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勝手に助ける

住民はエサ

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 ヒトとドラゴンとの境界のパトロールをやりだして10日あまり過ぎた。 倒したドラゴンは300匹を超えた。 助けたキツネ耳は三桁以上とおもう、なんせ確認したわけではない。 とりあえず現認したキツネ耳の数だ。 オレがいなければ数百人のキツネ耳がドラゴンの餌であったのだ。 キツネ耳たちはドラゴンに何か対処していたのだろうか。 アリスにはキツネ耳のクララは感謝していた。 クララの両親もだ。 ということはキツネ耳達は食われるのはいやなのだろう。 当然だ。 では、なにかドラゴン相手にお城の兵が動いたか、と聞けばそんな場面を見たことが、ここ10日には無い。 何かお城の為政者は対ドラゴンに動いているのか。 確かめたくなった。 アリスに相談だ、困ったときのアリス様だ。 「衛星からの映像を解析してみたら。」との回答だ。
どうするの、つまり周回衛星からお城を観察して動きを観たらということ。 アリスは 地図を広げた、あの無双の地図だ。 タブレットみたいにやっていた、「 ここ数ヶ月のお城映像よ、早送りで観てよ。」 受け取った、観た、軍隊が訓練したり馬車が出入りしたり、しているだけだ。 とてもドラゴン討伐部隊の出入りは無い。 どうしているのか確認したくなった、アリスに夜間お城にもぐりこんで、為政者らしき者に聞いてもいいか相談した。 アリスは周回衛星に連絡し返事を10分ほど待っていたが、「正式許可でました、この星の為政者に干渉していいそうよ。」 まあなんともめんどくさい話だ。  夜、ヒエンでお城まで飛んだ。ホーバーモードでバルコニーの横にヒエンを固定した。 アリスとお城に降り立った。 入る、だれも居ない。 トビラを開ける、カギは掛かっていない。 廊下にでた、暗い、アリスが懐中電灯をくれた。 単なるLEDの日本製だった。 パナソニックの単三のやつだ。 パラライザーをかまえて進む。 普通守衛など居るとおもうが、だれもいない。 いいかげんなキツネ耳の城だ。 すこし行くと豪華なトビラがあった。 裏からカンヌキが掛かっていた。こんなもの簡単だ、トビラの間にナイフを入れてカンヌキをはずした。 部屋に入る、ベットに誰か寝ている。 LEDライトの明かりで寝ている誰かがおきた。 オレはヘッドセットからしゃべった。「さわぐな、さわぐと殺す。」 定番の悪人言葉だ。 ナイフをLEDライトで光らせた。 「わかった、殺さないでくれ。」 定番の反応であった。 「オレはユミスケという、なぜお城の兵隊がドラゴンを討伐しないのか。」 「兵隊はここを守るためのもの、ドラゴンはわれらに討伐は無理だ。」定番の回答であった。 「しかし何かしているだろう。」と聞く相手は「まあドラゴンとの境界近くに、エサの住民を住まわせてドラゴンがここまで入ってこないようにするのがせいいっぱいだ。」 「「なんだ、それは、酷い話だ、救いは無いのか。」というと。 「それはわかるが、昔からヒトはドラゴンには勝ったことは無い。食われるだけだ。だから低層のヒトを境界あたりに住まわせてエサとして食われ、あとの者が生きながらえてきたのだ。」 なにそれ北の将軍様以上の統治だ。 オレを変態扱いしたキツネ耳は、そのエサとしての自分がわかっていたのか。 まあ階級社会が悪いとは思わないが、ヒトがエサの世界がゆるせない、なぜならオレはヒトであるからだ。 「わかった、ではオレが住民を勝手に助けて、ドラゴンを討伐するのは勝手だ、わかったな、逆らうと、その首チョン切るぞ。」 オレは為政者を脅した。「わかったエンラインの名の元、ドラゴン討伐を許そう。」 「では、オレは戻る、寝ているところを邪魔したな。」 悪人ズラで戻った。 戻る途中お城が騒ぎになるかと思ったが静かなものであった。  
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