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シュリーマンの憤死!
憤死したシュリーマン
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議長は挙手したロンメロ将軍を指名した。 「では、ロンメロ将軍どうぞ。」 「うむ。」 質問席に立つロンメロだ。 「シュリーマン、すでに、君は終わったのだ、せめて最期は・・・」 「なにを、いってる、なにを言ってるんだ。」 「せめても、だ。」 「なにを言ってるんだロンメロ。」 「オレはオレは、これでは、終わらんぞ。」 「この独逸帝国もオレをなんともできはしない。」 「いいか、ロンメロ、オレは、オレは、オレは、ぐふ。」 シュリーマンが口から泡を吹いた。 「グフ、グフ、ロオンンン・・・グフ、ボコ。」 シュリーマンは泡を吹きながら倒れた。 皆、唖然として観ていた。 だれも、近寄らなかった。 ・・・・とうとう、シュリーマンは憤死したのである。 ここに、第弐代独逸帝国総師は倒れたのだ。 詰問会議はシュリーマンの最期で、議事は終了したのだ。 終わってみれば、あっけない物だ。 ロンメロはシュリーマンの遺体をシュリーマンの生家の墓に埋葬することとした。 シュリーマンの死で、既得権にあぐらをかいていたやからは独逸帝国の本土から衛星国へ、あわてて鞍替えだ。 ロンメロは粛清など、すでにゲシュタポは秘密警察ではなく、独逸帝国では、シベリア送りもなくなったのだ。 これで、実験に失敗しても技師らは安泰であった。 こうして、独逸帝国の民主化は、少しづつ進んでいった。 海軍、独逸帝国にとり禁句の海軍。 ソ連の爆撃で、崩壊した海軍をどうするか。 ロンメロは悩む。 ロンメロは陸軍の専門だ。 海のことは、な~んも知らんのだ。 これは、内緒だが、満潮、干潮も知らない。 浣腸なら・・・スンマセン。 ロンメロいわく、ヒトにはヒレがない。 だから陸軍でいいのだ。 もはやこじつけだが。 現在のところ独逸帝国の海軍に残っているのはUボートだけだ。 つまり、潜水艦艦隊がソ連の爆撃にも耐えて残っていたのだ。 なぜなら、潜水艦専用のバンカーは4メートルの厚さの鉄筋コンクリートで、守られていたからだ。 それで、100隻あまりの潜水艦が独逸帝国海軍である。 しかし、潜水艦は通商破壊くらいしか使い道がない。 あとは、敵情偵察だ。 スパイを敵国に送り込むくらいしか役にたたない。 空母なんか夢の、また夢だ。 ゲッペルン総師が感銘を受けたほどに空母は運用が難しいのだ。 1年や2年では物にはならない。 米国なんか、数千人が空母の着艦事故で、殉職しているのだ。 日本も空母を開発したころは、数百人の殉職者だと聞いている。 まあ、現在は正確な誘導無線技術で、事故は皆無だが。 空母があれば、100隻を10隻に減らして、その余剰金で空母を運用したい。 そうだ、英国に、手付かずの空母が確かあったはずだ。 ドーバー越えを警戒している英国だ。 ロンメロは潜水艦と空母のバーターができないかと英国に打診した。 英国の条件は、日本の認可だった。 ロンメロは4発ジェット機の衛星通信機へ向かうのだった。
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