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55歳の再婚12尾キツネ
あたしも、まんざらではないわさ。
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あたしは、12尾キツネだ。 年齢は55歳で、12尾では最高齢だわさ。 ダンナはかなり以前にドラゴンに食われた、もう顔も覚えていない。 子もいない。 このまま、死んでいくのか、とあきらめていた。 でも神はいた。 メリル様がニホンジンの来訪を予測したのだ。 メリル様の予測は本当になる。 ハズレは無いのだわさ。・・・・・・ 今日も崖にキノコを採りにいく。 それ以外、食糧はないのだ。 ドラゴンが唯一こない崖だ。 その崖のおかげで12尾キツネは細々と生きてきた。 キノコだから栄養など少ない。 みな痩せて、ガリガリ君だ。 それで、命をかけて狩に出かけるが、まず帰らない。 ドラゴンがそれを狙っているらしい。 だからオトコキツネはほとんど食われた。 もう15人ほどしか残っていない。 崖のキノコ採りも命がけだ。 落ちてゆく仲間をどれだけ見たことか。 洞窟の暮らしはヒモジイのだ。 伝説のニホンジン、ドラゴンを一撃で仕留める。 オトコの中のオトコだ。 あこがれだ。 何も言わずにニホンジンはドラゴンを殺しまくった。 その間、ドラゴンは12尾キツネを食えなかった。 ニホンジンが仕留めたドラゴンは3万とも5万とも言われた。 12尾の誰もが一度も倒せなかったドラゴンをニホンジンは一人で殲滅したのだ。 ニホンジンがいなくなり、また悲惨な生活に戻った。 これは、祖母から聞いた話だ。 あのころは、よかったという、祖母の記憶は忘れない。 十分な食い物、きれいな衣服など、洞穴の暮らしとは月とスッポン以上だ。 ・・・・ニホンジンがやっと来た。ニホンジンは約束どうり養ってくれた。 今、私は、タワーマンションの29階にワンルームで暮らしている。 夢でも考えられなかった、暮らしだ。 つい数ケ月まえまで崖のキノコを採るのに必死であった。 いまは、30階の展望ビュフェでサイコロステーキを優雅につまんでいる。 ニホンジンは55歳の私の面倒を見てくれた。 毛皮のみすぼらしい服は優雅なロングドレスに換わった。 メリル様は、ここから見えるお城住まいだ。 すごいお城だ。 30階のこのタワーマンションと同じ高さのお城だ。 それが、すべてニホンジンの、12尾キツネに対しての養うことの答えらしい。 なんとも想像できない。 この恩をどう返すか、メリル様はニホンジンの子を産むことで返すらしい。 12尾キツネのオンナはそれが義務となった。 ・・・・・・・ 何年か後、眼のクロい、髪がクロい娘の8尾キツネが6人で車イスを押してタワーマンションを出る。(55歳は6人のユミスケの子を産んだ。) 降下船までユミスケ訪問だ。 自動運転の車で着いた。 車イスのオバサンキツネにユミスケが抱きつきチューをする。 デープキッスだ舌をからめて長い、まだ終わらない。 娘6人が次ぎの自分のチューを待ってるのに終わらない。 オバサンキツネはユミスケ妻の最高齢だ。 だからユミスケも大事にするのだ。 オバサンキツネは遺言をユミスケに渡した。 同じ墓に入りたい、それをユミスケは確約する。 これで、20回目だ。 でもそのたびにユミスケはデープなチューをして確約するのだ。 アリスは何もいわない。 いや言えないのだ。 55歳だった12尾キツネを愛して、後悔のないユミスケだった。
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