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平和なときこそ、戦争の準備だ。

技術の進歩が抑止になるのだ。

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 「君は、どこの国、いやどの戦車が最高と思うかね?」と、ロンメロが教鞭を振るう。 ここは、独逸帝国の戦車幼年学校である。 月に1回ほど、ロンメロ閣下の講義があるのだ。 生徒が起立して、「閣下、それは、我がG型戦車であります。」 「ふむ、まあ妥当な答えだが。」 「そうとも言えるが、そうでないとも言えるのだ。」先程の生徒が、「我が国が、戦車運用では最高と聞いていますが。」と加える。 「そうだな、グーデリアン元帥からの伝統があるからな。」と、ロンメロだ。 生徒は、相手がロンメロ将軍と臆さない。 遠慮なく質問攻めなのだ。 それが気に入っているロンメロなんだが。 「もちろん、戦車兵も十分な訓練がされてるとする。」と、加えた。 「それでも、シナでは殺されかけた、また優秀な部下を失ったのだ。」と、続けるロンメロだ。 「いまは、戦争もなく、平和である。」「しかし、平和なときこそ、戦争に備えねばならない。」 「あるか、無いか、わからない戦争にですか?」と、生徒の一人が発言する。 「そうだ、あるかないか、わからない戦争にである。」 「そして、戦争がなければいいのだ。」 「これは、聞いた話だが、ある国が野心があったとする。」 「今は、平和で、どこにも戦乱の火種はない。」「人々は平和に慣れて、戦うすべを忘れてしまっていた。」 「しかし、それを狙っていたクニがあったのだ。」 「他国が油断しているスキに軍備増強だ。」 「そして、意図を知られる前に侵攻である。」 「電撃戦だ。」 「そして、覇権国の大陸となったのだ。」 「閣下、それは・・」「ふむ、気が付いたようだな。」 「ハア・・」 「この、独逸帝国を帝国たらしめた時代の話だ。」「しかし、それはしっぺ返しがあったのだ。」 「ゲッペルン総帥暗殺事件。」 「そうだ。」「そして、日本の脅威が隣から迫ってきたのだ。」「ワシは、このままでは帝国は崩壊すると思ったのだ。」 「それが、政策転換のフローラ現政権なのですね。」 「よく、理解してるな。」 「しかし、ゲッペルン総帥は日本を観て考えをあらためたのだ。」 「2600年以上の歴史があると知ったのだ。」 「そして、日本の制度へ・・しかし、暗殺されてしまった。」 「閣下は仇を取られたではありませんか。」と慰める生徒らだ。 「総帥は戻ってはこられない、しかし、考えだけは引き継いだつもりだ。」と、生徒を見渡すロンメロだ。 「覇権は過去の考え方だ。」「これからは、立憲君主制度に見習いたいのだ。」 「クニの代表には伝統と威厳が必要なのだ。」「しかし、統治はしない、あくまでクニそのものであるべきだ。」と、ロンメロは持論を幼年学校の生徒に熱弁を振るう。 「支配者は権力はあるが、自身の任命権はない。」「国民には任命権がある。」「そして、支配者を任命するのが君主なのだ。」 「三角関係ですか?」 「うむ、よく気づいたね。」 「互いに牽制して、横暴を防ぐのだ。」 「そう、独逸帝国もありたいものだ。」 戦車戦術の話が・・・・毎回、講義で反省するロンメロだった・・・・・
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