1番員が降下する。
降下係官が落下傘が開いたか確認する。
そして、次の合図だ。
こうして、次ぎ次ぎと降下隊員らはモンゴル騎馬隊の上に降下していったのだ。
もちろん、実弾を装填ずみの短機関銃を抱えてだ。(体から落ちないようにしてある。)
「ヒュ~。」と顔を風が過ぎる。
地面がどんどん近くなる。
グンと軽いショックだ。
落下傘が開いて降下速度が遅くなる。
下を見ると・・・モンゴル騎馬隊が縦横無尽に暴れまわっている・・・
空を観ているヤツなんていない。
零式輸送機の爆音も騎馬隊と警備隊との銃撃音で聞こえてないようだ。
「これは、完全に奇襲ができるぞ。」と、仮の隊長が判断した。
仮の隊長は30名の総代が務めるのだ。
周りの降下隊員へ降下後に各個射撃の合図をだす。
自分も、短機関銃を落下傘で降下しながら着地と同時に撃てるように用意だ。
モンゴル騎馬軍団へ銃弾の制裁を加えるのだ。
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