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ヨツビシのUボート。

これが、日本製のUボートだ。 

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 「そもそも、はじめから・・・」 「いいや、それは違うのだ。」 「なにが、違うか、それが正しいのだ。」 それぞれの技師連中は、自信の設計や製作に自信があるから造っているのだ。 技師は職人と同じで、なかなか融通はきかないものだ。 これでは、話がまとまらない。 そこで、とうとう互いに造り、比べることとなる。 つまり、潜水艦祭りの独逸帝国の開催が決まったのだ。 開催は半年後だ。 それまでに、各社が潜水艦を建造するのだ。 半年では、短いというなかれ、戦時では3ヶ月で建造していた国もあるのだ。 そして、参加国は、独逸帝国は当然として、日本の鎌倉造船やヨツビシも、神山までが名乗りをあげたのだ。 そして、フランス共和国だ。 もちろん、イタリーもだ。 米国と英国はドーバー越えの脅威から、参加を見合わせることとなる。 この、潜水艦祭りが成功すれば、独逸帝国にとり、かなりのアドバンテージがあるのは明らかだ。 そして、Uボートを日本で建造することとなったのだ。 これは、独逸帝国の軍事技術を研究するうえで、かなりのプラスになることは間違いない。 独逸帝国から参加国に、Uボートの諸元が送られた。 この基本性能を踏まえて、各社の技術が取り入れられるのである。 まあ、日本の超電導などは、軍事機密であるから、もちろんUボートには採用できない。 現行のモーターと蓄電池となるのである。 原子力も、米国や英国が開示に反対なので、Uボートは原子力は無いのだ。 だから、モーターと蓄電池や各種装備で争うのである。 各社の性能を比べるうえで、これは比較がたやすく、いまから話が盛り上がるのである。  鎌倉造船のドックで、一番小さいところだ。 ここで、鎌倉型Uボートが建造されていた。 トン数は1200トンまで、長さは80メートルまでと規格があるのだ。 あとは、各社の色が出てもOKとのことであった。 「須藤博士、やっていただけますか。」 「うむ、まあ軍事機密なしだから、ワシの色がでてもいいんなら。」 「規格に収まれば、OKらしいですから、自由にお願いします。」 「ふむ、そうなら、できんことはないぞ。」 「なら、建造が半年しかないから、明日には設計図を完成しよう。」 「予算は、独逸帝国が奮発するそうです。」 「なら、勝てるヤツを建造するぞ。」 やる気、満々の変態科学者だ。 独逸帝国のキール軍港まで搬送しなければならないので、建造は5ヶ月と思って設計する。 まあ、現行イ号の小型な潜水艦ができた。 細部は違うが、おおまかなスタイルはイ号であった。 でないと、完成はできないからだ。 ヨツビシも同じであった。 神山は亜細亜型を小さくした潜水艦だ。 フランス共和国はUボートのフランス版を改良したものだ。 イタリーも似たような潜水艦であった。 さて、肝心の独逸帝国は、グルップはハイネン社は、どんな潜水艦なのか? 
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