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満州国の米軍。

一番、近場で・・・

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 「戦車は問題ないのだが・・」と、会議は続く。 「独逸帝国のヤツと互角ではなかったか。」「そうですね、戦車の性能ではですね。」と、役員幹部だ。 「まあ、戦車戦は独逸帝国に地の利がありますからね。」 言い訳にしか聞こえないのだが・・・ まあ、ロンメロ軍団のお情けで、勝敗は決まらなかったのだが・・・ 「あれは、どう見ても・・」「やはり、実戦しか無いですな。」と、陸軍幹部だ。 「しかし、今回の戦車大会でも、かなりの予算が・・」 いくら、独逸帝国が補助するといっても、こちらも国家としての威信もある。 そう、ホイホイともらうことはできないのだ。 「訓練で、独逸帝国までは・・・」と、庶務が苦言だ。 博多紛争で、陸軍の予算が増えたといっても知れているのだ。 海外遠征は・・・ それに、陸軍幹部は海軍へ毎回、空母をレンタルせねばならない。 これが、イヤなのだ。 だいたい、軍の幹部は頭が高いのである。 それで、近場となる。 「そうだ、満州国があるではないか。」と、誰かが。「そうだ、米軍がいるじゃないか。」とも、誰かが。 「シナとドンパチやってるから、そこへ加えてもらえば・・」 「待ってくれ、それは国際法上、不味いんでは。」「満州国は、どうかは知りませんが、わが国は法治国家ですよ。」と、あたりまえの話がでる。 「では、満州国の米軍と訓練はどうですかな。」「それなら、問題はないかと。」「満州までなら、陸軍の揚陸船で、なんとかできそうだしな。」 軍、同士のいがみ合いは、どこの国もあるものだ。 ちなみに、揚陸船とは、戦車搬送の船のことだ。 いちいち、海軍からレンタルは、と陸軍がゴリ押しして調達したフネである。 以前は、亜細亜型戦車の輸出に使われたヤツだ。 まあ、民間船である。 武装なんか無い。 船体も装甲なんて無いのだ。 外観も自動車運搬船と同じだ。 あの、坂道がついたヤツである。 港に揚陸設備がなくても陸揚げができるのだ。 それで、未開の島にも戦車が搬送できるのだ。 民間船との違いは、艦尾に陸軍旗が掲げられてることだけである。 日本の最終防衛ラインの戦車は対シナへの九州軍団の300両、そして本州の富士学校に100両、北の守りに100両の500両の戦車である。 揚陸船には50両がギリである。 「そうだな、対シナの九州軍団の訓練だな。」「では、50両づつですね。」「あ、あ、そうだな、半年あれば、周回できるな。」 「まさか。」「そうさ、月1回だな。」 これは、九州の防人戦車隊も・・・ しかし、幹部連中はしらないのだ。 トヨス製の米軍戦車をだ。 まさか、エスプレッソが飲めるとは・・・ 日本の戦車は隊員が自前の水筒なのだ。 かたや、最高のお豆のエスプレだ。 かたや、自宅の番茶の水筒だ。 米軍の真の怖さを知らない、陸軍幹部だった。
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