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エンジンで車台を造るのだ。
デーハツ戦車の改造。
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「では、この寸法でエンジンルームを作り直してください。」 「えっ。」と、驚愕する技師らだ。 車台の改造は、まじで大変なのだ。 車台の力学健さんのやり直しからである。 高速演算機が唸る。 電算室が暑くなるから、冷房がフル回転だ。 それでも、まだ暑い。 電子機器は考えると熱が出る。 そう、パソコンと同じである。 ニンテンドースイッチも熱で壊れる個体が多いとか・・・ そして、デーハツの創設当時の職人が集められた。 1点モノの戦車を造るためである。 ラインへ載せない戦車である。 ガンダム初号機と同じだ。 まあ、この戦車は1両で終わりなのだが・・・ 職人のひとりが、高速デーゼルエンジンを観て、「いいエンジンだな、美しい。」と感動である。 職人は職人を知るのである。 技の勝負なのだ。 「ギアは11段か。」 そう、このエンジンは11段変速なのだ。 「しかし、これでは多すぎるな。」 「なんせ、鉄道用だからな。」 「すこし、変えるか。」と、顔がニャリである。 そして、前進が4段で、後進も4段の変速機となったのだ。 戦車は後進が大切なのである。 敵の砲撃を回避するには、急速な後退も必要なのだ。 我が国のヒトマルは後進速度も前進と同じである。 デーハツ戦車をエンジンルーム改造で、難なく高速デーゼルが収まった。 車台だけで試運転だ。 しかし、あまりの馬力に履帯のピンが飛んだ。 「やはりか。」と技師がいう。 知ってるなら先に言えよ!だ。 それで、1本だった履帯のピンを2本に改造である。 「さあ、試運転だ。」と、下半分の戦車を試験走行である。 上半分を防水布でカバーして、試験コースを走破試験である。 死の丘への登坂試験だ。 「バァウン~。」と、試験戦車は軽くこなす。 「これは、思った以上だぞ。」 と試験官は、笑顔である。 「だが、砲塔や上部は重量があるからな。」と別の技師だ。 「でも、現在が20トンだ、おそらく35トンで収まりそうだが。」 「えっ、35トンか?」 「そうなると思うが。」 「なら、トヨスに勝てそうだな。」「あれは、たしか40トン近いからな。」 希望の光が・・・ 「戦車砲は口径が同じだから、トントンだ。」 「そして、馬力も、いい勝負だ。」 「なら、跡は。」 「そうだな、戦車乗りの力量だけだ。」 そこは、デーハツが及ぶところではないのだ。 まあ、陸軍機甲科の判断まかせなのだ。 しかし、禿頭のデーハツ社長は首がつながって、ホット一息であるのであった。 めでたし、めでたし・・・ てっ、桃太郎じゃあ、あるまいし、まだ終わらんのだ。 ・・・ 「なにっ、デーハツが新型エンジンだと。」 トヨス米国本社で話がでる。 「馬力は同じ程度だと・・」 「うちはガス・タービンだぞ。」 「デーハツはデーゼルと聞いたが・・」 「なに、デーゼルで1600・・・」 絶句するトヨス米国本社の技師だ。 「うかうか、できないぞ。」「相手は日本製の兵器だ。」 「それを忘れるな。」 激がトヨス米国本社で飛ぶ・・・・
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