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白キツネ、アリス

いけにえの物語

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 四角大陸には、キツネ国と白キツネ国があった。 これは、白キツネ国のとある娘の物語だ。 ワラワの名はアリス。  白キツネ国の第11王女だ。 一応王女だが、身分が高いだけで、その辺の娘と変わらない。 今年で14歳だ。 キツネはたくさん子を産む。 ワラワも11番目の子じゃ。 すべて娘じゃ。 そう産んでいるのじゃ。 ドラゴンの いけにえ だからじゃ。 ドラゴンはやわらかい娘を好むのじゃ、そうお告げがあったのじゃ。 男と娘と並びいけにえとなると、必ずやわらかい娘から食べられるのじゃ。 男はぞんざいに食われて、ペッペッと骨がはきだされるのじゃ。 娘はやらかいから骨まで食われる。 で、白キツネは娘を産んでドラゴンに食わせて生きてきたのだ。 しかし救いがきた、ニホンジンと名乗る無頼漢がドラゴンを殺しに来たのじゃ。 もう白キツネは神様が現れたと拝んだのじゃ。 しかしニホンジンは迎えがきて帰ってしまったのじゃ。 もう救いはないのじゃ。 ああ、どうすればいいか、それからかなりのときがながれたじゃ。 わたしは、14歳じゃ。 ドラゴンが好む肉のやわらかさじゃ。 いやじゃ。 救いはないのかじゃ。 わらわは、は生まれつきオーラがあるのじゃ。  わらわをたすけるオトコを呼ぶオーラをはなつのじゃ。 もう3日も祈っているのじゃ。 精神が折れそうじゃ。 はやくあらわれてくれじゃ。 とうとう運ばれてしまったじゃ。 ドラゴンの壁じゃ。 ここでいけにえが食われるのじゃ。 ああ、シッポの骨が散乱している、服の切れ端も、もうだめじゃ。 最期に祈るのじゃ。 ニホンジンこい、こい、こい、じゃ。 こい、こい、こい、こい、じゃ。 替わりのニホンジンをよこすのじゃ。 いますぐにじゃ。 ドラゴンの吼える声がするじゃ。 もうだめじゃ。 そのとたんドラゴンがミンチに爆散した。 白キツネは確信した、祈りは聞きとどけられた、と。 しかしわらわは戻れない、そうきまっているのじゃ。 葬式から別離まで終わっている。 いまさら帰れない。 どうすればいいか、そうだ、ニホンジンはヒトがいいのだ。 わらわの面倒を見てもらおう。 とくに処女には眼がないと伝説で聞いている。 (なんとも虫がいい話だが) わらわは、まだ新品なのじゃ。 (オレスの名誉のため、この伝説は誤報である、ユミスケを除く) 不思議な大きな機械の中にニホンジンはいた。 好きそうな顔だ、落とせる、ワラワに夢中だ。 これは、イケるのじゃ。 やはり処女が好きなのは本当だったのじゃ。 いままで守っていてよかったのじゃ。 ニホンジンは、わらわの物じゃ。 どれだけ妻がいようが、ワラワだけだと言わせてみせるのじゃ・・・・・・・・・・・ (後ほど)、わらわで、妻が256人目だと、一番の妻がアリスだからエリスになれじゃと、呪ってやる。 わらわしか見えないように、してやる。 ワラワのオーラはハンパでないのじゃ。 すぐに、おなかにニホンジンの子を宿せた。 産んでやる、たくさんだ。 数で勝つのじゃ。 20人は産んでやる。 そしてワラワの勝ちじゃ。    
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