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その場の雰囲気は大切だ。

独逸帝国への苦言

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 現在、欧州つまりヨーロッパ大陸は独逸帝国支配下である。
 例外は、ラィツランドとローランドで日本の息のかかった国だ。 
日本国の正規空母の母港でもある。 
ソ連と独逸帝国の間で、緩衝地帯ともいえるのだ。 
それは、独逸もソ連も理解していた。 
史実の、フランスと英国の植民地の緩衝地帯であったタイのようなものだ。 
ロンメロは、まず歓迎の意を伝えた。 
山田総理も了解している。 だいたい、国際会談は下話が出来上がっているのだ。 
このロンメロ山田会談も同様である。 
いきなりでは、失言や失策もあるからである。 
国として、互いのリスクは小さいほうが得策である。 
「不可侵条約の締結を結びたい。」とロンメロ将軍。 
「民主国家宣言が条件です。」と山田総理だ。 
「まだ、時期的には、時間が欲しいのです。」とロンメロだ。 納得の山田総理だが、「それは、わかります。」 「では、いつになら。」 「それは、フローラさんと日本へ招待いたしますので。」 それから考えろとの総理の判断だ。 
「しかし、現在は臨時政府で、不安定で。」 「それは、わかります。」 
そこに、いきなりフローラとハンナが乱入だ。 
「あなた、新型VTOLで日本へ招待されましたわ。」とフローラだ。 
もう、満面の笑みだ。 否、なんていったらロンメロは・・・・・ 新型VTOL、ロンメロは日本国の軍事技術を観察できるチャンスだ。 
フローラの要求なら臨時政府も否とはいいがたいのだ。 
フローラは臨時政府内では、シュリーマン総帥を追い込んだ英雄あつかいだからだ。 
そして、ロンメロ将軍ー日本電撃訪問はフローラにより、実現したのである。 
相手の信用を得る意味でもロンメロの日本訪問は意味がある。 
不可侵条約に一歩近づいたと思うロンメロだ。 
話が始まれば、話が早くなるものだ。 
翌日には、かんたんな予定が組まれて、なんと2日後にはロンメロ夫妻は山田総理と新型VTOLで、ベルリン飛行場を離発したのである。 
・・・なんて、静かなんだ。 スチュアーデスの足音が聞える。
 ハンナとフローラのひそひそ話しまでが、部分的に聞えるのだ。 
振動など無い。 加速感も無い。 窓からは、同伴している米軍のファルコン改が見える。 
防音が確かなのか、ファルコン改のエンジン音は、かすかだ。 
ロンメロはトイレで驚愕する。 なんなんだ。 これが、ウワサのフローラが絶賛した洗浄トイレか。 
紙がいらないのだ。 超音波振動波で、水滴が飛び去り、ニオイまで吸収してくれるのだ。 
操作も絵文字で、見るだけでOKだ。 
座席は広く、リクライニングは電動で、音もしないのだ。 
ベルリンの総帥官邸より、雰囲気がいいのだ。 
インドの飛行場で、米軍のファルコン改が燃料給油のため立ち寄る。 
新型VTOLは給油がない。 え、まさか、無給油で、地球半周か。 
ロンメロは山田総理に、「この機は給油しないのですか。」と聞いた。 
総理は、「私は、あまり詳しくないので・・・」と誤魔化すだけだ。 
なんとフローラが答えた。 「あなた、超電導エンジンよ、無限のエネルギーよ。」 ロンメロは声も出なかった。 ロンメロも学生の頃、読んだSF小説で超電導は知っていた、あくまで空想の未来の話だ。 
しかし、現実にロンメロが乗ってるのは超伝導磁力エンジン機だ。
 越えられない壁を現実に見たロンメロだった。 
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