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新、討伐隊
Bの仇をとる
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連装砲の操作も板についてきた。 オトリ役も足が速くなった。 オトリ役とは、ドラゴンから逃げて大砲の前にドラゴンを誘う役だ。 大砲操作とべつに訓練している。 足が速くないと食われるから、靴もオレの知識からランニングシューズを造りはかせた。 身軽な服装だ、半分ハダカだ。 パンツとランニングのみだ。 はでな色だが。 オトリはおそらく100メートルを5から6秒で走る。 でないとドラゴンに追いつかれる。 ドラゴンは平均40キロ以上で走る。 大砲の前まで逃げる、大砲の点火係りが点火と同時に赤い旗を振る。同時にオトリは地面に伏せる。ドラゴンが食いつこうと口を開けてオトリに、と同時にタマがドラゴンの腹あたりに炸裂する。 これが失敗するとオトリが食われている間に次弾が点火される。 オトリは食われるがドラゴンは討伐できる。 オトリも必死だが、代わりはいない。 馬や牛では、大砲まで逃げてこない。 泡を吹いて固まってしまい。食われるだけだ。 キツネ耳にとりドラゴンに食われることは珍しいことではない。 死んでしまうが、なんとも出来ないから簡単な葬儀のみだ。死体が無いから名を木簡に刻むのみであった。 それが変わった。 石の碑に名を刻まれるキツネ耳がでた。 名が永遠に残る、それがキツネ耳に与えた衝撃は大きかった。 ドラゴンに対抗して食われたキツネ耳のみ名を刻んだ。 それでオトリ役と討伐部隊の募集には困らない。 ひどい話だが、毎日200人近くのキツネ耳がエサになっているのだ。 日露戦争の203高地の戦いと同じだ。 乃木将軍の采配をいうやからは、203高地に行ってみるとわかる。 あの時代、ミサイルも戦車も急降下爆撃機もない、時代だ。 よくロシアから勝ち取ったと思う。 相手は機関銃で、カモ撃ちのごとく日本兵を殺していった。 はるか上からだ。 身を隠すところもない斜面だ。 突撃を命ずる乃木将軍の心はいかばかりか。 乃木将軍は自身の息子二人を日露戦争でなくしている。 自身の息子のみ助けるわけにはいかない。 自身の保身に走る特亜○国のやからとは違う、だから兵も命などなんとも思わない。 強力で無敵日本軍はそうして出来た。 指揮官が身を捨てると、配下も違ってくるのだ。 また話しがソレたが、オレの周りのキツネ耳が違ってきた。 以前の捨て駒のキツネではない。 朝、朝食後、隊旗を掲げて死んだキツネ耳の碑の前でオレを筆頭に全員、整列し碑に向かって礼をする、ドラゴン討伐の思いを忘れないためだ。 それから新しく入った隊員の訓練だ。 教えるのは先輩隊員だ。 昼になる 食事だ。 これが大切だ、うまいメシが出る軍隊は強い、いや つおい。 うまいメシはヤル気がでる。 今までキツネ耳達は、食事はマメとか野菜を煮たのとか木の実か果物か牛の乳くらいであった。 ハッキリ言って飽きるし、不味いし、肉が少ない。 鶏がいないのだ。 ブタがいないのだ。 牛はいるが。 だから討伐したドラゴンを食うこととした。 かしわ肉に似て、から揚げにするとファミ○キ位うまい。 午後、討伐の出発だ。 Aチーム、Cチーム、Dチーム、Eチームとした。Bは永久欠番だ。 夕方までドラゴン狩だが、狩れば帰ってくる。 無理はさせない。 オレはヒエンで上空で事故などに備えて待機している。 複数のドラゴン相手はやはり警戒が必要だ。 ん、レーダーに複数の点が。 点の動きが変則だ。 なんか怪しい。 オレはその怪しい点の上空へ急いだ。 ドラゴンと さらに大きいドラゴンだ。 ミサイルの用意をヒエンにいう。 ヒエンのマスターパソコンがすでに準備オーケーと返答した。 二頭いる、まさかBチームを食ったやつか。 オレはエリンゲを探した。 エリンゲのAチームの上でスピーカーで言った。 あいつがいる。 やれるか。 と あいつでエリンゲは察したらしく、方向を聞く動作をする、ヒエンの翼を振り、馬の速度にあわせてホバーモードで進んだ。 前方一キロでAチームはドラゴンを発見。 オトリがおびき寄せるまでもなくドラゴンが吠えてAチームに向かってくる。 エリンゲ達は大砲を向ける、連射砲だから二人横に並び連射のかまえをする。 オレは手をださないこととした。 これは、賭けだ。 エリンゲ達が食われるか、ドラゴンが倒れるか。 キツネ耳が仲間の仇がとれるのか、それとも負け犬で終わるのか。 あと100メートル、80メートル、あと50メートル ドラゴン二頭がせまる。 一頭を倒しても連射が遅いと一頭に食われる。 オレの考案した連射砲、砲身が50センチ長くなり、砲身が長いと弾道が安定し命中率があがる、 同時に炸薬も改良版がつめてある。 オレも遊んでばかりいたわけではない。 日々これ改良である。 大砲を撃った、ドラゴンがもんどりうって倒れる、次弾は。 と心配するまでもなく撃った。 ドラゴンの後ろから迫っていた、でかドラゴンが首がもげて二つのカタマリとなり転がった。 終わった。 放心したようにAチームは動かなかった。 オレはヒエンをVTOLして降りた。 エリンゲの手を握り言った。 エリンゲは突然泣き出した。キツネ鳴きだ。 あとの隊員も泣きだした。 エリンゲが叫ぶ、トマスお前たちの仇は取った。
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