大東亜戦争を回避する方法

これからの世代へ・・・

隠遁生活は、いいものだ。

　「お久しぶりです。」　と現総理が、元総理宅へ訪問である。　もちろん、アポを取っての訪問だ。　数人の警備係が外で待っているようだ。　山田総理は総理職を退くと、政界からも引退したのだ。　そして、公職から、完全に退いたのである。　「おう、久しいな、こんなプー太郎に用でもあるのかな。」　と静かに笑う。　「まあ、ここでは何だ。」　と言って玄関へ招き入れた。　普通の家である。　豪邸ではない。　まあ、３０坪くらいの家である。　庭があって手入れは、まあまあだ。　「おい、コーヒーでも淹れようか。」　「おかまいなく。」　と返す現総理だ。　「で、なんなんだ、この時期に。」　と山田君が聞いた。　そして、豆をミルでゴリゴリやりだした。　1杯づつ淹れるのがセオリーである。　まとめて淹れるより、うまいからだ。　部屋は応接間ではない。　普通の畳の座敷である。　「相談というか、なんとも、はや・・・」　と現総理が水を向ける。　「たいして、役立たないぞ。」　と牽制する元総理である。　「じつは、懲りない国がありまして、どうしたもんかと・・・」「あ、あ、ヤツらか。」　「そうなんです、博多紛争は収まったんですが、まだ疫病は沈静してませんし、謝罪など・・」　「ヤツらと関わるからだよ。」　「しかし、ヤツらから仕掛けてきては、関わらないわけには・・」　「それが、ヤツらの作戦だよ。」　「わかってるんですが・・」　なかなか、うまく行かないようだ。　「対馬での防衛は大丈夫だろうな。」　と厳しい意見が、元総理からでる。　「それは、常に最新の正規空母やＶＴＯＬで警戒を怠りませんが。」　「いや、そういうことではない。」　「では、どこが・・」　「ヤツらは、華僑船や密輸船、漂流船などで、不幸を持ってくるんだ。」　「え、え、それで警戒は怠りませんが。」　「老人や女性の難民のフリをしてやってくるんだ。」　「そこに、クローン部隊を使うんだよ。」　「あっ、その手があった。」　と現総理は切り札に気が付いた。　「わしが、創設したクローン部隊は、情け無用の軍隊だ。」　「日本人しか守らないからな。」　「そして、絶対に裏切らない。」と言い切る山田君であった。　そして、「ヤツらは謝罪などしないし、しても嘘の謝罪だ。」　「絶対に信用をしてはならない。」　「そう、日本国憲法の前文に書いたはずだが。」と山田君だ。　「最近は、学校でも略すところが・・」　「それは、いかんな。」　「隣人ほど警戒すべきなのだ。」　「拿捕する役はクローン部隊に任せるしかないようですね。」　と現総理は納得して帰っていった。　日本国民を守ること、それを教え込まれたクローン部隊である。　もちろん、部隊は独立しており、一般の国民は知らないことである。　別にヤツらを殺すわけではない。　送り返すだけである。　だが、ヤツらは難民のフリをしたゲリラやテロの組織なのである。　いきなり、自爆したりの危険があるのだ。　それで、クローンなのである。　日本国民が犠牲になることが無いように、クローンが犠牲になるのである。　そのために、養育されて、教育されて任務に就くのである。　日本軍の最大の闇であり、国民が知らなくてもいいこともあるのだ・・・・・・