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ソ連との交渉。
ここは、フローラが・・・
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ここは、ロンメロが訓練に出かけた後の総帥府である。 現在は総帥は存在していない。 民主国家への舵を切った独逸帝国である。 ロンメロいわく、ゲッペルン総帥のみが総帥であり、また最後の総帥でもある、の演説の後は総帥職は存在していない。 しかし、独逸帝国の栄華を忘れていない国民も多いのである。 それで、ちまたでは、フローラ女王の呼び名が・・・ 昨夜、ハンナから相談を持ち掛けられたフローラである。 日本はシナ本土への侵攻はドロ沼となるので避けたい。 なぜなら、海洋国家の日本である。 海戦は無双だが、陸ではウンカのごとく迫るシナ兵には手を焼いていたのだ。 局地的に、アイシャらのロボット兵器が活躍するが・・ 「やはり、陸軍は独逸帝国ね。」 と納得のフローラであるのである。 なぜなら、ロンメロが居るからである。 ロンメロの配下も、同程度の指揮を執れる部下は少なくないのだ。 そこは、大陸国家の独逸帝国である。 「主人はメモを見てるはずだわ。」 「おそらく、このまま進撃するでしょう。」 なんと、さすがロンメロの(亭主元気で、留守がいいのだ。)手駒を操るフローラである。 ロンメロ将軍の操作と言っては失礼だが、ダンナの手綱は離さないようである。 フローラは独逸にある、ソ連大使にアポである。 「私の主人が戦車戦の訓練のために、ソ連縦断の許可を・・」 ソ連大使は、以前のシュリーマン総帥事件に関与していた反省から、「許可いたします、もちろん燃料はお任せください、なんなら食料も・・」 との返事である。 なんせ、軍事技術は独逸帝国へ依存のソ連である。 「そうね、あまりウオッカは渡さないでね。」 と注文するフローラである。 まあ、シュリーマン追尾当時の部下がロンメロ軍団には多いから、シベリア縦断も難なくこなすだろうとのフローラの予想であった。 もちろん、ソ連側も当時の同行した者を付随に要求するだろうから・・・ (当時、ソ連の車両は凍って使えなかったのだ。) 独逸帝国戦車兵は、シベリアでのシュリーマン捜索を寒冷地での運用に役立てているのは当然のことである。 「そういえば、今は秋ね、これから寒くなるわ。」 と北の空を見上げるフローラであった。 ・・・ ここは、独逸帝国の陸軍戦車訓練場である。 ずらりと並んだG型戦車の隊列が整ったところだ、ロンメロが、「ソ連に国境通過の許可を・・」 「すでに、得ています。」と部下がいう。 「そうか、やけにソ連にしては早いな。」 「まあ、シュリーマン事件の負い目があるんじゃあ・・」 と副官だ。 「そうだ、当時に付随したソ連兵も同行を求めておけ。」 「了解です。」 自国を他国の軍隊が通過するのだ、当然の要求だろう。 ソ連側は、シユリーマン追跡当時に独逸帝国から寒冷地の軍事行動を学んだが、まだ不十分らしい。 なんと、1個小隊を付随につけてきたのである。 それも、それなりの優秀なヤツばかりだ。 ソ連も大陸国家だが、独逸帝国とは差があきらかであるからだ。 もちろん、学ぶのはソ連側だが・・・・・
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