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ロンメロ軍団の秘密。

これが、脱落者が皆無なロンメロ軍団の秘密だ。

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 満州国の北満隊の基地で、骨を休めるロンメロ軍団だ。 独逸帝国の戦車隊訓練場からの強行軍だった。 ソ連軍の憲兵隊が舌を巻くほどの軍規がキビシイ、ロンメロ軍団である。 独逸帝国は陸軍が華だ。 古来からの伝統もあり、独逸帝国陸軍は軍規も厳しく、規律を重んじる空気もあり、教育レベルも高く、脱走兵が少ない軍隊であった。 その中で、特にロンメロ軍団は陸軍の頂点として輝いていたのである。 北満隊の戦車兵らが、ロンメロ軍団の戦車兵らに差し入れである。 「遠路、はるばる、ごくろうさんです。」 と言って日本軍からのカンズメを開ける。 「ほう、日本軍のカンズメですか。」 「え、え、日本海軍の名物カレーらしいですよ。」 と北満隊の戦車兵が・・「えっ、これがウワサの海軍カレーか・・」 ロンメロ軍団の戦車兵らは、話には聞いていたが、ここで味わえるとは・・ もう、感動の戦車兵らである。 「なんと、日本海軍カレーか、ロンメロ軍団では手に入らないぞ。」 「そうだ、なら自慢のソーセージを持ってこよう。」 と、ロンメロ軍団の戦車兵が兵站輸送のトラックに走る。 カレーはトッピングが自由なのだ。 もう、アルミのカレー皿を並べて、お米やルーを分けていく。 「しかし、よく手に入りましたね。」 と独逸帝国の戦車兵が・・「あ、あ、以前に海軍の戦闘機がエンコして不時着したときの手伝ったお礼だよ。」 なるほど、その話は独逸帝国でも話題になった古い話だ。 (古いといっても数年だが・・) 「我々も、ここぞというときしか開けないからね。」 「なるほど。」 と納得の独逸戦車兵である。 「これは、ロンメロソーセージだ。」 と1本づつ、カレー皿にソーセージを寝かせる独逸兵である。 「ほう、これは、なかなかうまそうだ。」 「カレーもうまいだろうが、独逸はソーセージがイッ品だからな。」 満州兵はカレーのトッピングのソーセージにかぶりついた。 「う、う、う・・・」 と満州の戦車兵が・・ 「ん、どうしたのだ。」とロンメロ軍団のひとりが聞いた。 「なんと、プルプルの肉だ。」 と感動の満州兵だ。 カレールーとソーセージがミックスしてイッピンがフタヒンなのである。 海軍カレー缶もロンメロソーセージ缶も、軍の調理係が手すきのときに作るものである。 もちろん、世の中には、バチモンが多い。 現に、海軍カレーは似たカンズメが出回っている。 しかし、現実に軍の食事係が手作業で作るカンズメとは別物だ。 もちろん、軍の手作業が、マイウーなのは当然である。 ウマイ飯の軍隊は強い。 これは、現実の話である。 いつ戦死するか、わからない軍隊である。 ホンの数刻の、ひとときが癒しなのである。 それが、食事の時間なのだ。 だから、食事係は食事を作ることが戦いなのである。 モロ、命がけなのだ。 生きてて、ウマイ飯が食える喜びを味合わせるためにである。 「これは、だめだ。」と思ったら戦死なのだ。 食事がウマイと生きる希望が湧いて出るのだ。 「こんな、うまいソーセージは初めてだ。」 と満州兵らだ。 「そうだろう、そうだろう。」 とニタニタの独逸帝国戦車兵らである。 自然に話はうまいモノの話になる・・・ 「オレはパリでの侵攻のときのスイーツが忘れられんな。」 「そうだな、紅茶もうまかったな。」 「オレはコーヒー派だ。」 「コーヒーはウインナコーヒーが・・・」 と、満州兵が、「うまいコーヒーなら、あるぞ。」 「トヨスのマハラジャだ。」 独逸帝国戦車兵らが固まる。 「いま、なんて?」 と聞いた。 「あ、あ、マハラジャというコーヒー豆があるぞ。」 「本当か?」 と独逸帝国ロンメロ軍団の戦車兵らがマジな顔で聞いた・・・・・・・
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