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シベリアの訓練だ。
ロンメロ軍団の訓練!
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「では、先導をよろしく頼むぞ。」 とロンメロ将軍が・・「わかりました、将軍。」 とソ連憲兵隊のウゴーリア少尉が答える。 それで、ロンメロ軍団の先導をするのたが・・・ ソ連は旧型の戦車だ。 つまり、独逸帝国製のV型の虎である。 同じ、独逸帝国製でも、G型とは雲泥の差なのだ。 どうしても、凍結路でエンコするV型をG型が牽引するなど、これでは先導にはならない・・・ とうとう、ロンメロ軍団から苦情が・・・ 「将軍、なんとか進軍ならないですか?」と副官だ。 「うむ、しかし、先導はソ連がやらねばメンツが保てないぞ。」 軍隊とは、そういうものなのだ。 威張ってばかりではないが、腰が低くすぎては軍隊ではない。 「どうも、ソ連のV型のエンジンが寒さに弱くて、エンジンの掛かりが悪いんですよね。」 と副官だ。 ロンメロは、「確か、V型はグルップ製のデーゼルエンジンだな。」 「まあ、そうですが。」 「やはり、日本製は違うな!」 違いがわかるオトコのロンメロだ。 交差点で停止するたびにエンストするV型と、快調なG型では・・・ 「なら、V型のソ連の先導車のエンジンを整備して、寒冷地に強くしてやれ。」 とロンメロだ。 「いいので、我が国の軍事機密が・・」 「いや、このG型のエンジンは日本の民間船の普通のデーゼルらしいぞ。」 とロンメロがいう。 「えっ、まさか、この新型がですか!」 と副官だ。 日本は、こんな最新のデーゼルも普通のエンジンなのか・・愛国心が揺らぐ副官だ。 なんと、うらやましい日本軍なのだ・・・ 排気タービン2連装の12気筒デーゼルが、日本では普通のエンジンなのか? いままで、越えられなかった段差も、このエンジンの戦車なら軽く超えるのだ。 「では、修理技師らにソ連のV型の寒冷地仕様を頼みますか?」 と副官だ。 「そうしてくれ、これではシナへの侵攻が遅れてしまう。」 とロンメロ将軍だ。 それで、整備の技官が休憩時間(ロンメロ軍団はブラックで有名なのだ。)にソ連の独逸帝国製V型のエンジンを見る。 「なんだ、これは、これでは・・」 「うむ、部品を交換するか。」 「では、え、え、と・・」 「部品は電熱ヒーターと電磁ポンプと・・」 デーゼルエンジンは点火プラグは無い、代わりに加熱プラグがある。 それに、燃料を各気筒に噴射するのは気化器ではなく、直噴燃料ポンプだ。 それが、独逸製はイマイチなのだ。 それで、ヒータプラグと直噴燃料ポンプを日本製に交換する。 ホースやコードの規格は国際規格で同じだから、部品交換は問題なく短時間で終わったのだ。 ソ連の憲兵隊のウゴーリャは、明らかに、いままでと違うV型に驚く。 あの休憩時間(なんと、30分だ。)に、エンジンの部品交換をしたと聞いたが、これはまるで別物だ。 独逸帝国ロンメロ軍団の整備技術に舌を巻くウゴーリャ少尉だった。
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