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Uボートとイ号
独逸帝国と日本の違い。
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Uボートは日本では小型潜水艦だ。 乗員は40名から50名だ。 日本の潜水艦はUボートの倍くらいで、乗員も90名から110名と多い。 運用方法も違うのである。 Uボートは通商破壊(無抵抗な商船相手だ。)が主な任務である、イ号は敵の空母撃沈が目的であった。 先の大戦とは違い、日本の潜水艦は静寂性がすぐれて、哨戒任務が主となっていた。 つまり、偵察である。 現に、シナの近海には日本のイ号が数十隻、海の忍者としてスパイ活動に余ねんがないのだ。 シナの近海に潜り、たまに浮上して、スパイからの情報を聞くのだ。 とうぜん、金がものをいうのだ。 情報はスパイの親玉が管理して、いい話だと高額なのだ。 まあ、シナの中央政府から左遷された者を集めて親玉がやっていることに日本政府が、からんでいるのだが。 たまに、左遷された役人の家族が亡命することもある。 なぜなら、シナは反乱分子と認定されたら一族郎党が全員、皆殺しなのだ。 それも、公開処刑で、銃殺から犬のエサの刑まであるらしい。 とうぜん、逃げてくる役人は亡命資金を持ってくる。 そこから、何割かかっさらう親玉である。 ・・・・さてここは、独逸帝国譲渡潜水艦のイ号だ。 イ号177番潜だ。 177隻目だ。 独逸帝国への譲渡用に軍事機密を減らした船だ。 一応、ソナーや魚雷は運用できる。 しかし、最新のイ号のような三次元音響レーダーやクジラ音声変換装置や高速演算機、暗号通信装置は載せていない。 日本政府も、独逸帝国への信頼度は高くないのだ。 まあ、シナや半島、ソ連ほどは低くないが。 乗員はドイツ語をマスターした、対独逸教育をマスターした者ばかりだ。 潜水艦技師もいるのだ。 独逸帝国での譲渡式にはグルップ重工の役員も参列するはずだ。 そこで、独逸帝国の最新のUボートなるものを検分するつもりである。 独逸も日本もキツネとタヌキなのである。 独逸と日本の不可侵条約締結に合わせて潜水艦交換式も重ねることで、不可侵条約を磐石なものにする意向があるらしい。 まあ、政府のお歴々のやることは無関心のイ号艦長、中川だ。 「独逸帝国まで、新品で頼むぞ。」 中川艦長は艦内巡視で、乗員に指令する。 なんせ、交換潜水艦だ、ピカピカのフネで、独逸帝国軍人を圧倒したいのである。 それは、独逸帝国側も同じだ。 Uボートは給油船に、なんと牽引させているのだ。 トイレも使わせない徹底ぶりだ。 今度の不可侵条約がうまくいけば日本との軍事協定も夢ではない。 米国海軍と肩を並べる日本海軍だ。 独逸帝国海軍はショボイのだ。 ここで、うまくいけば日本海軍の運用ノウハウや潜水艦技術も得られよう。 さすれば、世界に冠たる独逸帝国艦隊も夢ではない。 「いいか、絶対に汚してはならん。」 独逸Uボート艦長の声が響いていた。
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