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クローン養育係。
お局士官の退官後の・・・
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日本海軍の空母には各艦に数人のお局士官が赴任している。 主な任務は艦内の接待と連絡用VTOLの操縦などだが・・・ 空母は新型が建造されると、退役する。 つまり、解体されるか、別の任務へ廻されるかである。 そして、その空母のお局士官も退役である。 空母の顔だからだ。 ここで、問題が・・・ 「あたしたちは? どうすればいいのかしら。」 となるのである。 新型空母には新たなお局士官が・・・ もう、席はない。 海軍も、せっかく育てたお局士官を退役させたくはない。 そこで、新たな任務を考えた。 まず、お局士官の教育機関である。 世界に通用する接待係の士官を育てるためである。 そして、VTOLの操縦教官である。 「それでは、まだ私たちが・・」 数人の残りがいたのだ。 総理は考えた。 そうだ、「博士は?」 と赤電話を取る。 (スマフォでは重みがない、ここは赤電話だ。)「博士は?」と電話に出た秘書(幼女)に問う総理だ。 「総理ですか、しばらくお待ちを。」そして 「あ、あ、総理、もう生まれるんです。」といきなり博士がいう。 「えっ、生まれるって、もうか!」「でも、この前には、小さかったが。」 「いま、6歳くらいには成長してます、教育をほどこさないと。」と博士がこぼした。 「えっ、なんとヒトが育てるのか。」 「あたりまえです、総理。」 「しかし、幼稚園に通わせるわけにはいかんし、困った。」 と悩んでいる総理へ。 内閣府の係官が、「総理、お局士官の・・」 と横ヤリが・・ そこに閃いた総理だった。 お局士官なら軍人だ。 クローンの秘匿には安心である。 人造人間のことは当面、国民には内緒でいこう・・・ こうして、お局士官の全員が、第二の行く先が決定したのである。 軍人は軍事機密や国の極秘案件に触れる機会も多い。 それで、一般社会に軍人をだしたくはないのは当然である。 特に、オナゴは口に戸が建てられない。 そう、おしゃべりなのだ。 絶対に内緒なのを、必ずバラすのは、オナゴなのである。 それで、秘密を守るためでもある任務の斡旋であるのだ。 変態科学者の須藤研究所に、数人のお局教育官が・・・ 「わたしが、須藤博士だ。」「いえ、しばらくぶりですわ。」 「VTOLの人工知能の説明会で、お会いしました。」 「そうだったかな。」 「まあ、いい。」 「これから見ることは軍事機密だ。」 それを聞くなり、キリッと顔が変わるお局教育官らである。 ドアを数枚通過する。 そのたびにガード装置が働く。 最後のドアが・・・ 「博士、これがウワサの・・」 「ウワサ?誰から聞いたんだ。」 と顔色が変わる博士だ。 「総理から、クローンの教育係だと・・」 「もう、総理は口が軽いから。」と、こぼす博士だ。 まあ、事前情報は、ある程度は必要なのである。 「明日には、試験管から生まれる。」 「この子らを教育してほしいんだ。」と博士が。 基本、お局は処女である。 つまり、子を産んだこともないし、育てたこともない。 しかし、お局士官もオナゴである、生まれたときに、すでに子を養育することを遺伝子としてもっている。 まして、お局士官は資格として他国言語から幼児教育まで学んだ才女ばかりだ。 だから、女性が保母さんや看護婦なのである。 野郎には務まらない仕事なのだ。 こうして、お局教育官がクローン子女を育成することとなったのである。
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