大東亜戦争を回避する方法

ロンメロ、山田会談

ロンメロ、総理に期待する！

　ここは、ベルリン飛行場だ。　
日本国専用機、（ハンナの専用機）のまわりは警備の米国パイロットが数人、機体の警備をしているだけだ。　
　大西洋に展開する米国空母から飛んできたファルコン改が独逸帝国に日本政府の付随機として飛来したのである。　まあ、ファルコン改は米国ホンヤが開発したジェットエンジンが２基搭載された音速を超える戦闘機だ。　
　そして、日本の磁力推進ＶＴＯＬは独逸帝国の飛行機関連の技師にとり、未来の乗り物であった。　
米国軍人の警備する円陣から、離れてカメラで撮影するだけだ。　
　米国の軍人も日本の磁力推進ＶＴＯＬは、まったく理解できない機体であった。　
ＶＴＯＬのお局士官に独逸帝国の新聞記者が恐る恐る、機内を撮影しても・・・
　お局士官は、「機体や内部を触らなければＯＫ。」との思いがけない返答だ。　
そして翌日のベルリン紙朝刊に日本の最新ＶＴＯＬ機体写真が掲載された。　
　これは、独逸帝国国民に、ものすごいインパクトを撃ち込んだ。　
山田総理が考えていたとうりの結果が出たのだ。　
　日本国には、戦争で勝てないと思わせることができたのだ。　
世界第二位の軍事大国の誇りが崩れ去ったのである。　

　独逸帝国も、さきのギガント４発輸送機や水上戦車、Ｖ型戦車、追撃ミサイル戦車、そしてＵボートなど誇れる軍事技術は数多あるのだ。　
　しかし、空想小説に登場する未来の飛行機が日本では普通に飛んでいるのだ。　
そして、どうぞご覧くださいだ。　
　これでは、まさかと思っていた空中戦艦が日本には存在するのだ、の空想話が現実味を帯びてくるのだ。　
独逸帝国の漁師が見た、と証言した空飛ぶ戦艦のホラ話が現実であると信じられるのだ。　
　小舟で、漁師が魚を網で引き揚げていた。　
すると海が盛り上がった。　
　そして、全長３００メートルはあろうか戦艦が海の中から現れた。　
そして戦艦は、なんと空中に浮かび上がったのだ。　
　そして、遠くいずこへ飛んでいった。　
戦艦の艦橋に日の丸を観たと漁師は証言したので、ホラ話で終わったのだ。　
　しかし、よく考えてみると、言わなくてもいい話だ。　
ホラ男と思われるような話を、わざと言うとも思えないのだ。　
　ナゾがナゾを呼ぶ空中軍艦の話だ。　
しかし、現実に磁気推進ＶＴＯＬを目の前にすると、先の漁師の話が現実味を帯びるのである。　・・・　

　ここは、総帥官邸の会議室だ。
ロンメロ将軍が山田総理に不可侵条約の話である。
　独逸帝国と日本国は互いに仮想敵国同士である。　
それを不可侵条約で、互いに仮想敵国では無い、と宣言したいがロンメロ将軍の希望であった。　
　それは、ローランドとラィツランドも同じである。　
これは、山田総理にとって大きい意味があった。　
　なぜなら、ソ連への対処で済むのだ。　
軍事予算も半減できるだろう。　
　互いに武官の交換で、互いに牽制すれば、不可侵条約も維持できるとロンメロは期待を込めたのだ。　
それは、欧州での独逸帝国の地位を米国や英国も認めることとなるのである。　
　山田総理は、「ドーバー越えの保障が欲しい。」と重ねた。　
英国から、重ねての日本への要望であった。　
　ドーバー越えは英国にとり、現在でも脅威なのだ。　
ギガント輸送機を押し返しても、脅威は脅威であるからだ。　
　ロンメロ将軍は・・・・・