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トヨスの新型

強い軍隊はメシがうまい!

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 ここは、トヨス自動車の米国支社だ。 支社といっても日本の本社より規模も人員も多いのだ。 物量の国、米国はトヨス自動車の米国支店に全面的な信頼を置いていた。 日本人技師は裏切らない。 約束を守る。 時間より早く会社に来て、時間より遅く帰る。 低賃金(日本国より高給だが。)でもデモやストなどやらない。 まず、盗み(会社の物品などをちょろまかす。)などやらない。 それに、米国の利益を考えてくれるのだ。 それが、トヨス戦車だ。 コーヒーメーカーやリクライニングシート、高感度FMラジオなど、日本戦車には無いのだ。 最近は、バーガー(日本産の霜降り牛肉のバーガーだ。)を温めるレンジまで装備しているのだ。 かゆいところに手が届く戦車であり、隊員の評価も高いのだ。  読者諸君は、戦いのための戦車に贅沢な装備だと思う無かれ。 兵站(兵隊の食糧)は大切なのだ。  古くからあるコトワザに、腹が減ってはいくさができぬ、とあるだろう。 うまいメシを食べている軍隊は強い。 日本の海上自衛隊の潜水艦のカレーを食ってみたまえ。 日本の海上自衛隊の潜水艦が、なぜ諸外国からの評価が高いかわかるのだ。 それぞれの潜水艦独自のカレーがあり、まさに命がけのカレー調理なのだ。 海上の護衛艦より、はるかにウマイのだ。 潜水艦が事故れば、たぶん全員死亡だろう。 海上艦なら、助かる確率も海中より高いのは諸君もわかるだろう。 だから、強い潜水艦であって欲しいのだ。 だから、調理にも真剣味が加わるのだ。 レシピなど、代々絶対漏らしてはならない最高の機密だそうだ。 それが、わかっているからのトヨス戦車である。 戦いの合間の安らぎのコーヒーの1杯で、ガンバろうの気持ちもワクのだ。 旧日本軍の精神論だけでは、B29は落ちないのだ。 B29を落とすのは、それより性能がいい戦闘機なのだ、そしてそれを操る強い兵がいれば無双だ。 それには、うまい兵站だ。  ネバダ砂漠、米国陸軍訓練施設、そこで戦車の訓練だ。 「つぎ、右の標的。」 「照準あわせ。」 「あわせた。」 「ファイアー。」 ドウウウウンン。 「よし、命中だ。」 無線で、「今日の訓練終わり。」 「随時、隊舎に帰還のこと。」 砲塔のコマンダーが返答する、「了解。」 隊員らが、「フーッ。」 「今日も、やっと終わったな。」 「では、1杯の。」 「そうだな、新しい豆を試すか。」 「待ってました。」 昨日、米国トヨスから裏で差し入れてもらったエチオピアブレンド豆を轢いて入れる。 香りがいい、「生き返る。」 「今日もなんとかなったな。」 「あ、あ、この1杯が生きがいさ。」 新しい豆は、香りが違い新鮮だ。 新しい豆を堪能して、「さて、隊舎までノンストップだ。」 トヨスの新型は一般のハイウェイを駆けることができる。 合成ゴム(アスファルトを痛めない。)を張った無限軌道は調子が最高だ。 油圧サスでキャデラックより乗り心地がいいのだ。 隣を走る、リンカーンを余裕で追い越した。 ラジオからは、ステレオ放送のカントリーが気分よく流れる。 騒音も少ないので気分よく音楽が聴けるのだ。 馬を操るカゥボーイではないが、戦車を操り、隊舎に滑り込んだ。 
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