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これは、独逸語だ。
艦内の会話が・・・
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一方、イ号のソナー員は? 「変な音が聞こえますが・・・」 と艦内に音を切り替える。 もちろん、ソナーは最大聴音にである。 「フォン、イアン、〇〇・・」 「まて、これは独逸語だ。」 なんと、Uボートの艦内の会話だ。 「位置を特定しろ。」 佐藤少佐は、シメシメ顔で、指示をだす。 そして、ソナー員のところに・・ あっ、歩いてはダメだ。 「聞こえます、艦内を歩く音です。」 「位置を特定しろ。」 ルーデッツ艦長が指示をだした。 イ号の発令所は広い。 それで、ソナー員まで、なのだ。 Uボートは、イ号より狭い発令所だから、歩くことはなかったのだ。 独逸語は海中の雑音で、はっきりわかり。 日本語は海中の雑音にまぎれて、わからなかったのだ。 しかし、歩く足音はきこえたのである。 まあ、どちらも・・・だ。 「よしっ、ここは海中機雷で勝負をつけるぞ。」 とルーデッツ艦長だ。 「艦尾魚雷室。」 「こちら、艦尾です。」 「うむ、海中機雷用意だ。」 「了解です、30秒で。」 「うむ。」 さて、イ号は。 「これは、Uボートの音ですね。」 「あ、あ、ソナー員、位置と速度は?」 「位置は3時方向です、速度は15ですね。」 「ふむ、まだ気づいてはいないな。」 (イヤ、気づいてるって。) ソナー員が、「ゴボッの音です。」 「まてよ、発射管からの泡だな。」 「どちらの発射管か?」 「そこまでは、無理です。」 そうだな、そこまでは・・・ 魚雷か海中機雷か? いや、ここはオレなら機雷だな、ではUボートは、こちらに気が付いていることに。 「いかん、急速潜航200だ。」 「了解です。」「潜航200っ。」 イ号は前の潜舵を出して、急角度で潜る。 「イ号、位置変わります。」 「なに、、潜航か?」 「ヤー。」 「では、こちらもだ。」 「ヤヴオール。」(了解) とうとう、追っかけっこが始まった。 まあ、ここまでは、定番である。 「200では、附いてくるな。」 「よし、500まで、潜航。」 「イ号潜、まだ潜ります。」 「どこまで、いくつもりだ。」 「でも、新型だから、さすがヨツビシですね、海水の漏れも皆無です。」 きしむ音も聞こえない。 これが、以前だと、天井の配管からポタポタだ。 これほど、違うのか。 身をもって、新型Uボートを感じる艦長のルーデッツだった。 「さすが、世界ーの潜水艦王国、日本だな。」 そして、「えっ、まだ、Uボ-トは附いてくるのか?」 「さすがだ。」 これは、侮れんぞ。 と帽子をかぶりなおす佐藤少佐だ。 せいぜい、300までと思っていたのだ。 これは、戦争ではない。 まあ、試合でも、ショーみたいなものだ。 限界深度までは、やらないはずだ。 では、Uボートは、限界が600を超えると。 くそっ、ここはヤツらの限界を見てやろう。 佐藤艦長は、「限界まで、潜れ。」 だ。 イ号の限界は600だ。 700までは、耐えられるが、安全を考えて600までにしてあるのだ。 イ号は暗黒の深海へ潜っていく。 「艦長、イ号は600までと思われますが。」 「えっ、これは戦争ではないぞ。」 「でも、潜航速度から、考えると。」 「うむ、こちらをテストするつもりだな。」 なら、やってやろうじゃないか。 ヨツビシが鎌倉に勝てるかだ。 「こちらも、附いていけ。」 「ヤー。」(了解) とう、とう、潜航深度の潜水艦比べとなってしまった。 Uボートは、ヨツビシ重工のチタン合金だ。 イ号は鎌倉造船のチタン合金だ。 そう、大元は、ヤワタ製鉄の同じチタン合金なのだ。 どうなる、潜航深度くらべ・・・・・
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