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俺の役割

最近の行動

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 最近、ドラゴンの話も出なくなった。 キツネ耳たちエンライン国は、物忘れが激しいのか。 つい半年ほど前までドラゴンの話がちまたにあふれていた。 かっては、1日で200名近いキツネが食われていたのだ。 木の板に名前だけの葬儀だった。 食われて遺体がないからだ。 写真など、ないから顔もいつか忘れてしまう。 お金持ちなら絵書きに大枚をはたいて描いてもらえるが。 しかし今は、食われるキツネがいなくなった。 ユミスケの役目は終わりなのか。 アリスはなにも言わない。 キララなんか大きくなったおなかを大事そうにかかえて見せびらかしにくる。 すこしガニ股だ。 しかし大きいおなかだ。 アリスは、試験管ベイビーだから。 コマリはどうだったかな。 まあオレの頭の中の記憶だから、わすれやすいが。 しかしキララが態度が変わったときは驚いた。 なにネコだったの。 ネコの皮をかぶっていたの。 これで生まれたらキララの態度がどうなるか、心配だ。 なぜか、キララの態度がでかいのだ。 もう女王様気取りだ。 朝、アリスが皆のまえで今日の予定をいうときも、あっち向いてホイだ。 ニタニタ笑ってオレを眺めるし。 いつもキララは視線がオレから離れないのだ。 そうイケメンでもないし、変態のロリなのに、どうしたのだろう。 まあいいか。   しばらくして、またアリスが腰巾着を連れてお出かけだ。 エミリーや双子もそうだ。 ライリは、定番の巡視だ。 コマリがヒロキと遊んでいる。 ユコマは学校だ。 キララがオレのところにきた。 「あなた、(最近はあなたと呼ぶ)今日は、空いてますか。」と聞く「ハイ空いてますが。」と答えた。 そうじゃ、着いてきて と手招きだ。 しかたがないからホイホイついていった。  キララ邸に入る、地下室へ入る。 あれ地下室なんかあったかな。 まあいいか、とついていった。 トビラがドウンと閉まる。 すごい音だ。 厚いトビラだ。 地下室は、なにもない。 キララが振り向いた。 そしてすごいことをいう。「いっしょに死んでください。」「え、どうして。」 キララがオレに抱きついた、そして「もう我慢の限界です、あたしは、アリスパソコンのアリスの情報が入る前の情報です。」「アリス情報に対抗するため、あなたの情報が欲しい。」「あなたがあたしと結合すれば、勝てる。」「え、まあよく考えて。」なだめるが、無駄だった。 「アリスパソコンは情報の無限の集合体です、あたしは、その情報の初代です。」 「あたしは、星間研究所の研究員でした。 事故で亡くなる時、脳の情報をすべて取り込んだのです。」 「あたしは、研究所でも一番腐っていました。」 「だからユミスケと合うんです。」「アリスと同じか。」 「おなかの子をどうすんだ。」「あら、これフェイクですよ。」 「え、中はなに。」 「単なる詰め物です。」 まんまと騙された、アリス達とオレだ。 キララが口移しで何か飲ませた。 気が遠くなる。 とうとう年貢の納め時か、さよならアリス。 オレはパソコンに取り込まれた。 
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