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ロンメロの悩み。
英雄もヒトの子なのだ。
しおりを挟む 独逸帝国のロンメロ軍団には、専用の訓練場がある。 場所はラィツランドとの国境付近である。 戦車の訓練には荒野が向いている。 人家があっては、住んでいるヒトが迷惑だし、家が戦車の振動でもたない。 しかし、家もあるのだ。 戦車戦が市街戦ということもある。 ゲリラやテロの犯人を討伐するのに、空からの爆撃では民間人も巻き込んでしまう。 それで、戦車なら、それなりに成果がえられるからだ。 「ふむ、また民間人が犠牲ではないか。」と憤慨するロンメロだ。 副官が、「しかし、犯人は射殺できました。」 「自爆したので、巻き込まれた民間人が数人でましたが・・・」 「それが、いかん、民間人には死傷者はださないのが、我が軍団の誇りだ。」 ・・・ 諸君、読者諸君、これは訓練での話である。 もちろん、模擬弾での訓練である。 がやがやと声がする。 「わしは、これで100回は自爆したぞ。」 「オレなんか、300回は射殺されたぞ。」 と的や民間人役の俳優が・・・ ロンメロ軍団は訓練に実感がでるように、的に俳優を使っているのだ。 まあ、俳優の卵や売れないヤツらをだが・・・ それでも、俳優にとれば、いい収入なのだ。 撃たれてナンボ、爆死してナンボである。 弾は訓練弾で、体に当たると赤い液体が血がながれたようになる。 爆死は、それなりに煙がでるのだ。 そして、役者の人種は黒人から白人、黄色いサル役までいるのだ。 もちろん、幼い幼女もである。 その犠牲役は数は2000人くらい、いるのだ。 まあ、入れ替わりは激しいが。 なかには、殺され方がウマイと映画会社からハントされるヤツまでいる。 独逸帝国の人気幼女の(フローラ様に似ているからだが。)アンナはロンメロ軍団の出身だ。 撃たれるときに、「キャー。」という悲鳴がグンバツにうまかったらしい。 そして、間違えたりして、アンナを撃ち殺したら軍団兵に罰ゲームがあったとか・・・ 訓練で市街戦は戦車にとり、民間人を巻き込む危険があり、ロンメロ軍団は効果がある訓練ができたのである。 市街は、もちろん普通の住宅である。 バラックでは壊れやすくてダメなのだ。 しかし、これでは訓練の予算が・・・ と思う諸君も・・ しかし、ロンメロ軍団あっての独逸帝国なのだ。 独逸帝国=ロンメロ軍団なのである。 だから、膨大な赤字でも補填されるのである。 そして、それに文句なんて独逸帝国の国民は無いのである。 まだ、足りないから増額せよ、との議会決議まで出る始末である。 まあ、フローラ様が、「海軍予算が~」 と泣きを入れたので増額は見送となったが・・・ 独逸議会堂前では増額せよとのデモが・・・ 「今日のデモ隊は、どこのヤツらだ。」 と議事堂警備員が聞いた。 独逸国家警察の私服が、「あ、あ、これは内緒だが。」 「うむ。」 「なんでも、ロンメロ軍団の訓練用の市民役やゲリラ役の俳優らだそうだ。」 「まさか、デモ隊まで模擬訓練なのか。」 そうなのだ、デモ隊に紛れて紛争を仕掛けるゲリラは多いのだ。 それで、国会前でデモの訓練をやり、ロンメロ軍団の訓練に役立てようとの・・ 「まあ、訓練に熱が入るのはいいが、訓練の訓練かよ・・。」 と警備員らは門の警備に走っていった。 ロンメロ軍団の強さは訓練相手の役者の力量も加わり、まさに無双なのである・・・・・・
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城闕崇華研究所所長
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