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なんとしても

労働に対価はいるのである。

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 もう、考えた、考えた、どうすれば誘導装置を複葉戦闘機に搭載できるかをだ。 問題はエンジンの馬力だ。 400しかない。 我が国の12気筒3連ターボは3000馬力を超える。 しかし、これを独逸へは出来ない相談だ。 米国や英国が黙ってはいない。 軍事技術包括保護協定があるのである。 まして、ジェットエンジンはダメであり、超伝導磁気推進では、オレでは整備の資格も無いのだ。 「まてよ、確かエンジンを重ねればいけるか。」 9気筒星型は幅は狭い、それを2連に連結した。 まあ、シャフトをのばして完成だ。 プロベラが2枚では、しかも木製だ。 まてよ、これも4枚に・・・ つまり前のエンジンで前の2枚ペラを後ろのエンジンで後ろの2枚ペラを反転で廻すのだ。 そうすれば、機体はまっすくに飛ぶ。 それなりの重量の誘導装置は搭載できたのだ。 ついでに携帯無線機も搭載したのだ。 武器は練習機であるから載っけてないのだ。 発電器はエンジンの後ろにつないだ。 配線は独逸の電源コードは電波シールドが不足していたので、予備の日本製を使った。 すこし、機の全長が長くなったが、バランスを考えたので、バッチリだ。 エンジンカウル(エンジンカバー)も銀色に輝き、最高だ。 オレは天才か、やればできるのだ。 (まあ、春麗姫の限定フィギアのなせる業だが。) そうして、三日後に改良機は飛行甲板に上がったのだ。 「お、お。」 独逸の訓練生は固まった。 まるで、別物ではないか。 日本の技師は魔法使いか。 (本当はそうだ、まだ独身童貞君なのだ。) 木戸教官は、「これは、別物だな。」 「あの、例のその・・・」 「あ、あ、日本のアマテラスのショップに伝言しておいた。」 「ありがとうございます、このお礼は必ず。」 「それは、この機で十分だ。」 真の魔法使いの日本人技師は、もう舞い上がって飛んでいった。 どんだけ威力があるのか、春麗姫の限定フィギアだ。 「そうだ、名前だ。」 どうするか、日本ではハヤブサか月光だ。 米国などはファルコンだ。 では、ドイツ語では、ファルケだ。 イマイチである。 悩んで、とうとう、「名前は君たちがつけなさい。」 と訓練生へ下命したのだ。 そして、誘導装置を見せて、「座学で学んだとうりだ。」 そして、「これが、あれば危険なく着艦できるだろう。」 「では、1番から。」 「ハイ。」 改良型は、パラパラのエンジン音が別物だ。 ゴーと唸る。 怖いくらいだ。 パララン、パラランがブオン、ブオンだ。 同じエンジンなのだが、回転数が明らかに違うのだ。 技師に言わせると、組み立ての技術の差だそうだ。 料理でも、ひとてまの差である。 その差が、積み重なり、馬力の差となるようだ。 別に、独逸の技師の腕を疑うわけではない。 我が日本国の2600年にわたる蓄積なのである。 さて、空母の先に青ランプが灯る。 スロットルが上がる。 ブオンがゴーの爆音になる。 スルスルと改良複葉機は走りだした。 さあ、どうなるか・・・・・
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