異世界とは他の星系ですか

リンダとシルビア

リンダ、タワーマンションに移住す

　リンダはタワーマンションに移住した。　以前は五角大陸の湖の島で生活していた。　３０階のワンルームがリンダの部屋だ。　８ＬＤＫだ。　最上階はビュフエと露天フロがある。　お風呂、お風呂、なんなの。　以前は体を水で拭く程度だった。　王侯貴族でもお風呂はなかった。　リンダは島の王女ではない。　シルビアもだ。　王女も王様も病気に感染して亡くなった。　次々にキツネが倒れるので伝え聞いたニホンジンをさがして旅にでたのだ。　まあ一応、裕福な貴族の娘だ。　配下は航海の途中で亡くなる。　海流の加減で三角大陸に流れついたのは偶然の幸運であった。　ユミスケは姫ではないが、それなりの暮らしを約束してくれた。　シルビア姉さんは別の棟のマンション住まいだ。　シルビアのことを許せとユミスケは言うが、許せない、許せるはずがないのだ。　だから姉妹の縁は切った。　しかし互いにユミスケの妻だ。　距離を置く関係になった。　現在は、ユミスケの子を孕んでいる。　なぜか、それはシルビア姉さんが孕んでいたからだ。　負けるものか。　たくさん産んでやるのだ。　あたいのマンションには五角大陸の島の仲間が１棟あたり２４０人暮らしている。　計１０棟のタワーマンションだ。　このマンション１０棟のトップが、あたいだ。　　島に戻るかといわれて、ＮＯと言ったあたいだ。　このマンションで生活したら、とても厳しい島の生活なんて戻れない。　貴族の娘の、あたいが言うのだ。　普通の身分のキツネでは考えられない生活だ。　それが、全員に保障されているのだ。　これほどの恩は返そうにも返せない。　そうだ、子を産むしかない。　出来るだけ、たくさん子を産んで恩を返すのだ。・・・・・・　クシャミが止まらないユミスケだ。　このシッポのないキツネ耳はニホンジンとの間にできた子は、耳が横の普通のニホンジンの娘となった。　まあ見た目ではモロ、ニホンジンだ。　見分けなどつかないからややこしいが。　生まれたのはすべて娘だった。　原因はわからないが、ドラゴンの脅威が全くない環境だからシッポがじゃまでなくなった。　シッポは予知能力に関係するから、要らなかったと思われた。　五角大陸は三角や四角と遠く離れていたのでドラゴンが生息していない。　とりあえず、病気の原因は潰したから干渉しないことに決定した。　今回はアリスが全く登場しない、希少な回となった。