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人質、奪還作戦

日本軍の根本理念

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 これは、遠く満州から西南の果て。 タクラマカン砂漠の果てにある、シナの人間爆弾訓練施設だ。 シナのウイグル地区の奥だ。 月あかりのない闇夜にステルスVTOLが2機、真っ黒の迷彩に塗装されて、静かに飛行していた。 国籍を示すものは無い。 つまり、撃ち落されても、文句は言えない。 日本国のイマドコ衛星からのサポート画面を見ながら、操縦士が、「まもなく、目的施設の近辺です。」 「了解した、いいか お前ら、覚悟はいいな。」 顔を真っ黒に迷彩した、黒い迷彩服の男が言う。 側にいる6人の少女らがうなずいた。 その少女も黒い迷彩で、クロ目出し帽で、顔を隠している。 「では、ホバリングします。」 「おうよ。」 クロずくめがOKのサインだ。 後ろのデカイハッチが静かに下に開く。 ロープを持って20人あまりのカタマリが飛び出した。 地面に着いたらロープをはずす。 全員が無事に着地できたようだ。 小隊長とおぼしき野郎が、手でサット合図だ。  音もなく、20人あまりのクロ集団は、動き出した。 見ると、アサルトライフルに暗視装置のメガネだ。 「カチリ。」 ライフルの安全装置を切り替える。 3連短発射だ。 短く、ダダダと3発撃てる。 連射だと、数秒で弾切れだ。 換えのマガジンはあるが、ムダ撃ちはしたくないからだ。 なお、少女らは、身軽で武器などは持っていない。 「まずは、通信室を。」 定番の指令だ。 連絡されては、あとあと、面倒だ。 まずは、通信塔への通信ケーブルをペンチで、切断した。 電話線はないようだ。 なんせ、砂漠の真ん中だ。 連絡はトラックか無線しかないのだ。  そして、路上のトラックをパンクさせた。 小隊長とおぼしきオトコが手で、合図だ。 何度も訓練されているようだ。 動きにムダが無い。 あっという間に、トビラに1人が取り付いた。 プラスチック爆弾を仕掛ける。 場所は3ケ所だ。 小さいカタマリに導火線を刺して、離れる。 手があがる、「ドウウウウンン。」と小さい爆発音だ。 同時に、ライフルを構えて数人が飛び込んだ。 「ダダダ、ダダダ。」と短い発射音だ。 トビラから、OKのサインだ。 2人の見張りを残して、あとは少女を連れて、トビラを蹴破りダダダ、と連続だ。 次々に部屋を制圧していく。 一番奥にがんじょうなトビラだ。 トビラの前の守衛は、ダダダで、旅立っていった。 カギを爆破してトビラを壊す。 中を確認して手で、入れの合図で、6人の少女が飛びこんだ。 泣き声や、わめく声の嵐だ。 しかし、時間は待ってはくれない。 床下に小さい装置をそっと置いて、手で脱出の合図だ。 母親とおぼしき6人のオンナを加えた、24人は、正面の見張り2人と砂漠へ駆け出した。 そこに、VTOLが2機降りて来る。 ハッチが開く。 12人に分かれて乗り込んだ。 「発進します。」 操縦士が、全員が乗ったか確認していう。 同時に、小隊長が眼下の訓練所を見ながら、手の中の小箱のスイッチを入れた。 1秒、2秒、3秒・・5秒、訓練所は大爆発だ。 跡も消し墨が残るくらいの大爆発だ。 爆発の割りに、爆発音は小さい。 大きな声ではいえないが、超小型戦術核爆弾を使ったのだ。 完全な証拠隠蔽にはコレしか無い。 国民には、絶対に明かせない核兵器である。  砂漠の真ん中で、人家がないから使えたのだが。  米国では開発できずに、日本の原子核技術で最近完成した超小型原子爆弾だ。 物質を、小さく安価に造る巧みの技は日本人ならではだ。  放射能反応も約6時間で消える、すぐれものだ。 その証拠隠滅作戦での実験も兼ねていたのだ。 まあ、そんなことは口にはできないのだが・・・・
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