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思いがけない戦果だぞ!
まったく新しい兵器の完成だ。
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「これは、本当なんですか。」と、海軍工廠の潜水艦用の兵器開発部の主任が驚く。
「うむ、マジらしいぞ。」と、係官だ。
「100両の戦車大隊の殲滅ですよ。」
「それが、たった6発の空中魚雷で、ですよ。」
「100両の戦車なら、軍艦1隻と同等じゃないですか。」「そうだな。」
建造費のことだ。 ヒトマル戦車100両と護衛艦1隻では・・・戦車が高額だが・・・
軍艦クラスなら、納得の価格となるのである。
「とてもコスパがイイ兵器ですね。」「そうだな。」
米軍の正規空母を、魚雷1発で撃沈すると同等のコスパである。
バルチック艦隊を、三笠1隻で殲滅するようなものだ。
「これは、信じられないことなんだぞ。」
「いいか、開発した君は、わからんだろうが・・・」と、係官はウンチクを述べるのだ。
「あの空中魚雷は、まったく新しい兵器の誕生といっても過言ではないと思うのだ。」
「海面から空中へ飛翔する兵器なんて、想像だにできないからな。」
「いいか、潜水艦なら秘匿性が高いから・・・敵の軍港へ隠密理に近づくことが可能だ。」
「魚雷なら水中で発射できるから・・・潜航したままだぞ。」
「そして、敵の基地を一網打尽なのだ。」
「これは、決定的な兵器だぞ。」
「なんせ、戦車1個大隊を崩壊させたんだからな。」(まあ、運がよかっただけなのだが・・・)
「まあ、敵が整列して集合していたからね。」と、苦言の主任だ。
「しかし、結果がすべてだぞ。」と、係官がいう。
確かに、戦果は結果がすべてなのだ。
「それで、予算も大幅に増えたからな。」と、係官が加える。
「でも、飛距離を伸ばすのは無理だぞ。」と、主任がいう。
「確かに、いまのスクリュー方式では限界だろうな。」
「しかし、このスクリュー無しの固形ロケット方式なら・・・」
「でも、それでは魚雷発射菅からは・・・無理だ。」
「だから、新型潜水艦の設計しか・・・」
これでは、現在のミサイル原潜のスタイルである。
当時は、まだ原子力動力は夢のSFの世界である。
潜水艦は蓄電池でモーターを動かすのが、最新の装置であったのだ。
「ふむ、固形ロケットの水中発射実験だって?」
「いま、魚雷発射菅では無理だと・・・」
「だから、固形ロケットの水中発射実験で潜水艦の設計をする必要があるからだよ。」
「まあ、予算が増えたからな。」「できないことはないが・・・」
「まあ、はじめは筒を立ててヤルことになるだろうな。」
「水中で、どうやって点火するんだ。」
「それは、空気の泡を吹いて・・・幕を造ろうと思うんだよ。」
「泡でロケットを包んで点火するのだ。」
「まあ、試験をすれば、わかるよ。」
「点火は、もちろん電気火花だよ。」「なるほど。」
水中で金属の溶接をする技術があるが・・・同じようなモノである。
(これは、ウソ八百の妄想ラノベだからね。)
「でも、翼が水中では抵抗があるから、空中へ出てから展開するのか。」
「うむ、そうだよ。」
「なかなか、考えてるな。」
「あ、あ、翼は模型飛行機の設計からだ。」
「なぜなら、模型飛行機も無人機だからね。」
「なるほど。」
「では、実験の準備を頼んだぞ。」
こうして、工廠の主任と技師は打ち合わせを重ねたのだ。
主任は佐藤主任技官といい。
技師は林君だ。(技師は平社員だ。)
なんせ、林君は新卒で工廠へ入所したばかりだ。
軍の工廠は陸軍と海軍とあり・・・
仲は当然、最悪である。
互いに妨害こそしないが・・・同じ国民であるが・・・よそ者という態度なのである。
これは、日本人の悪い癖だが・・・陸軍と海軍と競争することで、結果オ~ライである。
もちろん、水中ロケットは海軍が研究していたのだが・・・
この情報が陸軍へ漏れたのだ。
同じ、軍人どうしだから漏れはあるのだ。
「なんだと、海軍の野郎は新型ロケットだと。」
「え、え、なんでも水中から飛び出して戦車を破壊できるそうですよ。」
「海軍のくせに、陸軍の戦いである戦車へ、手を出すというのかっ!」
「らしいです。」
「うむ、これは由々しきことだぞ。」
「我が軍の戦車が海軍のロケットに負けることになっては、国防にも響くぞ。」
陸軍工廠の谷主任技官は憂慮せざるを得ないのだ。
「ううむ、これは海軍のロケットにヤラれない戦車を造らねばならんぞ。」
まあ、そうなるのだ。
「いいか、装甲を研究するんだ。」
「これ以上、厚くしても無理だから・・・なんか、考えろ。」
と、主任技官が無理難題を技師らに要求するのである。
「海軍のヤツラ、絶対に水中ロケットが完成したら陸軍の戦車でテストをしたがるだろう。」
「そうなりますね。」
「そこで、我が陸軍の戦車が蚊ほども傷が付かなかったら・・・」
「これは、海軍の赤っ恥ですな。」
「そのときに、腹を抱えて笑いたいぞ。」
「いいか、おまえら。」「ハイ。」
「陸軍のメンツにかけても、耐ロケット装甲を完成させるんだ。」
もう、こうなると・・・ヤ~さんの出入りと同じである。
こうして、陸軍工廠では・・・変な装甲の研究が始まったのである。
「えっ、機密が陸軍へ漏れただと。」と、驚く主任技官だ。
「え、え、私の知り合いの教授からですが・・・」
「なんでも、海軍のロケットなるものに、ヤラれない装甲が欲しいそうですよ。」
どうしても、新しい素材を大学の博士や教授から・・・そこから、漏れることも多々あるのだ。
「じゃあ、試験で戦車の装甲が抜けなかったら・・・」
「我が海軍が笑い物ですよ。」
「うううむ、うううむ。」
「いかんぞ、これは!」
「いいかっ、絶対に負けられんぞ。」
陸軍も海軍もメンツだけは、富士山よりも高いのである。
「うむ、マジらしいぞ。」と、係官だ。
「100両の戦車大隊の殲滅ですよ。」
「それが、たった6発の空中魚雷で、ですよ。」
「100両の戦車なら、軍艦1隻と同等じゃないですか。」「そうだな。」
建造費のことだ。 ヒトマル戦車100両と護衛艦1隻では・・・戦車が高額だが・・・
軍艦クラスなら、納得の価格となるのである。
「とてもコスパがイイ兵器ですね。」「そうだな。」
米軍の正規空母を、魚雷1発で撃沈すると同等のコスパである。
バルチック艦隊を、三笠1隻で殲滅するようなものだ。
「これは、信じられないことなんだぞ。」
「いいか、開発した君は、わからんだろうが・・・」と、係官はウンチクを述べるのだ。
「あの空中魚雷は、まったく新しい兵器の誕生といっても過言ではないと思うのだ。」
「海面から空中へ飛翔する兵器なんて、想像だにできないからな。」
「いいか、潜水艦なら秘匿性が高いから・・・敵の軍港へ隠密理に近づくことが可能だ。」
「魚雷なら水中で発射できるから・・・潜航したままだぞ。」
「そして、敵の基地を一網打尽なのだ。」
「これは、決定的な兵器だぞ。」
「なんせ、戦車1個大隊を崩壊させたんだからな。」(まあ、運がよかっただけなのだが・・・)
「まあ、敵が整列して集合していたからね。」と、苦言の主任だ。
「しかし、結果がすべてだぞ。」と、係官がいう。
確かに、戦果は結果がすべてなのだ。
「それで、予算も大幅に増えたからな。」と、係官が加える。
「でも、飛距離を伸ばすのは無理だぞ。」と、主任がいう。
「確かに、いまのスクリュー方式では限界だろうな。」
「しかし、このスクリュー無しの固形ロケット方式なら・・・」
「でも、それでは魚雷発射菅からは・・・無理だ。」
「だから、新型潜水艦の設計しか・・・」
これでは、現在のミサイル原潜のスタイルである。
当時は、まだ原子力動力は夢のSFの世界である。
潜水艦は蓄電池でモーターを動かすのが、最新の装置であったのだ。
「ふむ、固形ロケットの水中発射実験だって?」
「いま、魚雷発射菅では無理だと・・・」
「だから、固形ロケットの水中発射実験で潜水艦の設計をする必要があるからだよ。」
「まあ、予算が増えたからな。」「できないことはないが・・・」
「まあ、はじめは筒を立ててヤルことになるだろうな。」
「水中で、どうやって点火するんだ。」
「それは、空気の泡を吹いて・・・幕を造ろうと思うんだよ。」
「泡でロケットを包んで点火するのだ。」
「まあ、試験をすれば、わかるよ。」
「点火は、もちろん電気火花だよ。」「なるほど。」
水中で金属の溶接をする技術があるが・・・同じようなモノである。
(これは、ウソ八百の妄想ラノベだからね。)
「でも、翼が水中では抵抗があるから、空中へ出てから展開するのか。」
「うむ、そうだよ。」
「なかなか、考えてるな。」
「あ、あ、翼は模型飛行機の設計からだ。」
「なぜなら、模型飛行機も無人機だからね。」
「なるほど。」
「では、実験の準備を頼んだぞ。」
こうして、工廠の主任と技師は打ち合わせを重ねたのだ。
主任は佐藤主任技官といい。
技師は林君だ。(技師は平社員だ。)
なんせ、林君は新卒で工廠へ入所したばかりだ。
軍の工廠は陸軍と海軍とあり・・・
仲は当然、最悪である。
互いに妨害こそしないが・・・同じ国民であるが・・・よそ者という態度なのである。
これは、日本人の悪い癖だが・・・陸軍と海軍と競争することで、結果オ~ライである。
もちろん、水中ロケットは海軍が研究していたのだが・・・
この情報が陸軍へ漏れたのだ。
同じ、軍人どうしだから漏れはあるのだ。
「なんだと、海軍の野郎は新型ロケットだと。」
「え、え、なんでも水中から飛び出して戦車を破壊できるそうですよ。」
「海軍のくせに、陸軍の戦いである戦車へ、手を出すというのかっ!」
「らしいです。」
「うむ、これは由々しきことだぞ。」
「我が軍の戦車が海軍のロケットに負けることになっては、国防にも響くぞ。」
陸軍工廠の谷主任技官は憂慮せざるを得ないのだ。
「ううむ、これは海軍のロケットにヤラれない戦車を造らねばならんぞ。」
まあ、そうなるのだ。
「いいか、装甲を研究するんだ。」
「これ以上、厚くしても無理だから・・・なんか、考えろ。」
と、主任技官が無理難題を技師らに要求するのである。
「海軍のヤツラ、絶対に水中ロケットが完成したら陸軍の戦車でテストをしたがるだろう。」
「そうなりますね。」
「そこで、我が陸軍の戦車が蚊ほども傷が付かなかったら・・・」
「これは、海軍の赤っ恥ですな。」
「そのときに、腹を抱えて笑いたいぞ。」
「いいか、おまえら。」「ハイ。」
「陸軍のメンツにかけても、耐ロケット装甲を完成させるんだ。」
もう、こうなると・・・ヤ~さんの出入りと同じである。
こうして、陸軍工廠では・・・変な装甲の研究が始まったのである。
「えっ、機密が陸軍へ漏れただと。」と、驚く主任技官だ。
「え、え、私の知り合いの教授からですが・・・」
「なんでも、海軍のロケットなるものに、ヤラれない装甲が欲しいそうですよ。」
どうしても、新しい素材を大学の博士や教授から・・・そこから、漏れることも多々あるのだ。
「じゃあ、試験で戦車の装甲が抜けなかったら・・・」
「我が海軍が笑い物ですよ。」
「うううむ、うううむ。」
「いかんぞ、これは!」
「いいかっ、絶対に負けられんぞ。」
陸軍も海軍もメンツだけは、富士山よりも高いのである。
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