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どこの、攻撃だ。
キールン軍港に火柱が・・・
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ドウウウウンンン、爆発音と火柱があがる。 「なんか、なんだ。」 「奇襲攻撃か。」 「照明をつけろ。」 「艦艇は無事か。」 「いま、確認してます。」 もう、てんやわんやだ。 太平に慣れたしわ寄せか、危機管理不足がテンコ盛りだ。 普段の努力は何処へ行ったのだ。 「本土海軍本部へ指示をあおげ。」 「被害確認はまだか。」 「駆逐艦、アキズキから異常無しと。」 「うむ。」 「駆逐艦、テルズキ同じ。」 「うむ。」 「駆逐艦、フユズキ異常ありません。」 「巡洋艦、ニイタカヤマ損害なしと返信。」 「うむ。」 「・・・あの、以上ですが。」 「ん、では、何なんだ爆発音は。」 「現地の作業員から連絡です。」 「何と。」 「標的艦が爆発炎状中とのことです。」 「魚雷攻撃と判明です。」 「直ちに、駆逐艦アキズキに追撃を指令。」 「潜水艦と思われるからな。」 「了解です。」 と、なんと平和な軍隊だ。 まあ、台湾では日本が清国に台湾が日本領と確認してから初めてだからか。 「被害は、今度使う標的艦か。」 「え、え、老朽して魚雷の訓練の的に使う予定だったんですが。」 「しかし、どこの潜水艦だ。」 「まあ、たぶんシナか半島かと。」 「それは、憶測だ。」 「しかし、まさかソ連が・・・」 ソ連海軍なら、こんな南方まで来ないだろう。 「しかし、あの標的艦は軍艦桐生といって、なかなか戦艦級の標的艦なぞ初めてなので惜しかったですな。」 なんと平和な会話だ。 台湾のキールン軍港は、サイレンの音が鳴り止まなかった・・・ 翌日だ、標的艦は半分沈んで、無様な燃えカスだ。 本土から武官が検分だ。 「それで、駆逐艦は・・・」と武官が聞く。 「ハイ、敵発見には至りませんでした。」 「つまり、逃げられたと。」 基地司令、なんも言えない。 いままでの、シナの潜水艦では考えられない。 初めて逃がしたのだ。 大きな音を鳴らして、速度も遅いシナの潜水艦なぞ・・・だ。 これは、ひょっとするぞ。 武官は、シナが新型の潜水艦を配備した恐れアリ、と即連絡だ。 ちなみに標的艦に乗員なぞいないから、人的被害は無しだった。 どうやら、なぞの潜水艦は桟橋に投錨していた標的艦を見誤り雷撃したようだ。 パット見、軍艦だからだ。 古い軍艦は記念艦として永久保存するが、最近は一杯あるのだ。 なんせ、戦争で沈まないからだ。 それで、訓練用に使うこととしたのだ。 浮かんでる軍艦を砲撃や雷撃して沈める実戦訓練は、めったに出来るわけではない。 砲弾や魚雷など訓練費用もかかるのだ。 しかし、戦時ではないので、兵に感覚として経験させるのは大切なことなのだ。 「それで、報道発表はどうする。」 と指令が調査武官に聞いた。 「ここは、敵を焙り出すため、軍艦が被害と。」 「いいんですか。」 「軍艦が沈んだのは、間違いない、ウソではない。」 「調子こいて、また攻撃してくるぞ。」 「え、本当ですか?」 「あ、あ、たぶんシナなら、またすぐ来るぞ。」 「ヤツラは懲りないからな。」 「網を張るんですな。」 「当然だ、いい訓練になるぞ。」 なんと、シナ海軍で、訓練をしようとは、なんと太っ腹な日本海軍だ。
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